耳鼻科医の診療日記
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カテゴリ:花粉症・アレルギー( 76 )
来年のスギ花粉
そろそろ、来春のスギ花粉飛散量の予想が出てきました。幸いなことに、”少なめ”だそうです。

スギ花粉の飛散量は、前年の夏の日照量や前年の春のスギ花粉の飛散量に影響されます。日照量が多ければ、花粉の量は多くなります。また前年に花粉が多く飛べば、木の勢いが削がれますので、花粉は少なくなると言うことです。また、さらに雪の降るところでは、春先の降雪などにも影響をうけます。

今年の春は数年に一度の大飛散だったわけですが、これで、木が疲弊したことや、夏の日照もさほど多くはなかったことから、来春の花粉は少なくなる見込みです。

ただし、花粉の量と症状は必ずしも一致しません。特に重症の人は、花粉が少なくとも強い反応が出てしまいます。また、今年の春の大量飛散により血液中のスギ花粉に対するIgE抗体(スギ花粉を有害な異物と認識し、アレルギー反応のスイッチを入れるための抗体)は、増えていると考えられますので、花粉が少なくとも症状のひどくなる方も多いかも知れません。

重症の方は、冬のうちに高周波やレーザーなどによる鼻粘膜焼灼術をしておいた方がよい場合もありますので、耳鼻科主治医に相談してみてはいかがでしょうか。


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by jibikai | 2005-12-06 09:52 | 花粉症・アレルギー | Comments(2)
好き嫌いと、アレルギーは違います!
きのうのニュースから、

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15歳少女がキス後に急死=犯人はピーナツ−カナダ

 【ロサンゼルス29日時事】カナダのケベック州サゲネーの病院は29日までに、15歳の少女、クリスティーナ・デフォルジュさんが交際相手の少年とキス後、急死したことを明らかにした。一見不可解な死だったが、「犯人」として浮上したのは、ピーナツアレルギーのショック症状。
 16歳の少年は、デフォルジュさんが極度のピーナツアレルギーと知らず、キスする約9時間前にピーナツバターを塗ったトーストを食べていた。デフォルジュさんは病院で手当てを受けたが、数日後の今月23日に死亡した。 
(時事通信) - 11月30日15時1分更新

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以上、yahoo! Japanのトピックスより、転載させていただきました。


今回、この話題を取り上げたのは、今朝出勤前に見ていたTVで気になる発言があったからです。それは、あるTV番組のオープニングでの、メインのキャスターによるコメントです。この話題を取り上げ「私には好き嫌いもアレルギーもない。」と話していました。無知なのか不用意なのかはわかりませんが、問題のある発言です。
これでは、単なる「好き嫌い」と「食物アレルギー」を同じものという誤解を与えてしまいます。

 ここではっきり言っておきたいのですが、「好き嫌い」と「食物アレルギー」は全然違います。好き嫌いの場合は、根性で嫌いなものでも食べられるようになるかも知れませんが、食物アレルギーというのは、たとえその食べ物が好きであっても、食べれば具合が悪くなるので食べられないのです。例えば、エビやカニなんてだいたいの人が好きですよね。でも、甲殻類アレルギーっていうのがあって、その重症な人は、たとえ極上のタラバガニだろうが、越前ガニだろうが天然車エビだろうが、いくら好きでも、食べられないのです。
 
 実は医局の後輩に甲殻類アレルギーの医者がいまして、別の医者の結婚式で同じ円卓を囲んで、隣に座ったことがあります。この先生、普段はもちろん海老やカニは一切口にしませんが、油断したのか、たまたま海老のすり身が入ったお吸い物を少し口にしてしまいました。具は食べなかったものの、とたんに顔色は悪くなるは、少し息苦しくなるはで急性のアレルギーによるショック症状かと心配しました。本人に「大丈夫か。」とたずねたところ、この程度であれば、もう少しすれば収まるとのことで、様子を見ましたが、特に処置無く30分ほどで回復し、事なきを得ました。しかし、もう少しひどくかったら、危なかったかも知れません。
 
 全身に急激に起こるアレルギー反応で血圧が低下したり、呼吸困難に陥ることをアナフィラキシーショックといいます。引用した記事の少女は、このアナフィラキシーショックで亡くなったと考えられます。以前、日本でもソバアレルギーで亡くなった方もあり、原因となる食物を口にしてから、30分以内で重症化しますので要注意です。

