耳鼻科医の診療日記
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次、いつ来ればいいですか?
このブログの目的の一つとして、患者さんと医者との間のちょっとした不信感を出来る限りなくしていく、ということがあります。この”ちょっとした不信感”というのは、ドクターショッピングなどの弊害も招きますし、医療の効率を下げる大きな要因となっているからです。この不信感というのは、医者と患者という立場の違いから不可避なものもありますが、誤解によって生じているものもあり、こちらについては誤解を解くことで理解し合えるのではないかと考えております。

前置きが長くなりましたが、今回はその誤解の一つである通院の間隔の問題。たとえば、同じ病気でAという病院にかかった時と、Bという病院にかかった時に、Aでは「毎日通いなさい」、Bでは「一週間後でいいです。」と言われたら、「その違いって何?」って思うでしょう。今回は、そんな疑問に答えたいと思います。

通院の間隔は、一つの要因で決まるのではなく、いろんな要因が絡み合って決まっていきます。列挙してみますと、
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1.病気の種類(急性であればあるほど短、慢性であれば長)
2.病気の重症度(重症は短、軽傷は長)
3.病状の変化が予測できるものかどうか(予測不能なら短、予測可能なら長)
4.処置の必要性(必要なものは短、不要なものは長)
5.医院、あるいは病院の忙しさ(暇なら短、忙しいなら長)
6.患者さんの忙しさ(時間のある人なら短、忙しい人なら長)
7.患者さんの自宅や職場からの距離(近ければ短、遠ければ長)
8.医者と患者さんの信頼関係(浅ければ短、深ければ長)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
まあ、こんなところが考えられます。
それぞれについて解説を。

1:病気の種類について
病気の種類によって経過は様々です。急性のものとは急に悪くなりますが、治るのも比較的早いものが多いです。例えば急性扁桃炎を例にとりますと、元気だった人が急に高熱を出して、のどの痛みのため全然食べられなくなったりします。このような場合は毎日通院、あるいは入院して点滴したりした方がいいこともありますが、同じ扁桃炎でも慢性扁桃炎の場合は、ひりひりした痛みが持続しますが、食べられなくなるほどじゃないので、1ないし数週間に一度の割合で経過を診て、症状に応じて薬を出したり、場合によっては手術を勧めていったりする、というような感じになります。

2:病気の重症度
例えば、子供の罹る急性中耳炎などでも、重症度は様々です。軽いというのは中耳の粘膜や鼓膜に少し炎症を起こして充血するぐらいですから、抗生剤を処方して5日後ぐらいに治っているかどうか確認するぐらいで大丈夫です。一方、重症の場合は中耳に膿が沢山たまりかなり痛がって眠れないほどの事もしばしばです。余りひどい場合は、鼓膜切開なども必要になりますから、頻回に様子をみるため、毎日来てもらうこともありえます。

3.病状の変化が予測できるものかどうか
まず、初診時で診断がつかないということもありえます。この場合、早めにもう一度来てもらうことになります。また、診断はついても、軽く済むかひどくなるかその時点で判断出来ないことがあり、その場合は早めに来てもらうことになります。たとえば、突発性難聴などがそうでして、外来通院だけで数日でよくなることもあれば、逆に治療しても聴力がさらに低下する、なんてこともあり、その場合入院が必要になるケースも多いので、頻回に経過を診なければなりません。
一方、スギ花粉症の場合などは、スギの飛散量と患者さん本人のアレルギーの強さで症状が予測できますので、通院の間隔は長くとも大丈夫です。

4.処置の必要性
例えば、副鼻腔炎という病気がありまして、これは鼻から奥につながっている副鼻腔というところに炎症を起こします。治療はこの鼻と副鼻腔を結ぶ通路を掃除して、ネブライザー療法をやるのが良いのですが、一度掃除してもまたすぐ塞がりますから、本来2、3日に1度の通院が望ましいです。その他、カビによる外耳道炎なども頻回の耳処置が必要です。また、一般的に手術後なども傷の処置を頻回にやる必要がありますので、通院間隔は短くなります。一方、薬物療法中心の治療の場合は、通院間隔が長くとも大丈夫なことが多いです。

5.医院、あるいは病院の忙しさ
こういうとを書くと、「医者は自分の儲けの事ばかり考えて、必要以上に患者を通わせている、けしからん。」という風に思われる方があるかも知れませんが、そういったところは少ないはずです。これは、本来頻回の通院を必要とする場合でも、余り忙しい病院などですと、待ち時間が2~3時間ぐらいはざらになりますから、どうしても病気の重症度順に間引かざる終えないということなのです。暇になってくると、通院の間隔が短くなるとしたら、それが本来の適正な通院頻度であることの方が多いと思います。

