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カテゴリ:のどのはなし( 19 )
扁桃の話~Youtubeバージョン〜
動画アップロードしました!


扁桃の話
扁桃の仕組みとはたらき、扁桃に黄色い塊が付く膿栓について、豊富なイラストやアニメーションで解説しています。手術法である高周波による扁桃凝固についても説明しています!
by jibikai | 2016-02-05 15:08 | のどのはなし | Comments(0)
扁桃の功罪
鼻や口から咽へと入っていく通路の途中には、口蓋扁桃扁桃、舌根扁桃、咽頭扁桃など、リンパ球を中心とした免疫細胞を多く含む組織がいくつかあります。その存在意義はウイルスや細菌の感染から身体を守る、"免疫”という働きに尽きるのですが、その仕組みについて、例え話を交えてお話ししたいと思います。

扁桃組織というのは、いわばヒトの身体という"国”を守る”城”や”砦”のようなものです。城には堀や城壁があって外界から守られつつも、門は外界と通じています。さらに例えるなら、堀は粘液で城壁は粘膜。ウイルスや細菌などの外敵の侵入をここで食い止めます。城門は陰窩。粘膜とリンパ球が接近している部分です。。
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ウイルスや細菌が侵入しますと、城壁のそばから、リンパ球の一つであるB細胞(これはいわば"弓隊”です)がIgAという”矢”を放ちます。(IgAとウイルスとはいわば鍵と鍵穴、一対一の関係があって、一つ一つの種類に応じて用意しておく必要があります。したがって出会ったことのない初見のウイルスには、有効なIgAを持っていないということになります。)
ここをすり抜けた病原体に対しては好中球やマクロファージが接近戦や肉弾戦を挑みます.いわば”足軽隊”というところでしょうか。また、ウイルスが細胞に感染してしまった場合には、ナチュラルキラー細胞が感染した細胞ごと破壊します。

こうしたせめぎ合いの間にも、敵である病原体の情報収集が行われています。これは、リンパ球の一つT細胞の仕事です。T細胞が得た病原体の情報は、B細胞に伝えられ、IgAを作るのに役立てられます。情報を得たB細胞はIgAという矢を作って、ウイルスの再襲来に備えるものもあれば、輸出リンパ管という裏口から、全身のリンパ組織へと移動していくものもあり、各所で防御にあたるようになります。

以上が扁桃と、そこに含まれる免疫細胞の役割で、この過程だけを見れば、体を病原体の攻撃から守るのに非常に重要な働きと言うことが出来るかと思います。しかしながら、扁桃が病原体から体を守って、病原体の情報を探るという働きは、小学校低学年頃までで、その後は役目を終えます。それどころか、病原体と免疫細胞の小競り合いがしばしば繰り返されることにより、城門である陰窩には病原体と免疫細胞の死骸が溜まってしまい城が荒れるのです。これが、いわゆる膿栓、不愉快で何の役にも立たないものです。
また、病原体とのせめぎ合いがあると、主にT細胞は色々なサイトカインを作ります。サイトカインとは特定の細胞に作用して活性化を促す、いわば命令書。これが過剰に出続ければ、免疫細胞が自分の体の一部まで攻撃する様になります。これを自己免疫といい、IgA腎症、掌蹠膿疱症、アトピー性皮膚炎などの原因となっている可能性があります。例えでいえば、扁桃を本拠地にしている免疫細胞が、野武士化して、中央の言うことを聞かず、暴れまくっている状態といえると思います。
このような場合、野武士が本拠地としている扁桃を摘出する、あるいは凝固して減量してしまうのが有効ということになる訳なのです。

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by jibikai | 2015-02-15 21:51 | のどのはなし | Comments(0)
膿栓の治療 〜扁桃凝固術〜
今日は扁桃に臭い塊がくっつく、膿栓症と、その治療法である扁桃凝固術の話です。

e0084756_22093433.jpg扁桃は口から咽に入る途中、口蓋垂(いわゆるノドチンコ)からつながる前口蓋弓とその後ろの後口蓋弓というヒダの間に、左右1個ずつあります。
桃の実の種のような形をしているので、扁桃というようです。
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扁桃には陰窩という窪みあり、実質内までつながっています。途中で枝分かれしているものもあり、そのため扁桃は、非常に表面積が広くなっています。しかも、上皮の直ぐ下にはリンパ濾胞という、免疫細胞の集合体がありますから、侵入してきた病原体を迎え撃つには合理的な形となっているといえます。e0084756_22115470.jpg