 甲殻類アレルギーの例を出しましたが、その他、果物(キウイ、桃、メロンなど)、豆・穀類(トウモロコシ、大豆、ピーナッツ、小麦、米など)、魚(アジ、サバ、マグロ、サケ、タラなど)、酪農製品(牛乳、牛肉、卵、鶏肉、豚肉など)いろいろな食物アレルギーがあります。自分がもしかしたらそうじゃないかなと心配な方は、アレルギー科を標榜しているところで診てもらった方がいいと思います。また、重症な食物アレルギーの患者さんは、自分で分かっていますから、アレルギーを起こすものは食べません。問題は、単にわがままや好き嫌いで食べないのだろうと、勘違いしている人です。
マスコミも、好き嫌いとアレルギーが違うことを正確にアナウンスしてくれないと、世の中に対する影響が大きいだけに困るのですが。

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by jibikai | 2005-12-01 11:51 | 花粉症・アレルギー | Comments(4)
ペットとアレルギー性鼻炎
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最近はペットブームで、犬やネコなどを買う人が増えています。世の中が殺伐としてきているのは否定しがたい事実であり、ペットに癒しを求めるのは自然な流れと考えます。また、ペットの癒し効果ということが科学的にも裏付けされつつあり、例えば、ペットとふれあうことにより血圧が安定するなどの研究結果もあるようです。

一方、ペットの毛やフケによるアレルギー性鼻炎や、気管支喘息が問題となることもあります。ペットの種類では、ネコは特に抗原性が強く、自分では飼っていなくてもネコ毛アレルギーという方がっけこういます。あとは、犬やハムスター、ウサギなどがペットによるアレルギーの原因として多いと思われます。カメ、ヘビ、ワニなどのは虫類、カブトムシやクワガタなどの昆虫、水の中で飼う魚類や、ザリガニなどは、まず問題ないと考えます。

ペットによるアレルギー性鼻炎が心配な場合どうしたらよいか、といえば、まずは耳鼻科を受診してください。鼻の中の診察と、鼻水を採取することによるアレルギー反応の有無を調べる検査と、血液検査による抗体の測定により、アレルギー鼻炎が現在あるのかどうか、程度、原因がわかります。

治療は、原則としてはペットとの接触をさけるということになりますが、それでは、ペットを飼う意味が無くなってしまいますので、よほどの重症でない限り、ペットを手放すように指導する頑固な医者は、あまりいないんじゃないでしょうか。

飼いながら症状を軽くする方法を考えると、
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1:これから飼おうというのであれば、できるだけ戸外で飼うこと。
2:掃除をまめにすること。(サイクロン式の小型の掃除機などを、部屋に置いておくのは便利。床だけじゃなく、壁紙についた毛も吸引する。粘着式のクリーナーなどもソファーやカーペットには有効。)
3:床はフローリング、ソファーは革や合皮製が望ましい。(毛やフケが取れやすいようにと、ダニのすみかを減らすため)
4:ペットのシャンプーやブラッシングもマメに。
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こんなところが思い浮かびます。
こういった日常の注意で、ある程度症状は緩和されると思います。あとは、抗アレルギー薬などによる治療も、症状に応じて必要になろうかと思います。

今回はペットを飼う際の注意について記事にしてみましたが、白状すると、犬の写真を載せたかっただけという話もあります(汗)。

参考記事
アレルギー性鼻炎の原因

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by jibikai | 2005-11-29 12:09 | 花粉症・アレルギー | Comments(2)
花粉症緩和米〜あなたは食べたいと思いますか?〜
今日のyahoo! Japanのトップ記事より。
「くしゃみ3分の1に=花粉症緩和米、マウスで効果」

だそうです。
この花粉症緩和米というのは、以前から研究されていたものですが、要は遺伝子組み換えにより、米の中にスギ花粉の抗原を作る様にし、それを日常食べることにより、スギ花粉に対する過敏性を低下させようというものです。一種の免疫療法、あるいは減感作療法といえると思います。