6.患者さんの忙しさ
これは、もう医者だけではどうしようもないです。ただ一つ言えるのは、余り忙しくして自分の身体を顧みないのは、良くないですよということ。バリバリ働くのは結構ですが、身体のコンディションを整えながらの方が、仕事や勉強や部活などの成果も上がるのではないでしょうか。

7.患者さんの自宅や職場からの距離
これは、まあ分かりますよね。近所だったら、毎日通ってもらうことも可能ですが、片道1時間以上かけて通院して下さる方もいらっしゃいますから、こういう時はある程度妥協して考えるか、頻回の通院が必要であれば、近くの病院を紹介するしかないと思います。

8.医者と患者さんの信頼関係
これはどういう事かと申しますと、ある程度通院していただきますと、患者さんの癖がわかってきます。たとえば、次回来院予定の日が来ないうちに症状が悪化したような場合、そのまま放っておく人もいれば、早めに様子を診せに来る方もいます。具合が悪くてもなかなか来てくれないような人には、早めに来院するよう指示するしかありませんし、具合が悪ければ早めに来てくれる方は、しばらく自分で様子を見て頂いても大丈夫ということになることが多くなります。

以上、8つの要因にわけて、通院間隔をどう決めていくかをお話ししましたが、もちろんこの8つの要因は同列なのではなく、優先順位があります。なんといっても1〜4の病気の性質が重要で、次が患者さんの都合、最後が医者の事情で決まってくると思います。

ですから、必ずしも通院回数が少なくても良いのが名医だったり、良心的というわけではなく、いろんな要素が絡んで決まるというわけなのです。

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by jibikai | 2006-08-04 16:20 | 耳鼻科全般 | Comments(7)
Commented by osha-p at 2006-08-04 23:48
大学病院に変わった頃、眼振を確認したいからめまいがあったら来るようにと言われた事があります。そのころ、もうすでに私のめまいは「脳がめまいに慣れて」軽くなっていましたので、1時間以上かかる病院に着くころにはめまいが治まってると思われ・・・(^^;; その当時はジレンマでした。今は自分の事があるていど自分でわかったし、安定してるので「長」です。
Commented by jibikai at 2006-08-05 08:32
>osha-pさん、おはようございます。
たしかに自発眼振が出ているようなときは、動こうにも動けませんし、ちょうど受診する時間に眼振が出るように調整することなんてできませんから、無理な注文だったかもしれませんね。でも、発作時の自発眼振を診断の参考にしたい、というのもよくわかります。
osha-pさんの場合、きちんと診断もついているようですし、主治医もご本人も病状についてはよく把握されているようですので、もちろん、通院間隔は「長」で問題ないでしょうね。
ただ、以前、メニエール病の方に4週間分処方したら、苦情を言われたことがあります。「重くて持って帰れない。」と。車で来ているかどうか確認するべきでした(汗)。
Commented by 心療耳鼻咽喉科医 at 2006-08-05 10:17 x
>osha-pさん、おはようございます。
発作時の自発眼振は自宅で記録できる機会を以前作っている先生がいました。そういったものが活用されるとよりよいと思います。私は発作時に来院してくれというのは医者の逃げ言葉だと思っています。眼振の観察がそれほど多くのことを語る時代はすぎています。画像診断がない時代は眼振重視だったのだと思います。
Commented by 心療耳鼻咽喉科医 at 2006-08-05 10:18 x
jibikai 様
目からうろこのようなまとめですね。医師になって5年目くらいまではここに記されたことが理論的に頭の中で処理できず、患者に不信感を与えていたのだと思います。今は無意識でこれらの情報処理を行っていると言うことが再認識できました。といってもまだまだトラブルが起きることは多々ありますが。。。。。
Commented by lily at 2006-08-05 13:40 x
「目からうろこのようなまとめ」に大賛成。無意識に判断していることを、はっきりとした文章で読むと、とっても爽快です。
Commented by jibikai at 2006-08-05 14:10
>心療耳鼻咽喉科医さんへ、
簡単に言えば、病気の都合と、患者さんの都合と、医者の都合で決まるということになるんですが、何が重視されるかっていったら、そりゃあ病気の都合ですよね。おそらく何日後が正解なんて答えはないんでしょうが、経験則で決めていることを整理してみました。
特に長期処方の原則2週間以内っていうしばりがなくなってから、最長は自分で決めて行かなくてはならなくなりましたしね。
Commented by jibikai at 2006-08-05 14:21
> lilyさん、お久しぶりです。
医者の常識が、患者さんにとっては非常識だったりするとなかなかうまくいきませんので、双方の妥協点を見つける基準みたいなものをまとめてみました。
ところで、ブログも再開されたのですか?こんど、覗いてみますね。