耳鼻科医の診療日記
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あさひ町
榊原耳鼻咽喉科医院
〒990-0024
山形市あさひ町7−25
院長  榊 原  昭


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里の秋
こちら山形は昨日、今日と冷たい雨が激しく降り続いています。
冬はもうすぐそこ、という感じです。
秋らしい写真もアップしておかないと、季節はずれになりそうなので、
10月に入ってから撮ったものを、アップしておきます。
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稲刈り前の田んぼ。こちらには、まだこうして棚田も残されています。
e0084756_15531513.jpg
稲刈り後の田んぼ。稲の干し方は地方地方によって、特色があるようですね。
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高原のため池のほとりの紅葉。これは2週間ほど前の写真。
このときは、ちょっとまだ早かった様ですが、
今週あたりはもう見頃を過ぎているかも知れません。
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by jibikai | 2006-10-24 16:02 | Comments(12)
低音障害型感音難聴 〜診療シミュレーション〜
今回もシミュレーション・シリーズで低音障害型感音難聴という病気をとりあげます。結構、多くの方が罹るこの病気。どんな特徴があるのでしょうか。

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今回の患者さんは、37歳の女性(注1)のBさんです。

医師「今日は初めてですが、どうなさいましたか。」

Bさん「耳が詰まった感じ(注2)が、おとといからありまして・・・。」

医師「左右どちらの耳ですか。」

Bさん「両方の様な気もしますが、左側が特に気になります。」(注3)

医師「他に、何か風邪引きのような症状はありませんでしたか?」(注4)

Bさん「う〜ん、特になかったですね。」

医師「分かりました。それでは、まず耳の中の様子を診させて下さい。」(注5)

————————(診察後)————————

医師「耳の中を診ましたが、特に何かが詰まっているとか、中耳炎を起こしているなどの異常は見あたりませんね。
後は聞こえの働きが問題なので、聴力検査(注6)で確かめてみましょう。」

Bさん「はい。」

————————(聴力検査後)————————

医師「検査の結果を見てみますと、右の耳の聞こえは正常の範囲内で、
あまり心配ないようですが、左側の聞こえが少し悪くなっている様ですね。
特に、125 Hz(ヘルツ)から500 Hzにかけての低い音が聞き取りにくくなっているようです。(注7)
細かく見ますと、骨導といって耳の後ろの骨に器械を当ててやった検査でも
同じぐらいに聞こえが落ちていますので、感音難聴といって、
主に内耳のトラブルが原因として考えられます。
感音性難聴ていうのはいろいろの原因でなるのですが、
特に低い音だけがこんな風に聞こえなくなる病気は
低音障害型感音難聴といいまして、内耳の中をごく微量に流れている、
リンパ液の流れが悪くなり(注8)、起こるんじゃないかって言われているんですよ。
過労とかストレスがきっかけで、起こることが多いのですが、
何か思い当たることはありませんか。」

Bさん「そう言われてみれば、家族の看病疲れとか、
育児疲れとかがありました。」

医師「まあ、今回耳が悪くなったのをきっかけに、
何でも自分で背負い込もうとしないで、
周りの人にも助けてもらう様にしましょう。」(注9)

Bさん「そうですね・・・」

医師「お薬もお出ししますが、
一つには内耳に貯まりすぎたリンパ液を引くためのお薬(注10)
後は内耳の働きを良くするためのビタミン剤などをお出ししておきます。」

Bさん「治るんでしょうか・・・」

医師「大体の場合、数日で治りますのであまり心配はいりませんよ。
ただし、ごくごくまれには治りにくいこともあります。
その場合はステロイドという別のお薬を
飲んでもらわなければいけないこともありますし、
さらに聴力が低下する場合は、他の病気の可能性もありますから(注11)、
今よりも聞こえにくくなるようなら、早めに来て下さい。
今回の飲み薬で良くなってくるようなら、
次回は5日後ぐらいに来て頂ければ良いと思います。」(注12)

Bさん「わかりました。ありがとうございました。」

医師「お大事になさってくださいね。」




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解説
———————————————————
注1:この病気は、年齢でいうと30代から40代ぐらい
性別では女性の方がやや罹りやすい様です。

注2:“耳が詰まった感じ”を耳閉感(じへいかん)といいます。
時に、この症状を“耳鳴り”と表現する人がいますが、
耳鳴りとは区別されます。

この病気のほかには、実際に耳かすが詰まっている場合、
滲出性中耳炎などで、耳閉感は起こります。

参考記事:耳のつまる感じ(耳閉感)