現在の、花粉症を含むアレルギー性鼻炎に対する治療は、「抗原の除去」、「抗アレルギー薬による薬物療法」、「手術」、「免疫療法」などが大きな柱となっています。
抗原の除去とは、具体的には、花粉症なら花粉を吸入しない様にすることや、通年性アレルギーであれば、ダニやホコリを減らすため、換気や掃除をマメにやることなどで、これは、患者さんにとっては面倒ですが、例外なくやった方がいい治療法です。ただし残念ながら、いくらがんばっても身体に侵入する抗原をゼロにはできません。そこで、他の治療を組み合わせる必要があるのです。
最も手っ取り早いのは薬物療法で、副作用もほとんどなく、また早めに薬を飲むことでほとんどの方は日常支障のないレベルまで、症状を抑えられます。ただし、あくまでも対症療法ですので、例えばスギ花粉症であれば、毎年2月頃から4月末か5月はじめまでは薬を飲み続けなければなりませんし、通年性アレルギーでは、症状のひどい方は一年中薬を飲み続けることになります。
アレルギー性鼻炎に対する手術療法としては、レーザーや高周波で鼻の粘膜を灼く手術が広く行われています。当院では高周波で灼いていますが、この治療法の長所は「効果が数年程度持続すること」、「薬ではなかなか良くならない様な頑固な鼻づまりに対しても効果のあること」があげられます。ただし短所としては、手術直後の鼻血や痛み、それから手術後1〜2週間はむしろ鼻づまりが強くなることがあげられます。
最後の免疫療法ですが、現在は「減感作療法」といいまして、スギ花粉症やホコリによる通年性アレルギーの方に対して、皮下注射で行われています。方法は最初は薄い濃度のアレルゲンエキス(スギエキスやハウスダストエキス)を皮下注射し、週1,2度のペースで、徐々にエキスを濃くしていき、間隔も月1〜2度程度にのばしつつ、継続していきます。これにより、身体に有害なアレルギー反応を起こりにくくする抗体が作られていき、症状が徐々に軽くなっていきます。この治療法の長所は、現在のところ唯一の原因治療であり、将来にわたって薬の休止や減量が望めることがあげられますが、短所として、ごくまれに、「注射後一時的に、喘息の様な呼吸困難が起こったり、血圧が低下したりする(アナフィラキシーショックといいます)おそれのあること。」、「そのため注射後30分程度は医院や病院でおとなしくしていなくてはならないこと。」、「治療は数年間も続けなくてはならないこと。」、「やっぱり、注射は痛いこと。」などがあげられます。医療機関の側としても、労多くして報われずといいますか、アナフィラキシーショックに対する備えとか、結構大変な治療の割には、保険では安く買いたたかれていますので、みんなある程度ニーズがあるのはわかっていながら、やっていないのが現実です。うちの医院では、どうしても薬では良くならない方、若い女性など将来的に妊娠出産などで薬を飲めなくなる可能性のある方、比較的ひどい通年性アレルギーの子供などを対象に、減感作療法を行っていますが、思ったよりも途中で脱落する方も少なく、効果もあがっています。

で、話を元にもどしまして、花粉症緩和米の話ですが、実現されれば現在行われている皮下注射による減感作療法にくらべて、アナフィラキシーショックの起こる可能性は少なく、通院の煩わしさもなく、痛くもかゆくもない、と一見いいことずくめのようです。ただし、これは食品になるでしょうから、保険は効かず割高になること、花粉症の人とそうでない人が家族にいれば別々に炊かなければいけないこと、そして何よりも、発ガン性などの安全性が確かめられていないことなどが問題と思われます。なぜ、こんなものを研究しているのでしょうか。どうもこれは政府の下位機関である、独立行政法人農業生物資源研究所というところでやっているようなのですが、結局、スギ花粉症にかかっている医療費を何とか削減したいだけのような気がします。

実用化されたとして、少なくとも当院に通院中の患者さんや、家族には勧めないつもりです。どうも、これは政府にだまされている様な気がしないでもなく、本当に安全なのか、効果があるのか、様子を見てから手を出しても遅くはないと思います。医食同元とは言いますが、この場合ちょっとそれとは違う、不気味さを感じてしまいます。

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by jibikai | 2005-11-01 12:41 | 花粉症・アレルギー | Comments(0)
耳鼻科とステロイド
ステロイドっていうお薬は、ご存じでしょうか。耳鼻科ではステロイドを、いろいろな病気に対して使っています。といいますと、一部の方は顔をしかめるかもしれません。比較的、一般の方にも知られている薬なのですが、あまりよくない印象をお持ちの方も多いようです。50年ほど前から 臨床応用されている薬で、作用も強力な代わりに副作用もいろいろあり、「諸刃の剣」といわれていますが、その名が悪い意味で広く知れわたった背景としては、副作用が特に強調されすぎたということがあります。

