どうする!? タミフル

このごろは、タミフルという薬の名前を聞かない日はありません。言うまでもなく、インフルエンザウイルスの増殖を抑える薬です。新型インフルエンザの特効薬として、備蓄を始めようとした矢先に、タミフル内服後に異常行動をおこし死亡した2症例が報告されました。タミフルとの因果関係のある可能性は少ないとはいうものの、新型インフルエンザに対する切り札として、期待していただけに、不安もまた大きくなったといわざる終えません。

しかし、あらゆる薬に何らかの副作用は存在します。問題はその頻度と、重症度ということになります。今回はもちろん、異常行動の結果亡くなっているわけですから、副作用とすれば重症と考えなければならないでしょう。ただし頻度はどうでしょうか。ここ数年、タミフルは相当な量が使用されているはずで、そのうちの2例というのはけっして多い方ではないと思います。

今年のインフルエンザ(新型以外)に対しては、そういった副作用の出る可能性があること、タミフルを飲まなくとも治るものであること、内服後、直ちに発熱などの症状が治まるわけでなく、発熱のある期間を2日ほど短縮できる程度の作用であることなどを説明して、それでも希望する人に処方することになろうかと思います。

確かに、ここ数年でインフルエンザの迅速検査キットができたり、以前は対症療法しかなかったのに、シンメトリル、リレンザ、タミフルなどの抗インフルエンザ薬が発売されたりと、インフルエンザを巡る情勢はめまぐるしく様変わりし、解熱剤の使用法なども、数年前の常識が、今日の非常識になったりすることもあります。また、 インフルエンザ関連にかかわらず、 マスコミやネットなどでも医薬品の副作用情報などは、すぐに広まりますので、医者も勉強を怠らない様にしないと、患者さんより情報に疎かったりすることも起こりえます。

数年前までは、医者が情報を独占していたと言えなくもなく、「黙って俺についてこい」式のある意味”男らしい”診察スタイルが一般的でした。現在は治療法をいくつか示して、その際のメリット、デメリットを説明。また、治療しない場合どうなるかなども説明して、患者さんと一緒に治療法を考えていくような医者が増えてきていると思います。こちらは、「黙って俺についてこい」式が好きな患者さんにとっては「優柔不断な頼りない医者」として映るかも知れません。そこで自然と「黙って俺についてこい」式の医者のところには、「小難しい説明はいらないから、とにかく早く治してくれ。」という患者が集まり、説明の多い医者のところには説明の欲しい患者さんが集まることになります。例外として、たまたま相性の悪いもの同士が、腐れ縁の様につきあっていることもありますが、それは患者さんにとっても医者にとってもストレスになるかも知れません。

↓参考になったら、ぽちっと押してください。
☆人気ブログランキングへ☆
by jibikai | 2005-11-24 17:13 | Comments(0)

山形市の耳鼻咽喉科 あさひ町榊原耳鼻咽喉科  院長のブログ


by jibikkuma