注3:大抵は片方の耳だけがかかるのですが、
ごくまれには両方一度に罹る人もいます。

注4:耳閉感を起こす病気としては、
滲出性中耳炎も多いのですが、
滲出性中耳炎はカゼに続発することが多く、
低音障害型感音難聴では、前駆症状はあまりありません。

注5:耳の中を見るのは耳鼻科の診察の基本です。
額帯鏡でみることも顕微鏡で見ることもあります。
耳閉感を訴えて来院した患者さんの場合、
これで、耳かすが詰まっているだけなのか、
中耳炎の為なのか位はおおよそわかります。
逆に、そういった外耳・中耳の異常が無ければ
低音障害型感音難聴の可能性が高まります。

注6:正式には標準純音聴力検査といいます。
聴力検査室という外からの音が入らない防音室でやります。
ぎりぎり聞こえる最小の音(閾値)を調べます。
ヘッドホンから音を聞く気導(きどう)と、
耳の後ろにある骨の出っ張り(乳様突起)に振動板というものを
あててやる骨導(こつどう)というのを、
左右それぞれの耳について検査します。

(と、言葉だけで説明してもよく分からないでしょうから、
聴力検査については、改めて記事を書きます。)

注7:低音というのは、周波数が低いということで、
「小さい音」とは違います。
「周波数」というのは空気の振動するスピードです。
ゆっくり振動しているのが低音、
せわしなく振動しているのが高音です。
ピアノの鍵盤で言えば、
左にあるのが低音で、右にあるのが高音です。
低音障害型感音難聴では、
125~500 Hzは聞こえにくくなりますが、
それ以上の周波数はほぼ正常のことが多いです。

注8:直接の原因は内リンパ水腫(すいしゅ)
との説が有力です。
同じく内リンパ水腫から起こる病気としては、
メニエール(メニエル)病というのがあります。
注9:間接的な原因として、
心理的、あるいは肉体的ストレスが関係しているといわれています。
あまり無理をしないことが大事ですが、
それには周囲の助けが必要と思います。

注10:イソバイドもしくはそれと同等の薬。
もともとは高浸透圧利尿剤といい、尿を出やすくする薬なのですが、
内リンパ水腫の治療によく使われます。
液状ですが、味があまり良くないことと、1日の量は結構多いのが欠点です。
最近、ゼリー状のものや、粉末を溶かして飲むものなども発売されました。

また、低音障害型感音難聴の治療にはステロイドもよく使われます。
早めにステロイドを内服、あるいは点滴で使った方が良いという意見と
治りやすい感音難聴なのでステロイドは使わなくともよい、とする意見が
あります。

注11:低音障害型感音難聴を繰り返す場合は、
蝸牛型メニエール病の可能性もありますし、
頻度は少ないものの聴神経腫瘍などでも急に聞こえが悪くなります。

注12:多くの場合、1週間ぐらいで治りますが、
薬を飲み終わる頃に聴力検査をもう一度行い、
治ったか確認する必要があります。


働き盛りの方に多い、低音障害型感音難聴について書いてみました。
感音性難聴の中では治りやすい難聴ではあるのですが、
健康な方が突然罹るので、耳閉感は結構深いに感じることが多いと思います。
放っておいても、治ることが多いとは言われていますが、
やはり、治療を受けた方が確実です。

【お知らせとお願い】
ネットでの医療相談は、時に誤解が生じたり、実際の診療の妨げになったりすることもあります。個々の症状についてコメント欄に書き込まれましても、診断や治療方針などに付いての返答は一切いたしません。

なお、当エントリーのみではよくわからなかった、という方は、

低音障害型感音性難聴については、急性低音障害型感音難聴〜よくある質問とその答え〜

耳閉感については、耳閉感があって聴力は正常な場合

その他耳の症状について知りたい方は、よくある質問(耳の病気・症状)
なども参照して頂ければ幸いです。

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by jibikai | 2006-10-23 15:40 | 耳のはなし | Comments(38)
ブログについて
e0084756_1824413.jpg

このブログも、早いもので開設してから、1年が過ぎました。
それで分かったことは、あまり自分の医院の宣伝には役立たないということ。
確かに「ブログを見てきました。」とおっしゃる患者さんも、
無いわけではないのですが、バーチャルとリアルの落差(汗)が
大きすぎるのか、また、通おうと思っても地理的に無理があったりして、
なかなか、定着して通っていただくまでにはならないケースが多いようです。

それなのに、何故、1年以上も続けているのしょう。

奉仕の精神?
いえいえ、そこまで私、人間出来ておりません。
結局、ブログというのは、一方的に書き手が情報を発信しているかと
思われがちですが、実は、記事に対する反応がかなり重要でして、
反応を見ることにより、こちらも、勉強させてもらっているので、
書き手と読み手は、まさに、ギブ・アンド・テイクの関係なのです。