もともと、ステロイドは副腎皮質というところで作られるホルモンであり、だれでも日々、自分で作っている物質なのです。それをわざわざ、薬として体の外から入れるのは、どのような作用を狙ってのことかと言えば、一番は強力な消炎作用と抗アレルギー作用です。 耳鼻科では、扁桃炎や喉頭炎、アレルギー性鼻炎、突発性難聴、顔面麻痺、亜急性甲状腺炎、外耳や鼻の入り口の湿疹などに使います。使い方は様々で、扁桃炎や喉頭炎のひどい時(咽が痛くて飲み込めないとか、気道が狭くなって呼吸困難になりそうな時)などは、点滴で。突発性難聴や顔面神経麻痺では、点滴や内服で。亜急性甲状腺炎では、内服で。アレルギー性鼻炎では、主として点鼻薬として、また重症のときは内服で。湿疹では、軟膏で、ステロイドを使用します。

一方、副作用としては、胃潰瘍、糖尿病、骨粗鬆症、そううつ状態、病原体に対する免疫力の低下などがあります。また、長期にわたってステロイドを連用した場合には、本来、体内でステロイドを作る仕事を担っている副腎皮質という組織が、体外からのステロイドの補給により、ステロイドが十分に足りていると感知し、仕事をさぼってしまい、ステロイドを作れなくなってしまう、「副腎皮質機能低下症」という状態を引き起こします。この場合、ステロイド剤を急にやめてしまうと、体内のステロイドが不足し、いわゆるリバウンド現象を引き起こしますので、長期にわたってステロイドを使用した場合は、徐々に減量して、離脱していくのが一般的なやり方です。
以上の様な全身的な副作用の他、問題となるのが外用剤による皮膚の副作用です。アトピー性皮膚炎などにステロイドの外用剤を使用した場合、どうしても治療期間が長くなります。そのため、本来皮膚炎を抑えようとステロイドを使用しているにもかかわらず、逆に、皮膚萎縮、乾皮症、ステロイド挫創、ステロイド潮紅といった、皮膚疾患を引き起こしてしまうことがあります。これを、一時期マスコミが過大に取り上げました。これに目をつけたのが、いわゆるアトピービジネスといわれる民間療法で、ひともうけしようとする人たちです。ステロイドの悪い面のみを一方的に宣伝することにより、患者さんの恐怖心を煽り、科学的に効果の確かめられていない治療法(健康食品、化粧水の類)を患者さんにすすめ、利益を得るものです。このアトピービジネスは結局は効果のないものがほとんどであったため、淘汰されてきていますが、ステロイドに対する過剰な恐怖心のみ、一部の方々には根強く残っているようです。

一言でステロイドといいましても、使用する用量は対象となる疾患や状態により様々で、それによって副作用の可能性もずいぶんと違いがあります。例えば顔面麻痺などにはプレドニンというステロイドを1日あたり200 mgも使うこともあります。これは、生体内で作られるステロイドの20~30倍の量であり、全身的な副作用が出現する可能性があります。したがって、このような大量のステロイドを使用する場合は、入院の上、厳重な観察が必要となります。一方、アレルギー性鼻炎に対して点鼻する場合や喘息で吸入する場合などは、ベクロメタゾンというステロイドを400 μg程度使用したりしますが、 その用量は自分の体内で作られるステロイドのわずか10分の1以下で、注射と違い血中に吸収される量としてはさらに微量となりますので、全身的な副作用の心配はまずありません。このようなことを説明しても、「ステロイドはどうしてもどうしても使いたくないのです。」という患者さんはたまにいます。その場合、患者さんの意志(思いこみ?)を尊重せざる終えませんが、かなり不合理なことだと思います。

