タミフルと異常行動死
2007年 02月 28日
いますが、そうした中、今年も内服後にマンションから転落して中学生が亡くなる
という事件(事故?)が、宮城県内で起こりました。
厚生労働省の見解では、今のところはタミフル内服とその後の異常行動、すなわち
突発的な自殺企図のような行動との関連は、否定的ではあるが、さらなる調査が
必要とし、今後疫学的調査を行い、夏頃には結論を出す模様です。
マスコミなどには、厚労省の怠慢だとか、薬害だとかといった感情的な論評をする
ところもあります。しかし数千万人が使用して、異常行動死が数名程度、しかも
タミフル内服をしなくとも、インフルエンザ罹患時の異常行動はまれに見られる
とのことですので、この因果関係を証明するのは、なかなか難しいと思われます。
また、新型インフルエンザのパンデミック(世界規模での大流行)が起こった時
には、タミフルが有効と想定され、実際備蓄もしています。厚労省としては、ここで
タミフルの副作用ばかりがクローズアップされるのは、不都合と考えている可能
性がないとはいえません。
現在、私の診療所でも1日あたり2〜3名のインフルエンザの患者さんが来院され
ます。大人の場合は、他剤への切り替えにて対応しておりますが、それは、吸入薬
のため使用には少しコツが必要で、乳幼児は使用ができません。
インフルエンザの発症後2〜3日はタミフルの内服のある無しに関わらず、
異常な行動をするケースはあり、特に若年者に多いようです。
ということで、現在出来る対応はインフルエンザにかかったら、タミフルの内服の
有無に関わらず、保護者などが十分に監視するしかないようです。
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僕も今朝のニュースで宮城県の事故を知りました。
タミフル服用の注意(?)として、異常行動をまれに起こすことも書かれているようですね。
でも薬局では「1日○回、最低△時間は空けてお飲みください」くらいしか、言われないのではないでしょうか?
今回の事故は子を持つ親としては、よい教訓になりました。
タミフルに限らず、処方された薬の用法などは、きちんと読まなくてはいけないようですね。
一昨日パピラ検索で先生のブログを知りました。
私は耳鼻科メインの調剤薬局を自営しています。
タミフルは今年はまだ処方されていません。
が…昨年?一昨年ですか?異常行動で死亡例が出てからは、タミフル服用1日2日はお子さんに注意するように
伝えています。
異常行動は服用2日以内に起こっている例がほとんどらしいので。
今日ニュースで厚労省が注意喚起を促したようですが…遅いですね。因果関係が明確でなくても もっと早くすべきだったと思います。初めてのコメントで長々と申し訳ありません。
クスリの効能や副作用、注意事項というのは「添付文書」という
ものに全て書かれてあるのですが、タミフルの場合、頻度不明
ということで精神症状(異常行動など)が、起こることがあるとは
記載があります。ただし、頻度は非常に少ないということで、
医者も薬剤師も、特別には注意喚起してこなかったのだと思います。
もちろん全てのクスリには、副作用があります。ただしどこまで
患者さんに説明すべきは、難しいところなのです。
そうですね、タミフル内服後の異常行動は頻度が少ないということ
で、ことさらには強く注意喚起されていなかったのだと思うのですが、
結果が死亡というと、無視してはならないと思います。
うちの所では大人はリレンザに切り替えていますが、
子供ははどうするか。
結局、必須の薬ではないこと(つまり、飲まない選択枝もあること)、
それでも処方を希望される場合は、副作用としては異常行動は
あり得ることなどを、情報公開していくしかないんじゃないかと思って
います。