聴力検査〜その3〜

 標準純音聴力検査で得られた各周波数毎の閾値をグラフ化したものを、オージオグラムと呼びますが、今回はそのオージオグラムの一例を示します。
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 横軸は周波数で左が低音、右側が高音の順に並んでいます。このうち日常よく聞く音は、500〜2000 Hzです。また、健康診断や人間ドックなどでやる聴力のスクリーニング検査は、1000Hzと4000 Hzの2種類の音の気導だけを調べます。

縦軸は聴力レベルといいまして、要するに音の大きさなのですが、基準の値の0 dB(デシベル)は聞こえが抜群に良い人のレベルでして、正常な人を集めて平均値をとっても、0dBとはなりません。なお数字が大きくなればなるほど、大きい音じゃないと聞こえない、ということを表しますので、グラフの下の方に来れば来るほど、聞こえが悪いということになります。およそ20dB以内であれば、聴力はほぼ正常と考えています。

オージオグラムでは、右の気導の閾値には丸印を付けて、赤い線で結びます。左は×印を青い線で結んで区別します。現在のオージオメータはほとんどが、検査結果であるオージオグラムをプリントアウトする機能があるのですが、モノクロで印字しますので、その場合は色分けは出来ませんので、右は実線、左は点線として区別します。
骨導の閾値は、右はカタカナのコの字を左右反転したような記号、左はカタカナのコの字の様な記号で表します。元々は耳を横から見たような絵を描いていたのが、簡略されてこのような記号になりました。

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今回は、聞こえの閾値をグラフ化した”オージオグラム”についてお話ししました。

まあ、万人向けの話ではないのですが、聴力検査の話、もうしばらくおつきあい下さい。

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Commented by osha-p at 2007-07-13 09:23
私は左右逆で、私の左は、ぱっと見は右の山形、、、じゃなく山型のような形です。聴力の基準はいろいろあるようですが、私の病院では30dBが異常正常境界ラインのようでした。だからいい方の低音が30、40程度のときでも急に低下でもないのでそんなに問題視はされませんでした。
Commented by jibikai at 2007-07-13 09:48
>osha-pさん、おはようございます。
メニエルでは、初期は低音障害型でも徐々に山形・・・・もとい、山型や水平型に移行するといわれています。聴力の正常範囲、というのもなかなか難しいものがあるかも知れませんが、30~40 dBだと軽度難聴というところでしょうか。ただ検査して軽度難聴でも、本人はまるきり自覚がないとか、逆に正常範囲なのに、難聴や耳閉感を感じているケースとか、様々です。
Commented by osha-p at 2007-07-13 20:32
なるほど、そのあたりは人により様々なんですね。いい方も閉塞感はありますから正常ではない自覚はありますが、なんせいい方なので正常な聴力との比較ができないんですね。たけしのような低音でぼそぼそっとした声がオチのときはちょっと悲しいですが、まぁ、普通の環境ならば今のところ大丈夫です。
Commented by jibikai at 2007-07-16 22:39
>osha-pさん、こんばんは。
そうなんですよ。閾値の絶対値も正常かどうかを判断するには重要ですが、片側の難聴の場合は、健側との比較も需要になりますから、片側から両側性へと移行する際には、なかなか病状を把握しづらいかもしれませんね。
by jibikai | 2007-07-12 18:39 | 耳のはなし | Comments(4)

山形市の耳鼻咽喉科 あさひ町榊原耳鼻咽喉科  院長のブログ


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