ブログを解析する上で、いろんな指標があります。
その一つは、ランキングの順位です。
私は、アクセスを増やすためと自分自身への励みとして、
「人気ブログランキング」というものに登録しています。
最初は随分とランキングの順位も気になったし、
ランキングを上げるためにこまめに記事をアップしたりもしていましたが、
最近は、ランキング以上に重視しているものがあります。

それは、コメントです。耳鼻科の病気について、あるい雑談であっても、
記事についての反応があるというのは、うれしいことですし、
患者さんの立場からの意見をお伺いすることは、非常に有意義なのです。

というわけで、今後とも当ブログをよろしくお願い致します。

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by jibikai | 2006-10-20 16:34 | プロフィール・雑感 | Comments(12)
コスモス
秋の花の代表の一つである、コスモスですが、先週末から今週初めにかけて、全国を駆け抜けた低気圧による雨風でほとんど壊滅状態。
写真は一週間前に撮ったコスモスとミツバチ。
当院から車で5分ぐらいの所にある、東沢小学校向かいの川原にて。
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by jibikai | 2006-10-13 16:43 | Comments(0)
急性副鼻腔炎(その3) 〜診療シミュレーション〜
さて、急性副鼻腔炎で治療していたAさん、その後の経過はどうだったのでしょうか。

(例によって、ありがちなパターンを基礎に、架空の会話を想定しました。実話ではありません。)

=============================================
急性副鼻腔炎になってしまったAさん(43歳、女性)、真面目に通院している。
初診から10日目、今回が4回目の受診となる。
=============================================

医師「具合はいかがですか。」
Aさん「鼻汁は出なくなってきましたが、痰がからんで咳も出ます。」
医師「じゃあ、ちょっと診てみますね。」

(鼻と咽の診察後、)

医師「鼻の粘膜の腫れは、ほとんど引いていますね。鼻汁も吸引すると少し出るだけですし、色も透明になってきているので、大分良いと思います。咳と痰の原因は、後鼻漏(こうびろう)というのですが鼻汁が咽に流れ落ちて、咽にへばり付いて、咽を刺激しているのが原因みたいですね。」
Aさん「痰だと思っていたんですけど、鼻汁だったんですね。」
医師「痰は気管や喉など、下の方から上がって来るものなんですが、後鼻漏というのは鼻から咽に下がっていくもので、もとは鼻汁というか、副鼻腔で作られた粘液なわけです。」
Aさん「鼻汁は、前の方にはほとんど出ないんですけどね。」
医師「副鼻腔で作られた鼻汁は、角度の関係から前よりも、奥の方、つまり咽の方へと流れ落ちやすいんですよ。」
Aさん「なるほど。」

医師「じゃあ、今日はあとネブライザーをやってお終いですが、3〜4日後ぐらいにまたいらして下さいね。」


ーーーーーーーー初診から14日、5回目の受診ーーーーーーーーーーーー

Aさん「もう何ともなくなったので、仕事も忙しいしそろそろ治療終わりにして良いですか?」
医師「まずは、診てから相談しましょう。」

(診察後、)
医師「確かに鼻の粘膜の腫れも引いてるし、鼻汁も出ていないようですね。後鼻漏もなさそうです。でも、副鼻腔の粘膜の障害というのは、自覚症状がなくなって、鼻の中の腫れが引いてからも、もう少し続きますので、もう一度だけ、1週間後に診させて頂いた方が、良いと思います。薬は、抗菌力はさほど強くないのですが、副鼻腔の粘膜の働きをよくするような作用を併せ持ったのに、変更しますね。」
Aさん (しぶしぶ) 「わかりました。」

ーーーーーーーー初診から21日、6回目の受診ーーーーーーーーーーー
医師「変わりありませんでしたか?」
Aさん「ええ、何ともありませんでした。」
医師「じゃあ、診させて下さい。」

・・・・・・・・・(診察後)
医師「鼻の中も腫れているところはないようですし、鼻汁も出てないし、いいようですね。では、完全に治っているかどうか、レントゲンを1枚だけ撮って確かめましょう。」

(レントゲンを見て)
医師「前回見られた副鼻腔の影は、もう完全に消えているようですね。これならば、もう治療を終わりにして大丈夫でしょう。」
Aさん「ああ、よかった(笑)。
         でも、もし影が消えていない場合はどうするんですか。」
医師「今回撮ったレントゲンは単純撮影といって、ずっと昔から撮っているやり方なんですが、
実は、副鼻腔に影があるからといっても、今回のような細菌性の炎症なのか、他の病気か、完全には区別できないんですよ。」