しかしながら、ここで出来た抗体やリンパ球が本来病原体に向けるべき攻撃能を、自分自身の組織に向けて発揮してしまったり、陰窩に病原体や白血球の死骸や剥離した上皮が貯まってしまったりという不都合も起こってしまいます。

陰窩に貯まったものは、黄白色の粘土のような見た目で、悪臭を放つ塊で、膿栓といわれます。膿栓は無症状である事が多いのですが、時に口の中に剥離して、指でつぶすとあまりの臭さにビックリしたりします。俗に、"臭い玉”というそうです。あまり気になる場合には、耳鼻科を受診してみて下さい。吸引して取ってもらえると思います。ただし、あまり目立つ膿栓がない時には、異常なしと言われるかも知れません。

e0084756_22105133.jpg従来より、頻回に扁桃が化膿して腫れてしまう場合や、扁桃が原因で高熱が度々出る場合、
病巣感染症といって扁桃で出来た免疫複合体が、腎臓、皮膚、関節など他の体の他の部分にまで悪さしてしまう場合には、扁桃摘出術(扁摘)といって扁桃を根こそぎ取ってしまう手術が行われています。

効果は確実ですが、2週間近くの入院が必要で、術後の痛みはほどほどあり、適応のある方は結構いらっしゃいますが、なかなか手術を勧めても受けられない方が、特に大人では多いです。

また、膿栓症のような比較的軽い扁桃病変の場合、扁桃摘出術はちょっとオーバースペックといいますか、そこまでしなくても、という感がしなくもありません。

そこで、当院においては、比較的軽い慢性扁桃炎や膿栓症の方には高周波による扁桃凝固術をすすめています。この術式はあまり一般的ではありませんが、局所麻酔の日帰り手術で、術後の食事制限などもあまりなく、術後の痛みや出血も少ないという利点があります。
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手術の実際ですが、表面麻酔、粘膜下への注射による麻酔の後に、陰窩へ金属の棒状の電極を差し込み、高周波という電流を10秒程度流して焼灼・凝固します。これを、目立った陰窩、それぞれに対して行います。

術後ですが、1日程度で扁桃からの分泌物で扁桃は白く覆われますが、腫れはそれほど強くなく、飲食も出来る程度です。
分泌物と術後の腫れは、数日で引きます。



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術後は扁桃のボリュームが縮小し、陰窩が浅くなります。
出血や術後の腫れは比較的少ないとはいえ、皆無ではありませんので、無理をせずに何回かに分けて手術をすることもあります。

この場合は、初回の手術から2〜3週程度は空けて、縮小の程度をみながらということになります。

1回で終わる扁摘より煩わしいという考えもありますが、症状などもみながら効果を調節できるのは扁桃凝固術の利点でもあります。
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扁摘と凝固術の特徴をまとめると以上の様になります。凝固術の方が効果も合併症もマイルドということが言えるかと思います。
当院を受診できる方は、どうぞご遠慮なくご相談下さい。

