こんにゃくゼリーだけが危ないわけでもないんですが・・・

<こんにゃくゼリー>事故相次ぐも、各省は法的措置取れず [ 06月17日 19時28分 ]毎日新聞

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上のリンク先のエキサイトニュースですが、要するにこんにゃくゼリーを法的に禁止することが可能かどうか関係省庁である厚労省、農水書、経産省で検討したが、まず禁止は無理だろうとのこと。

何故、こんにゃくゼリーだけがやり玉に挙げられていているのかはわかりませんが、前回の記事でも書いたとおり、餅による窒息などは昔から多いですし、その他には気管支異物としてピーナッツなどの豆類も、幼児に与えると危険であることは、知っている人も多いはずです。
(3月にこんにゃくゼリーでなくなった子は7歳の児童とのことで、何故、比較的大きい子でそんなことが起こったのかは、私もよく分かりません。一般的には、咽喉頭異物、気管・気管支異物は幼児と老人に多いのです。)

問題は、最近よく言われる”格差社会”ではないのですが、知識というか常識のある人、ない人の格差です。うちの医院を受診する人の中にも、ごくごくまれになのですが、大人でも子供でも、ガムをかみながら、あるいは飴をなめながら、診察室にはいる方がいらっしゃいます。エチケットとかマナーとか云う前に、もし診療行為でビックリしたのがきっかけで、咽喉頭や気管・気管支異物にならないとも限らないという危険なことなのです。ですから途中まで診察して、何か変だなと思って口を開いてもらって、あめ玉などを発見した際には、医者にとっては冷や汗ものなのです。繰り返しますが、そういうのはごくごく一部の方です。

それが、10人中2、3人もいるんだったらこちらも待合室に「診察の際には口にものを入れておかないようにしましょう。」と張り紙をしておくとか、毎回診察の際には「まさか何か口に入っていないですよね。」と確かめなくてはならないのでしょうが、そんなことをしたら多くの常識のある人には不愉快でたまらないですよね。

極論を言えば、物を食べている限り、普通に食べても咽喉頭や気管や気管支に異物を詰まらせる可能性は、必ずついて回りますので、実は食べ物を食べるというのはまさに命がけの行為なのです。それでも人は食わないわけにはいかないのですから、せめて危険な食べ方はしないよう、注意していく必要があると考えています。

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Commented by ちょこ at 2007-06-19 19:35 x
先生こんにちは。
「食べ物を食べるというのはまさに命がけの行為」。気付かなかったですが、そうですね!その事に気付いた時には遅かった~なんてならないように、気をつけないといけないし、親は子(幼児)に、子は親(老人)にそのことを注意していかないとダメですね。
しかし、色んな方がいらっしゃるんですね… では♪
Commented by jibikai at 2007-06-20 10:27
>ちょこさん、こんにちは。
何かしながら食べるとか、遊びながら食べるとか、昔からマナー違反の様にいわれていることには、実は危険な行為を戒める意味もあるんじゃないかと思います。文明が進みすぎたせいか、危険を察知する能力というか、こうしたらああなるという、想像力がちょっと少なくなってきているんじゃないでしょうか。
by jibikai | 2007-06-18 11:16 | のどのはなし | Comments(2)

山形市の耳鼻咽喉科 あさひ町榊原耳鼻咽喉科  院長のブログ


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