耳鼻科医の診療日記
jibika.exblog.jp
  ↑ あさひ町榊原耳鼻咽喉科の公式サイト。是非こちらもご覧下さい。

あさひ町榊原耳鼻咽喉科  院長のブログ
お知らせ・連絡先
【重要!】
いわゆる医療相談につきましては、誤解を招く恐れ、また実際の治療の妨げになる懸念があるため、お受けしておりません。
例えコメント欄に個々の診断や治療方針についての質問を書き込まれましても、一切返答いたしませんので、ご了承ください。


【連絡先】
あさひ町
榊原耳鼻咽喉科医院
〒990-0024
山形市あさひ町7−25
院長  榊 原  昭


【あさひ町榊原耳鼻咽喉科医院のホームページ】
診療に関するご案内。
耳鼻科やアレルギー科の病気の情報などを提供しています。

【当院の携帯用サイト】
下のQRコードを読み込んでアクセスして下さい。↓↓↓


当ブログ、ホームページともリンクフリーです。

【お願い】
イラストや写真の
無断使用はご遠慮下さい。
記事が参考になったら、コメントをお寄せ下さい。

【ランキングに参加しています】
他の医学系ブログを見たい方は、下のリンクからどうぞ。
1日1回のクリックで耳鼻科医ブログに投票できます!
応援よろしく!!


【リンク】

My Blogs

小児の耳鼻科疾患



アレルギー疾患の解説


愛用品の紹介や雑談系。病気の話以外のブログ。

【その他の外部リンク】

初めての補聴器選びからトラブルや疑問にお答えします。時々趣味の話も。


あいち補聴器センターブログ すべては聞こえのために

めまい診療

診療所院長の独り言

パニック障害 入門

新型インフルエンザ対策関連情報-Yahoo!ヘルスケア-
フォロー中のブログ
カテゴリ
タグ
以前の記事
ライフログ
検索
ブログパーツ
外部リンク
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
急性低音障害型感音難聴の疫学的検討
e0084756_22451170.gif
急性低音障害型感音難聴の疫学調査はこれまでにも多くの施設で行われており、目新しいテーマではないのですが、これまでの報告は大きな施設からのものがほとんどです。ところが当疾患は診療所を受診するケースも多く、当疾患の全体像を把握するには、診療所における傾向も見なければなりません。そこで当医院にて治療した急性低音障害型感音難聴症例について疫学的に検討し、先日日本耳鼻咽喉科学会山形県地方部会例会で発表しました。ちょっとマニアックな内容ですが、スライドと解説をアップしますのでおつきあい下さい。
(急性低音障害型感音難聴って何?っていう方はこちらをご覧下さい。)
e0084756_22452461.gif
今回の研究対象は2004年から昨年末までの6年間に当院を受診した急性低音障害型感音難聴の疑われる患者さんのうち、下記の診断基準を満たす方としました。
e0084756_22461912.gif
高音域3周波数の合計が60dB以下と定めているのは、水平型や山型の感音難聴を除外するためです。ただし、この診断基準によりますと、元々高音域の難聴のある方に低音障害型感音難聴を併発した例は除外されてしまうため、賛否両論あって診断基準がまだ(案)のままとなっています。
e0084756_22472396.gif
疑い例も含めた症例数は176例で、そのうちの100例が確実例でした。
e0084756_13592533.jpg
確実例100例の性別、年齢別分布です。男女差は男性28例、女性72例であり他の報告者同様女性に多い傾向にありました。年齢層では男性が40歳代、女性が30歳代にピークがありました。
e0084756_14134630.gif
症状は耳閉感が最も多く72%で、以下難聴、耳鳴、聴覚過敏、自声強聴と続きます。
e0084756_14145953.jpg
そのうちの主訴は耳閉感が58%、難聴と耳鳴がそれぞれ18%、、聴覚過敏と自声強聴がそれぞれ3%でした。
難聴よりも耳閉感を訴えるケースの多いのが当疾患の特徴と言えると思います。
e0084756_1416031.gif
発症から受診までの期間です。
発症当日に受診するケースが最も多く、ほとんどのケースが1週間以内に受診していることがわかります。
e0084756_14202132.jpg
発症した月ですが、年ごとに多少のばらつきはあるものの春から秋にかけて多く、冬には少ない傾向にありました。
発症した月について報告している論文としては、他にもう一つ見つけることが出来ましたが、春から夏にかけて多く冬には少ないということを言っておりましてほぼ同様の傾向でした。
e0084756_1421078.gif
季節が発症に関係しているとすれば、気象条件と関連はないのかということを検討してみました。発症した日が特定しやすい、発症後7日内に受診した80例について、発症のあった日と無かった日との間で、様々な気象条件について有意差の検定を行いました。当日の平均気温、最高気温、最低気温は発症のあった日の方が無かった日に比べて平均で1度以上高い傾向にありました。前日の気温との差は平均、最高、最低いずれも低い傾向がありました。平年気温との差は平均、最高、最低いずれも若干高めなのですが、発症の無かった日の方がむしろ高い傾向がありました。
気圧に関しては海面の平均気圧で見ましたが、当日、前日との差、平年との差、全てのパラメータにおいてほとんど差がありませんでした。
有意差についてはt検定を行いましたが、いずれも有意差はありませんでした。
e0084756_1422157.jpg
典型例100例中、少なくとも一度は再診して経過観察が可能であった86例 90耳の予後について検討しました。
各周波数が20 dB以内となったのものを治癒、
低音3周波数の平均聴力レベルの改善が平均10 dB以上であったものを改善、
低音3周波数の平均聴力レベルの改善が10dB 未満であったものを不変としました。
治癒が69耳、改善12耳、不変9耳で悪化した例は見られませんでした。
e0084756_14231284.gif