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by jibikai | 2015-01-26 00:35 | のどのはなし | Comments(18)
扁桃炎の男女差
一般に「咽が腫れる」という場合、咽喉頭炎といってのど全体が充血する場合と、扁桃が炎症を起こす場合があります。扁桃というのは咽頭扁桃、口蓋扁桃、舌根扁桃などがあるのですが、単に扁桃という場合は口蓋扁桃を意味します。この口蓋扁桃が化膿して腫れ上がってしまい膿がついた様な状態を急性扁桃炎といい、咽頭痛、嚥下時痛、発熱を伴います。慢性扁桃炎というのはそこまでひどくはならないものの、のどの痛みや違和感が持続します。習慣性扁桃炎というのは急性扁桃炎を度々繰り返すものです。(詳しくは扁桃炎と病巣感染症をご参照ください。)
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当院の登録患者さんのデータベースで初診時の病名に"扁桃炎”とついている方を検索しますと、登録患者数15,217名中、792名あり,その内訳は急性扁桃炎88 %、慢性扁桃炎10 %、習慣性扁桃炎2 %でした。
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この792例の性別、年齢別の分布を見ましたが、男女供に20〜30代に多いことが分かります。20代の女性に特に多いのですが,全体では男女差はありませんでした。
当院以外の傾向としましては,ネット検索して病院のサイトなどを見てみましたが、扁桃炎について記載のあるページではいずれも頻度としては男女差は認められないと書いてありました。

ところが,印象として男性に扁桃炎が多いのではないかという意見を聞く機会がありました。上記のように、自院のデータでもネット検索しても男女差はなかったのですが、ちょっと気になりまして、念のため自院のデータベースにて“扁桃周囲炎”もしくは“扁桃周囲膿瘍”という病名で検索した結果が以下のグラフです。
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男性が85%と圧倒的に男性の方が多いことが分かります。症例数は全体でも26例とさほど多くなかったので、年齢分布は示しませんでしたが,男女とも20〜40代に多い傾向がありました。

扁桃周囲炎、あるいは扁桃周囲膿瘍というのは、扁桃の被膜を超えて炎症が拡大している状態で、急性扁桃炎から起こるのですが、より重篤な状態です。なぜ男性に多いのか,はっきりしたことは言えませんが、もともと男性の方が感染症に弱いために重症化しやすいのか、それとも働き盛りに多いことから、仕事が休めず我慢しているうちにこじらせてしまう人が多いことなどが理由として考えられるかと思います。

結論として,扁桃炎全体としてはその頻度に男女差はないものの、扁桃周囲炎、周囲膿瘍など重症化するのは男性に多いという結果が得られ、興味深いと思い紹介してみました。

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追加です。
by jibikai | 2010-05-09 22:03 | のどのはなし | Comments(6)
喉頭の内視鏡検査
最近、消化器内科の領域では経鼻内視鏡といって鼻から入れる胃の内視鏡検査が普及してきているようで、皆さんも耳にしたことがあるかも知れません。何よりも検査を受ける側が楽ということが、最大のメリットです。従来型の経口の内視鏡よりも経鼻の方が楽なのは、咽の敏感な部分を通らなくて済むからです。経鼻による胃の内視鏡検査が可能になったのは、技術の進歩により内視鏡の径を細く作れるようになったことによります。

耳鼻科領域でも20数年ほど前から喉などは内視鏡による検査が行われておりましたが、実は耳鼻科の内視鏡は、昔から「経鼻」でした。もともと、胃の内視鏡よりも細かったので鼻から入れることが可能だったということもありますし、鼻の奥や上咽頭を見るのには鼻から覗く必要があったからだと思います。

もともとは、光ファイバーの束とレンズを組み合わせた構造になっていたものしかありありませんでしたが、最近は電子スコープといって先端に極小のCCDカメラがついていて、そこから映像を取り出して、ビデオプロセッサを介してモニタに像を映すものが普及してきました。
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検査のイメージは、上の図の様になります。鼻から内視鏡の先端を入れていって、咽の上から下へと降ろしていきます。のどちんこの裏側を通り、声帯を真上から覗くことが出来ます。肉眼では死角となって見えない所まで、詳細に見ることが出来ますし、ビデオや静止画として保存することも出来ます。
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内視鏡で喉を真上から覗くとこんな感じに見えます。喉頭という場所なのですが、さらに奥には気管があります。その後方には下咽頭(かいんとう)の一部である梨状窩(りじょうか)があり、この奥には食道があります。喉頭は食べ物と空気の通り道の分岐点であるのと同時に、声を作る場所でもあります。

