耳鼻科医の診療日記
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なぜ、鼻はつまるのか
今回は、鼻づまりの起こるメカニズムについて書きます。

鼻づまりって、本当につらいですよね。しかも、誰でもしばしば経験する症状です。また、風邪や花粉症などにより急に起こった鼻づまりの方が、慢性的な鼻づまりよりも、特に苦しいようです。

何故鼻づまりは、これほどまでにつらいのか。それは、人間誰しも呼吸しなければ死んでしまうわけで、呼吸に対する欲求、逆に言えば窒息に対する恐怖心というものが、本能として備わっているためです。たとえ両方の鼻がつまろうとも、口呼吸はできるわけですから、実際に鼻づまりで窒息することはないのですが、窒息は即、死につながりますので、鼻がつまった時点で体の方からは、警報としてつらさを感じさせるのではないでしょうか。

鼻づまりの起こるメカニズムについて説明する前に、このブログの読者にぜひ理解しておいてほしいことがあります。それは、鼻の中の構造について。顔の中心にありながら、意外と中の構造は知られていません。鼻の中を鼻の穴の方からのぞいてみますと、図の(A)のような形になっています。内側には左右の鼻腔を隔てる鼻中隔があり、外側には、鼻甲介という出っ張りがあり、入り組んだ構造になっています。これは、空気中のゴミを取り除いたり、吸気を加湿したり、温度の調整をしたりするのに都合がいいように、表面積を増やすためと考えられます。
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ところが、ひとたび鼻炎になりますと、この構造が災いし、鼻づまりとなってしまうわけです。つまり、図の(B)のように鼻甲介が腫れてしまい、空気の通り道が狭くなってしまうわけです。また鼻甲介が腫れるのは粘膜の下にある結合組織に、炎症性の細胞(主に白血球のなかま)が浸潤、毛細血管の透過性亢進、浮腫、毛細血管の拡張などによって起こります。こういった鼻粘膜下で起こる反応というのは、もともと体を細菌やウイルスや、花粉などのアレルゲンから、自分の身を守ろうとする免疫反応なのです。この免疫反応が鼻をつまらせるということは、鼻から侵入した病原体を全身に拡げまいとする、一応理にかなった、まるで防火扉のような働きと理解されます。ただ、そのために窒息寸前の苦しみを味わなければならないのは、今ひとつ納得できず。もう少し、うまい方法がなかったものかと思うところでもあります。

また、よく鼻炎などで鼻がつまるのは、単に鼻汁が鼻の中に充満するためであって、鼻汁さえ吸い取ってしまえば、鼻は通ると考えている方もいらっしゃいますが、実際は、上述のように鼻甲介の腫れが鼻づまりにかなり強く影響しており、鼻汁を吸い取るだけでは鼻づまりは治らないのです。

今回は、誰でも経験しているであろう、鼻炎(急性鼻炎やアレルギー性鼻炎)による鼻づまりがどうして起こるのかと言うことを書きましたが、もちろん、鼻炎以外にも鼻づまりを起こす病気はいろいろあります。それらについては、近いうちに記事にしたいと思います。

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「鼻づまり」ついての他の記事はこちら
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鼻はなぜつまる
鼻の中の様子
鼻サイクル
下鼻甲介の腫れ
鼻中隔彎曲症
鼻茸・鼻ポリープ
鼻づまりの原因としての鼻汁
鼻の役割とは
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by jibikai | 2005-10-03 13:31 | 鼻のはなし | Comments(4)
Commented by ma- at 2011-05-21 02:07 x
やはりお医者さんと言えどもわからないことだらけなんですね。
Commented by jibikai at 2011-05-21 19:18
ma-さん、何をおっしゃりたいのか、よくわからないのですが?
Commented by 斎藤 at 2011-05-24 03:54 x
私は慢性的な鼻炎を患っています。
鼻づまりが起きた時、寝る時に非常に苦しいです。ですが体と首を一定の位置に固定すると片方の穴だけいきなりやたらと空気の通りが良くなるのは何故なのでしょうか?
Commented by jibikai at 2011-05-25 10:01
斎藤さんようこそ。まず、寝る時には自律神経が副交感神経優位になり、身体を休ませる方向に働きます。酸素はさほど必要としないと判断し,鼻の中がうっ血して通りにくくなるわけです。身体の向きにより通ったりつまったりするのは、うっ血が強くなったり,解消されたりするためだと考えられます。