一方、内科や皮膚科などで、「注射一発で花粉症を治します。」と宣伝し、患者さんを集めている一部の医療機関があります。一度注射をすれば、1シーズン効果が持続するとして、忙しくて通院できない患者さんには人気があるようです。流行っていることに嫉妬するわけではないのですが、耳鼻科医として、この「注射一発」の治療は勧めません。なぜならこの注射薬はステロイドで、しかも一度の筋肉注射で3ヶ月もの長期にわたって効果を示すということは、逆に言えば、何か副作用が出た時でも身体からなかなか出て行ってくれない薬ともいえるからです。耳鼻科では、花粉症を含めて、アレルギー性鼻炎の治療では、重症例以外では全身的にはステロイドを使用しません。(先ほども述べましたが、点鼻は別です。)それは、他に優秀な抗アレルギー薬や、減感作療法、手術などの治療法があり、あえて、全身的な副作用の危険を冒す必要がないからです。以前、yahooの掲示板に「注射一発で花粉症を治します。」という内科医からの書き込みがあり、それに対して、耳鼻科医が反論したことがあります。この内科医の主張は、「耳鼻科医だって突発性難聴や顔面麻痺に対して、もっと大量のステロイドを使うではないか。」というものでした。しかし、突発性難聴や顔面麻痺という病気は、後遺症を残す可能性のある病気であり、それを防ぐためにはステロイドが最も有効です。そのため、副作用の起こる可能性は承知の上で、(ただし副作用に対する万全の備えをしつつ、)ステロイドを大量に使用するわけで、アレルギー性鼻炎のような後遺症を残さない病気に使うのとはわけがちがうのです。

以上、ステロイド剤に対する考えを述べてみましたが、一概に副作用の出る薬ではないこと、病気によっては副作用があることをわかりつつも、使わざる終えない場合もあることなどをご理解頂けたら、幸いです。

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by jibikai | 2005-10-15 12:34 | 花粉症・アレルギー | Comments(2)
アレルギー性鼻炎の原因
耳鼻科の診療所や一般病院の耳鼻科外来を受診する患者さんで、おそらく最も多いのが、アレルギー性鼻炎の患者さんだと思われます。アレルギー性鼻炎といいますと、スギ花粉症が最も有名ですが、その他にはダニやほこり、カモガヤなどのイネ科雑草の花粉、ヨモギやブタクサなどのキク科雑草、イヌやネコなど、、カビなどが主な原因です。なお、このようなアレルギーを引き起こす原因となる物質のことを、アレルゲン(抗原)といいます。

このうちハウスダストやダニ、ペットの毛・フケは通年性アレルギーを、花粉によるものは季節性アレルギーを引き起こします。

カビによるアレルギーはアルテルナリアやアスペルギルスなどによって起こり、一年中あるわけですが、特に梅雨時や秋に多いと言われています。

花粉の飛散時期は年や地域によって若干ずれがありますが、スギ花粉はおよそ2月から5月上旬まで、イネ科雑草は、およそ5月上旬から8月頃まで、キク科雑草は8月下旬から10月上旬まで飛散します。

今の時期アレルギー症状のある方は、花粉の少ない時期なので、通年性アレルギーが最も多いと考えられます。また、風邪の流行っている時期はアレルギーなのか、ウイルスや細菌が原因のいわゆる鼻風邪なのか最初は判断がつきにくいこともあります。おおざっぱに言って、風邪は長くとも2週間以上続くことはなく、鼻汁も最初はサラサラの透明なものが出ますが、やがて黄色っぽく粘りけのあるものに変わります。それに対してアレルギー性鼻炎では、抗原を吸っている限り症状は持続しますので、2週間以上、しかもサラサラした透明なハナが続くのが特徴です。

なお、耳鼻科ではアレルギー性鼻炎かどうかということについては、鼻水の細胞成分を顕微鏡で調べることにより、また、抗原が何かということについては、採血により直接抗体の量を計ったり、皮内反応を行ったりすることにより、ほとんど診断することが可能です。

毎年同じ時期に風邪を引くと思いこんでいた人が、実は花粉症だったりすることが結構あります。自分はアレルギー性鼻炎なのかどうか、アレルギー性鼻炎であれば原因となっている抗原は何かを知ることにより、いろいろと対処の仕方もありますし、無駄のない治療もできます。たびたび、くしゃみ、鼻水、鼻づまりに悩まされている方は、ティッシュの山を築く前に一度耳鼻科を受診してみてはいかがでしょうか。

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by jibikai | 2005-10-07 19:11 | 花粉症・アレルギー | Comments(0)