喉頭のトラブルで咳が出たり、声がかすれたりするわけですが、その辺の詳しいお話は、また近いうちに書きたいと思います。

(今回のイラストも、”イラレ”で自作してみました。)
by jibikai | 2007-11-17 00:03 | のどのはなし | Comments(0)
扁桃のお話し〜どんなときに手術が勧められるのか?〜
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高い山から始まった紅葉は、もう街中まで降りてきました。
今年の紅葉は夏があまりにも暑すぎたせいか、ぱさぱさした感じであまり綺麗じゃないという評判ですね。ちょっと残念です。

さて、久しぶりの耳鼻科的な話題として、扁桃(へんとう)の話でもしてみたいと思いますので、興味のある方はおつきあい下さい。

扁桃については以前にも、扁桃炎と病巣感染症という記事を書いたことがあるのですが、アクセス解析やコメントを見ますと扁桃についての事項も意外と多いので、改めて記事にすることにしました。
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扁桃(いわゆる扁桃腺)はちょうど口と咽頭の境目の両側にありまして、ちょうど桃の種のような形をしているリンパ組織です。表面には陰窩(いんか)というクレーター状の凹みがあって、体積の割に表面積が広くできています。それは、小さい子供の時に口から侵入しようとする雑菌やウイルスをここで捕まえて、その情報を全身の免疫系に受け渡すためと考えられております。

陰窩には時として食物のカスが転がり込んだり、扁桃のリンパ球に殺された雑菌の死骸などが貯まります。これを膿栓(のうせん)というのですが、たまに口の中にポロッと出てきて、何だろうと指で押しつぶしたりすると、あまりの臭さにビックリすることも多いようです。これを一般的には「臭い玉」というようなのですが、この呼び名は実は最近になって知りました。某有名掲示板などに「臭い玉」専用スレッドが立ち上がっているときもあり、膿栓の話で盛り上がっていたりするのは、耳鼻科医としては非常に興味深いです。

さて、膿栓もたまに口に出てくるとか、1、2個扁桃にくっついていたりするのはあまり問題にはならないのですが、例えば化膿性扁桃炎ではひどくなりますと膿栓がびっしりとくっつきますし、扁桃は赤く腫れ上がります。
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こうなったら高熱は出るし、咽も痛みもかなりひどいはずですから、耳鼻科での治療が必要です。比較的体力があって我慢強い人などは医者にかからないわけですが、ここからさらにひどくなると、扁桃を包んでいる膜を通り越して炎症が広がって、扁桃周囲炎や扁桃周囲膿瘍となってしまうことも多いので要注意です。ここまで来ると入院による点滴療法が必要になることもありますし、さらに膿が広がりますと命まで脅かすこともあり得ます。

また、扁桃炎による咽の痛みや高熱を繰り返すがあります。習慣性扁桃炎というのですが、年に4、5回以上繰り返す場合や、溶連菌(溶血連鎖球菌)による扁桃炎を繰り返す場合には、扁桃摘出術という手術が勧められます。これは、全身麻酔のもと、扁桃を取る手術なのですが、入院を必要とします。大人の場合は2週間程度、子供はそれよりも少し短くて10日程度の入院が一般的かと思います。手術後に起こりえる合併症としては、後出血(ごしゅっけつ)と言って、扁桃を取った傷からの出血が、まれに起こりえます。なお扁桃は口の方から取りますので、首に傷が残るとか、そんな心配はありませんし、声にもまず影響することはありません。

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もう一つ、扁桃摘出術が勧められるケースは、扁桃肥大による睡眠時無呼吸症候群です。扁桃の大きさは個人差も大きいし、大人と子供でも大きさが違うのですが、イラストのように左右の扁桃が中央でくっつきそうなのは明らかに異常で、ここまでくると大抵は気道を狭めてしまいます。子供の睡眠時無呼吸症候群の多くは扁桃肥大とアデノイド増殖症が原因ですから、扁摘(へんてき;扁桃摘出術の略)の効果は期待できます。大人の睡眠時無呼吸症候群の場合は扁桃肥大のみならず、鼻炎や肥満など様々な要因が重なっていることが多いので一概には言えませんが、重度の睡眠時無呼吸症候群でも扁摘によって正常になる例もあります。