再発の定義としては治癒と判定した後に、低音部3周波数の合計が65 dB以上となったもの。
改善例、不変例については、症状、聴力が一旦固定した後に再び低下した例。
自覚症のみの再発とは、基準は満たさないものの、自覚症が再発したものとしました。
再発なしが69耳、自覚症のみが6耳、再発して診断基準を満たしたものが15耳でした。


e0084756_14241557.gif
さてここからは、様々な因子毎に早期予後と再発率を見てみました。
まずは男女差についてですが、早期予後、再発率とも有意差はありませんでした。
e0084756_22451183.jpg
年齢ですが、高齢である方が予後不良との報告もありますが、今回の検討では有意差が見られず、再発率については高齢になればなるほど多くなる傾向はあるものの、こちらも有意差はありませんでした。
e0084756_14261664.gif
治療開始までの日数が長くなると予後不良例が多くなる傾向はあるものの有意差なし。再発率についても有意差はありませんでした。
e0084756_1427433.gif
めまい感の有無ですが、ある方が予後不良の傾向はあるものの有意差なし。
再発率についてはχ2検定にて危険率5%で有意差を認めました。
e0084756_14273012.gif
聴力との関係については、初診時の低音部3周波数の合計のついてみました。
130dB以上になりますと95dB以内、125dB以内の例と比べると有意に予後不良となりますが、再発率との相関は見られませんでした。
e0084756_14282438.gif
治療は、イソソルビドを使用した例とプレドニンを使用した例がありました。
早期予後についてはイソソルビド使用群のの方が良好な傾向がありますが、有意差はありませんでした。
再発は使用群にのみみられましたが、使用していない群が7耳と少ないため有意差はありませんでした。
e0084756_14285795.gif
プレドニン投与の有無による差ですが、使用群で予後不良の傾向がありますが、これは初診時聴力のより低下している例に対してプレドニンを使用する傾向があり、バイアスがかかったものと思われます。
e0084756_14291454.gif



=============================

ブログランキングに参加しています!
宜しければご協力を!
(アイコンをクリックするとランキングのページにジャンプします。
そしてなんと!耳鼻科医に10ポイントが入ります!!)
=============================
by jibikai | 2010-05-07 23:48 | 耳のはなし | Comments(0)