コーンビームCT導入!

耳鼻科の病気というと、中耳炎や副鼻腔炎などを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。これらの病気は顔面の骨や頭蓋骨の中で起こるものなので表面からも見えづらいし、レントゲンを撮っても骨が重なり合っているため診断が難しいということがありました。骨が重なっていてもレントゲンで診断する方法としてCTがあるのですが、従来のCTはとてつもなく高価ですし、鉛でシールドされた広いレントゲン室が必要ですので開業医がおいそれと導入できるものではありませんでした。
しかし、ここ数年の間にコーンビームCTというものが普及し始めて、この常識は変わりつつあります。
コーンビームCTとは、新しいタイプのCTで、高画質、比較的被爆が少ない、省スペース、比較的安価という特徴があります。小さくても副鼻腔、中耳疾患のより詳細な診断ができることはもちろん、撮った画像は直ぐにモニターに表示されますし、画像は鮮明でわかりやすいので、患者さんの説明にも非常に役立ちます。
というわけで、色々リサーチしてみました。コーンビームCTは数社から出ているのですが、なかでもアールエフ社製の「X線室のいらないCT」ならば、設置面積が最も小さく、専用のレントゲン室も備わっているので、診察室内の空いたスペースに置けることがわかりました。先月ショールームに実物を見に行き使えそうだと確信、それから価格交渉を経て月末に購入決定。そして今月の9日の搬入となりました。
かなりスピーディな対応のお陰で、思い立ってからたった1ヶ月という期間でCTが使えるようになりました!これで当院の画像診断の精度はかなりアップすることとなりますし、少なくとも副鼻腔や中耳疾患については、CT検査のために患者さんに他の病院を受診して頂く、という手間も省けることになります。

さて、搬入と設置の様子。
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CTというと、医療機器の中でもかなり大がかりなブツであるのは常識。それにしては拍子抜けするほど、小さめのトラックで運ばれてきました。それもそのはず、コーンビームCTは小さいのがメリットなのですから。

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院内に機材が運び込まれます。これが専用のX線室になります。

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X線室組み立て中。

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天井と本体を乗っけて

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扉を付けて

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組み上がってから、放射線漏洩の検査をしています。

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いすを入れて完成!

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中はこんな感じです。

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Commented by peanut-street at 2013-10-12 17:22
この会社福島県に工場があるんですよ。
アニメの忍者がモチーフで最初は何の会社か?でした。
本当に省スペースですね。
Commented by jibikai at 2013-10-12 21:09
peanut-streetさん、忍者のキャラは私も怪しいと思っていますw
そういえば、ホームページに福島工場で作ってると紹介してましたよ。
もともと歯科用に作ったものなので、小さくても必要十分という考えなのだと思いますが
耳鼻科での用途にもgoodです。
Commented by 伝わる履歴書を書きましょう at 2013-11-10 11:44 x
とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!
Commented by jibikai at 2013-11-10 23:22
伝わる履歴書を書きましょう様、訪問ありがとうございます!
Commented by at 2015-12-01 12:26 x
CTの導入すごいですね!ちなみに、いくら位するのですか?(^^;;
Commented by jibikai at 2015-12-03 18:59
花さん、ようこそ!
このCTは耳鼻科専用である分、リーズナブル。
高級国産車1台分位でしょうか。
by jibikai | 2013-10-12 00:23 | 耳鼻科医のお道具箱 | Comments(6)

山形市の耳鼻咽喉科 あさひ町榊原耳鼻咽喉科  院長のブログ


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