さらにもう一つ、扁摘が勧められる疾患としては掌蹠嚢胞症などの病巣感染症というものがあります。これについては、以前の記事に書いた通りなので詳細は省略しますが、手術のやり方としては同じです。

さて、以上に書きましたとおり、扁摘は主には「習慣性扁桃炎」、「睡眠時無呼吸を起こすほどの扁桃肥大」、「病巣感染症」の時などに勧められるわけですが、自分に当てはまる様だと思った場合はどうすればよいでしょうか。まずは、耳鼻科の医院か病院の耳鼻科を受診して相談してみましょう。もちろん「すぐに手術しましょう。」とはなるわけではありませんからご安心を。手術におけるメリット、デメリットは必ず両方ありますから、それらを勘案して主治医と相談して決めるのが一番良いと思います。なおほとんどの開業医ではもちろん扁摘は行っていませんから、開業の耳鼻科医に相談した場合は、診察、必要に応じて検査、適応がありそうなら手術ができる病院を紹介という流れになります。
by jibikai | 2007-11-07 12:23 | のどのはなし | Comments(1)
こんにゃくゼリーだけが危ないわけでもないんですが・・・
<こんにゃくゼリー>事故相次ぐも、各省は法的措置取れず [ 06月17日 19時28分 ]毎日新聞

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上のリンク先のエキサイトニュースですが、要するにこんにゃくゼリーを法的に禁止することが可能かどうか関係省庁である厚労省、農水書、経産省で検討したが、まず禁止は無理だろうとのこと。

何故、こんにゃくゼリーだけがやり玉に挙げられていているのかはわかりませんが、前回の記事でも書いたとおり、餅による窒息などは昔から多いですし、その他には気管支異物としてピーナッツなどの豆類も、幼児に与えると危険であることは、知っている人も多いはずです。
(3月にこんにゃくゼリーでなくなった子は7歳の児童とのことで、何故、比較的大きい子でそんなことが起こったのかは、私もよく分かりません。一般的には、咽喉頭異物、気管・気管支異物は幼児と老人に多いのです。)

問題は、最近よく言われる”格差社会”ではないのですが、知識というか常識のある人、ない人の格差です。うちの医院を受診する人の中にも、ごくごくまれになのですが、大人でも子供でも、ガムをかみながら、あるいは飴をなめながら、診察室にはいる方がいらっしゃいます。エチケットとかマナーとか云う前に、もし診療行為でビックリしたのがきっかけで、咽喉頭や気管・気管支異物にならないとも限らないという危険なことなのです。ですから途中まで診察して、何か変だなと思って口を開いてもらって、あめ玉などを発見した際には、医者にとっては冷や汗ものなのです。繰り返しますが、そういうのはごくごく一部の方です。

それが、10人中2、3人もいるんだったらこちらも待合室に「診察の際には口にものを入れておかないようにしましょう。」と張り紙をしておくとか、毎回診察の際には「まさか何か口に入っていないですよね。」と確かめなくてはならないのでしょうが、そんなことをしたら多くの常識のある人には不愉快でたまらないですよね。

極論を言えば、物を食べている限り、普通に食べても咽喉頭や気管や気管支に異物を詰まらせる可能性は、必ずついて回りますので、実は食べ物を食べるというのはまさに命がけの行為なのです。それでも人は食わないわけにはいかないのですから、せめて危険な食べ方はしないよう、注意していく必要があると考えています。

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by jibikai | 2007-06-18 11:16 | のどのはなし | Comments(2)
こんにゃくゼリーで窒息死
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こんにゃくゼリーで窒息死が2件

