スギ花粉の飛散予測

1月も後半となり、そろそろスギ花粉症の方は、今年の花粉が多いのか少ないのか気になり始める頃かと思います。一般に、スギ花粉数に影響を及ぼす因子としていわれているのが、前年夏の気温です。
スギ花粉は雄花から飛散し,雄花芽分化期である夏期の気象条件によって,雄花の生産量が変動し,翌年の花 粉飛散数に影響を与える.すなわち,前年 7 月頃の気温 が高いと雄花の生産量が多くなり、翌年の花粉飛散数が 増加するとされています。
実際どうなのか、筆者の診療所のある山形市のデータで検証したことがありますので、紹介したいと思います。
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検討した期間は1984年から2011年までです。
花粉数は山形県衛生研究所のサイト、気象データは気象庁のサイトを参照いたしました。
赤の折れ線が前年に当たる年の、6から8月の最高気温の平均値です。
気温の低い年では、25℃台、高い年は30℃を超えます。
スギ花粉は少ない年だと、1平方センチメートルあたり、年間数十個から数百個。
多い年では10000個を超えますから、数十から数百倍もの差があります。
この期間でスギ花粉の多かった年は1985,1988,1990,1995,2000,2005,2009と2011ですが、ほぼ例外なく前年の夏の気温は高い傾向にありました。2001年の春は大量飛散でしたが,前年の夏は記録的な猛暑でした。
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分布図で相関を見てみました。
横軸が前年に当たる年の6〜8月の最高気温の平均値、縦軸が花粉飛散数です。
気温が高ければ高いほど、花粉が多く、正の相関がありそうです。
[#IMAG外に重視しているのは、前年の花粉飛散数です。
花粉数の年次推移をみてみますと、2年連続で花粉が少なかったこともなければ、大量飛散が連続したこともありません。理由として,一度大量に飛散しますと、木の勢いが衰えるため,翌年の花粉が少なくなるということが、言われています。
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横軸に前年の花粉数、縦軸に当年の花粉数として相関を見たのが上のグラフです。右下がりの傾向、すなわち負の相関がありそうです。
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以上から、スギ花粉数に影響を与える因子としては,前年夏の気温と前年のスギ花粉数ということになります。ここで、重回帰分析というものをやりますと、以下のような式が得られます。
一見しますとややこしい数式ですが、要はこういうことです。
前年の花粉が仮に1000個増えれば454個少なくなり、夏の最高気温の平均値が1℃上がれば1541個増えるということになります。
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同じことが他の地域でもいえるのかどうか、インターネットでデータが得られた地点で検証しました。
米沢市でも前年夏の気温が高いほど、スギ花粉飛散数は多く、前年の花粉飛散が多ければ、少なくなる傾向が見られました。
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新庄市でも同じ検証をしましたが同様で、前年夏の最高気温とは正の相関、前年の花粉総飛散数とは負の相関を示しました。
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県外でデータが得られたのは甲府市です。ここはかなり暑いところのようで夏の最高気温はほとんどの年で30℃を越えるようですが、ここでも同様に、スギ花粉飛散数は前年夏の最高気温とは正の相関、前年の花粉数とは負の相関がありました。
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さて、これは一昨年のデータを基に昨年の山形市の花粉がどうなるかを予測した式ですが,一昨年の花粉数が1879個、6〜8月の最高気温の平均は29.6℃でしたから,これを代入しますと5760個程度となりました。山形市の総飛散数の平均は約3,000個ですからその約二倍程度の飛散を予測していました。県衛生研究所のホームページによりますと、昨年総飛散数は実測でも5680個でしたので予測は的中した言っていいと思います。
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さて今年はどうでしょう。山形市の場合、昨年の花粉数が1879個、6〜8月の最高気温の平均は29.6℃でしたから,これを代入しますと2948個程度となりました。ほとんど平年並みの飛散となるというのが、私の予想です。

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by jibikai | 2014-01-19 21:33 | 花粉症・アレルギー | Comments(0)

山形市の耳鼻咽喉科 あさひ町榊原耳鼻咽喉科  院長のブログ


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