第2世代抗ヒスタミン薬の比較

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ここでは成人向けの抗ヒスタミン剤の話をします。
小児向けの抗ヒスタミン剤については、こちらをご覧下さい。
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さて、スギ花粉症をはじめとしたアレルギー性鼻炎で最も多く使われる薬は、抗ヒスタミン薬。その中でも特に第2世代後期の抗ヒスタミン薬が、副作用が少なく、アレルギー全般の改善に優れていることは前回お話ししたとおりです。
第2世代後期の抗ヒスタミン薬ならどれも同じかというとそうでもなくて、それぞれ特徴がありますので、今回は代表的な薬剤について比較をしたいと思います。
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投与回数はアレジオン、エバステル、ジルテック、ザイザル、クラリチンが1回で、タリオン、アレグラ、アレロックは2回です。薬の作用の持続が長いものは1日1回ですし、比較的短いものは1日2回の内服が必要です。多くの患者さんは1日1回の薬を希望されますが、中には2回の方がいいという方もあります。また、ジルテックとザイザルは通常1日1回1錠ですが、症状が強い場合には2錠まで増量可能です。この場合眠気の出る頻度が増す可能性はあるものの、2剤とも効果は用量依存性ですので、それだけ強力になるものと思われます。

1日薬価の比較では最も安いのがクラリチンです。因みにクラリチンにはレディタブ錠といって水なしでも飲めるタイプの製剤があって、忙しい方には便利です。(その他、エバステルとアレロックにも水なしで飲めるものがあります。)
最も高いのがアレグラです。アレグラは眠気が少ないので、非常に人気があるのですが、欠点があるとすれば薬価と錠剤の大きさです。アレグラは最近テレビのCMでもやっているとおり、処方箋なしで薬局での購入が可能になりました。しかし、実は保険証を使って受診して処方してもらった方が割安ですし、やはり医療機関を受診する方がいいと私は思います。

効果の比較というのは実は難しいです。特にアレルギー性鼻炎では例えば血圧のようにいくら下がったとか、なかなか数値化できない症状が多いのです。それでも最近は症状を4段階ぐらいに分けて、薬剤の使用前使用後で比較するようなこともしていますが、なかなか一般の診療の場面には浸透していません。ということで、抗アレルギー剤の効果については印象で語られることの方が多いのです。表の+が多いほど強力ということで記載しましたが、これも患者さんに飲んで頂いた際の症状や鼻の中の所見の改善度などからの印象です。ザイザル、ジルテックはやや強め、この中ではアレロックが最も強力、他はまあまあという感じです。ただし患者さんによって効き目にも個人差もありまして、同じ患者さんに色々試して、必ずしもこの順序にならないこともあります。

眠気の頻度は添付文書からの抜粋です。アレロック、ジルテック、タリオン、ザイザルの順に高く、アレグラが最も少ないです。実際眠くなる人の割合もこの順序の通りかなと思います。よく眠くなる薬ほど効くといもいうのですが、ある程度は真実かなという印象は持っています。

授乳については、アレロックは「中止させる」、他は「避けさせる」と添付文書にはあります。ただし、実際にはほとんど問題にならないことの方が多いのですが、この辺については次回の記事で詳しく書きたいと思います。

その他、副作用の比較とか併用禁忌などいろいろ比較する項目はあるのですが、最後にアルコールとの併用についてだけ書きます。添付文書でアルコールとの併用注意と書いてあるのはジルテックとザイザルの2剤です。これは中枢神経の抑制を助長するというのが理由です。なお、鼻アレルギー診療ガイドラインではすべての第2世代抗ヒスタミン薬について、アルコールとの併用注意といっています。

今回、主な第2世代抗ヒスタミン薬について、薬価、効き目、眠気などについて比較してみました。誰にでも効いて副作用もなく、安価な薬があれば理想的ですが、なかなかそうは行かないのが実情です。しかし、ここ15年位の間で大分薬剤の選択の幅が増えました。その分だけ患者さんの症状やニーズにある程度沿った薬を選べるようになったということは、やはりアレルギー診療の進歩だと思うのです。

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Commented by 新米ママ at 2014-05-01 22:13 x
参考になる記事をありがとうございました。
現在授乳中ですが、妊娠中からずっと抗ヒスタミン薬を控えていたことと育児疲れのせいか、アレルギー症状がバッと強く出て困っています。手持ちのアレグラでは効かず、先生の記事を拝見してザイザルなどどうかなと考えています。
授乳への影響はほとんど問題ないことが多いと言うことについて、先生の主観でかまいませんのでぜひもう少し詳しく教えてください。
Commented by jibikai at 2014-05-04 14:27
新米ママさん、ザイザルは、最近シロップ製剤も発売されまして、これは生後6ヶ月から内服可です。母乳に移行するとしても、その量は乳児が内服するよりもはるかに少ないはずですから、授乳しつつ内服してもまず問題ないと考えています。ただし、添付文書には「授乳をさけさせること。」となっている以上、主治医の判断で処方ということになります。
by jibikai | 2013-03-04 16:14 | 花粉症・アレルギー | Comments(2)

山形市の耳鼻咽喉科 あさひ町榊原耳鼻咽喉科  院長のブログ


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