『一口サイズのこんにゃくゼリーを食べた7歳の男児2人が3、4月に相次いで窒息死していたことが分かった。国民生活センターが23日発表した。同センターは「こんにゃくゼリーの安全性が確認できない。被害が集中している子供や高齢者はこんにゃくゼリーを食べるのを控えてほしい」と呼びかけている。』
以上、毎日新聞より。
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食べ物による窒息はまさに命取りになりますので、やはり未就学児やお年寄りには食べさせないことです。こんにゃくゼリーは弾力が強くて、そのままでは咽を通過しませんので、かまずに食べると本当に危険です。こんにゃくゼリーの他には、モチを丸呑みしたりするのも危険で、毎年正月になると、何人かのお年寄りが亡くなっています。歯が無かったりすると、つい飲み込んでしまうのでしょう。
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こんにゃくゼリーやモチなどの異物は、咽(詳しく言えば下咽頭)に嵌り込んで、喉頭(声を出したりするところ、気管の出入り口)を圧迫しますので、窒息を生じます。窒息しかかっている人は声も出せませんから、咽を手でかきむしるような独特のポーズをして苦しみます。口は動かしますが、声も出せませんから、周りでは何が起こっているのか、分からないこともあります。

窒息が疑われたら、周りの人はとにかく異物を咽から取り出すことを考えましょう。救急車はもちろん呼んだ方がいいですが、間に合わないか、命は助けても窒息している時間が長いと、その間、脳に酸素の行かない状態が続くわけですから、脳がダメージを受けて、何とか救命できても、意識が戻らない、なんていうことも十分起こりえます。

異物をどうやって咽から出させるか、ですが、相手が大人の場合は「ハイムリッヒ法」といって、背後から両手で抱きかかえて片手で拳を作って、相手の胃のあたりに当てて、反対の手も拳の上からあてて、5回ぐらい圧迫する方法があります。ただし、あまり強くやりすぎると内臓を損傷する可能性もあるので要注意です。
また、意識のない場合は口の中に指を入れて、異物を掻き出す方法もありますが、その場合は指をかまれないよう、ハンカチやガーゼを指に巻いて行うのが良いです。

子供の場合は、うつぶせにしてお腹のあたりを自分の膝に乗せるようにして、頭は少し下げるようにします。その状態で手の指の腹の方で背中を5回ほどたたきます。その後、口に指を入れて、異物が口に出てきていないか、探ります。

また、大人でも子供でも、「掃除機のノズルを口の中に突っ込んで吸引する」という荒技も有効という話があります。掃除機のノズルの先端に接続できる、専用のチューブも市販されているそうなのですが、私はまだ見たことがないので、ちょっと探して、見つかったらご紹介します。
もし専用のノズルがない場合(というか用意してあることの方が少ない)は、掃除機の先端のパーツのうち、できるだけ細いノズルを咽に入れて吸引することになりますが、助ける人が二人以上なら、まずはスイッチを入れずに一人がノズルを口に入れ、先端を舌の付け根あたりに当ててから、もう一人がスイッチを入れるようにするといいでしょう。しかし、もし一人でやるなら、やむを得ずスイッチを入れてから、ノズル先端を口に入れることになりますね。一刻を争うので、あまり悠長なことは言っていられないとは思うのですが、できるだけ口や喉を傷つけないよう注意します。

以上、咽頭異物によって窒息した際の救急処置について書いてみました。

でも、あらためて言いますが、小さい子供とお年寄りには、こんにゃくゼリーは厳禁です。
どうしても食べさせたければ、ちゃんと噛んで、絶対に丸呑みしないように言ってあげてください。

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掃除機のノズル先端に付ける、咽頭異物吸引用のアタッチメントですが、
8823_nazoさんより、2製品ほどご紹介いただきました。
アイ・エム・ジーホスピタルサプライ株式会社と、オカベコーポレーションの製品です。
形は若干違いますが、使用法は一緒のようですね。小さい子供やお年寄りの集まる施設などに常備しておいても損はないかもしれませんね。
by jibikai | 2007-05-24 13:13 | のどのはなし | Comments(6)
ヘルパンギーナ
 夏に流行るのどカゼといえば、アデノウイルスによる咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)、いわゆるプール熱が多く、今年は大流行が心配されていますが、今のところは、それほど多くはないようです。
 今、当地で流行しているのは、溶連菌性咽頭炎とヘルパンギーナ。溶連菌性咽頭炎についてはいちご舌
を参照してください。

 今回はヘルパンギーナについて書きますが、ヘルパンギーナとは、「ヘルペス」と「アンギーナ」という二つの言葉が合わさってできています。ヘルペスとは水疱、アンギーナはのどの炎症という意味と考えていいので、ヘルパンギーナとは「水疱のできる、のどの炎症」という意味です。 のどちんこの周りに水疱あるいは口内炎のような浅い潰瘍いくつかできて、その周りは赤くなります。

 かかりやすいのは、大人より子供、特に幼稚園児ぐらいが一番かと思います。症状はのどの痛みなのですが、ビリビリとした痛みであることが多いです。熱も38℃台ぐらいまでは上がります。たいてい、後遺症も残さずに4,5日で治ることが多いですが、ウイルス性の病気なので、抗生剤は直接には効かず、対処療法として、鎮痛解熱剤を使うぐらいしか治療法はありません。それでも、免疫がついて治りますのであまり心配はありませんが、熱とのどの痛みを起こす病気は他にもいくらでもあり、自分や家族でも判断できませんので、早めに耳鼻科を受診しましょう。

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by jibikai | 2006-07-20 19:09 | のどのはなし | Comments(0)
喉頭癌
ロック歌手である忌野清志郎氏が、6月末からのどの違和感を訴え、7月上旬に喉頭癌の診断を受けたとのニュースがありました。入院して治療に専念するため、今後のスケジュールはキャンセルとのことです。

さて、喉頭癌とはどういう病気かというお話。以前にも声帯ポリープと喉頭癌というタイトルで記事を書いてますので、かなり内容はかぶりますが、もう一度おさらいしましょう。

喉頭癌とは文字通り”喉頭”にできる癌”(がん)”です。のどには”咽頭(いんとう)”と喉頭(こうとう)”がありまして、そのうちの喉頭は空気を行き来させる、気道(きどう)としての役割と、声を出すこと、つまり発声の役割を持っています。ちなみに、それに対して咽頭は気道の一部としての役割と、食べ物を摂取するための役割とを持ちます。

それで、話を喉頭癌に戻しますが、最初の症状は、声がかすれて出にくくなるというのが一番多いです。その他には、今回のようにのどの違和感という症状もありますし、進行すれば息苦しくなったり、呼吸の度に喘鳴といって雑音が出たりもします。また、喉頭は食べ物や飲み物が気管の中にはいるのを防ぐ役割も担っていますので、喉頭癌が進行すると、誤嚥(ごえん)と言って、食べ物が気管に入り、その結果よくむせかえるようになったりします。ただし、食事が咽を通らなくなるのは、よっぽどひどくなって、咽頭まで狭くなった時です。
また、のど以外のしょうじょうとしては、首のリンパ腺がゴリゴリとした感じで硬く腫れてきたりします。

原因は、喫煙が強く関係しているといわれています。90過ぎまで1日40本吸ったって、喉頭癌にも肺癌にもならない人もいるじゃないかと言う反論もあるかと思いますが、どうもタバコの有害物質に対する抵抗性といいますか、癌になりにくさといいますか、は遺伝的な要因で決まっており、とくに血縁の方で、肺癌や咽頭癌、喉頭癌方がいらっしゃる場合は、自分もなりやすいと思って、タバコには手を出さないか、すでに吸っている人は一日も早く止めた方が賢明です。

治療ですけれども、初期で見つかった場合と、ある程度進行している場合とでは全然違います。初期では、レーザーで声帯に出来た腫瘍を切除するだけで済むこともありますし、さらに放射線治療が必要になることもありますが、いずれにせよ、余り強い後遺症を残さずに治癒出来る可能性も高いです。ところが、進行してから見つかった場合は、どうしても喉頭全体を取らないと救命出来ないことが多く、この場合、普通に発声できなくなります。喉頭全体を取った場合には、リハビリとして、食道発声という方法を習得すれば、自力で会話出来るぐらいにはなります。

喉頭癌は、耳鼻科で扱う癌の中では一番多いのですが、幸い命を落とす方は、他の場所の癌よりも少ないと思われます。予防としては、とにかく禁煙につきます。また早期発見、早期治療も何よりも大事です。

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by jibikai | 2006-07-14 11:22 | のどのはなし | Comments(0)