Aさん「他の病気といいますと?」
医師「左右どちらか片方だけの副鼻腔に影がある時に、一応、想定しておかなくてはいけない病気としては、上顎癌、副鼻腔真菌症、歯性上顎洞炎、良性の腫瘍などがあります。」

Aさん「へ〜、上顎癌って聞いたことはありましたけど、副鼻腔にできるんですか?」
医師「そうです。ですから、レントゲンで片方の上顎洞にだけ影があって、他の症状や内視鏡などでも癌が疑われる場合は、CTやMRIを撮る必要があります。」

Aさん(少し焦って)「私は大丈夫なんですよね。」
医師「そうですね。治療後、症状も鼻の中の所見も、レントゲンも良くなっていますので、まず上顎癌の心配は無いと考えて良いと思いますよ。」

Aさん「安心しました。今後、自分で気をつけることは何かありますか。」
医師「一度、副鼻腔炎になりますと、繰り返しなることもありますので、風邪を引いたら無理をしないこと、ハナはマメにかむこと。ぐらいでしょうかね。それでも、カゼを引いてまた同じ様な症状が出るようなら、早めに来て下さい。」

Aさん「カゼでも耳鼻科で診てもらえるんですか?」
医師「もちろんです。カゼは、鼻や咽にウイルスや細菌が感染して罹るわけです。耳鼻科医は鼻や咽を診るスペシャリストですから、安心してお任せ下さい。」

Aさん「分かりました。じゃあ、また具合が悪くなったら来ることにします。お世話様でした。」
医師「お大事になさってくださいね。」

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(ご注意)
シュミレーションシリーズとして、病気の特徴や治療の流れについて書いていますが、実際の診療の現場では、ここまで詳しく解説することは少ないです。この程度までは説明して、患者さんにも理解してもらえるといいな、というあくまでも理想像です。
現在、耳鼻科で治療中の方で、自分はこんな説明聞いていないぞ、と思われる方がほとんどと思いますが、診療中は時間的制約もあり、ひとりひとりにこれだけの説明を毎回するのは難しいのです。
あくまでも最大公約数的な解説ではあるのですが、病気の理解と、適切な治療を受けるために、少しでもお役に立てれば幸いに思います。
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by jibikai | 2006-10-13 15:21 | 鼻のはなし | Comments(2)
月山の万年雪
ここらでちょっと写真でも。

ちょっと更新をサボっている間に、山形の稲刈りも佳境を過ぎたようで、
もうすぐ皆さんの食卓にも新米が届く頃でしょう。
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写真は先週の晴れた日、近所の高台に登って、撮ったものですが、
遠くの月山にはまだ残雪がポツポツとの見えます。

毎年、蔵王や月山、鳥海山などの高い山では10月下旬に雪が降りますので、
この月山の雪は万年雪ということになります。
月山、夏スキーで有名ですね。

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by jibikai | 2006-10-06 15:22 | Comments(2)
急性副鼻腔炎(その2) 〜診療シミュレーション〜
前回に引き続いての診療シュミレーション。
患者Aさんが、初診から3日経って受診しました。

=====================================
医師「具合はいかがですか?」
Aさん「少しは楽になってきたようです。」

医師「鼻汁の量はどうですか。」
Aさん「量は同じぐらいですが、色は薄くなってきました。でも、朝かむと、まだ、”ネギッパナが出ます。」

医師「はなづまりは、どうですか?」
患者「少しはいいです。」

医師「頬のあたりの痛みは?」
Aさん「最初は痛み止めを飲んでましたが、昨日ぐらいからは飲まなくとも大丈夫みたいです。」

医師「分かりました。じゃあ、今日も治療しますね。」
Aさん「え〜、またあの鼻をジュ〜って吸うやつ、やるんですか?あれ、出来れば止めて欲しいんですけど、やらないとダメですか。」

医師「まあ、必要だからやってるわけで......、 それに治療の後は鼻が通って気持ちよかったでしょ?」
Aさん「まあ、そうなんですけど、何か鼻が引っ張られる様な感じがどうも苦手で。それに、昨日の説明はどうも言葉だけでよく分かりませんでしたから、なんで週に何度も通わなくちゃいけないのか、鼻を吸わなくちゃいけないのか、ちゃんと説明して下さい。」

医師「わかりました。そういうと思って、昨日は間に合いませんでしたが、今日は図を用意してますので、それで説明しましょう。
Aさん「用意がいいですね。」
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医師「えぇ、まあ、、、、、。
まず上の図の様に副鼻腔というのは、額、目の内側、頬とあとそれから、正面から見たのでは分からないのですが、鼻の真後ろに広がっている、骨の中の空間で、それぞれ鼻とつながっているんですよ。」
Aさん「それは前回も聞きましたが、何でそんな部屋があるんですか?」
医師「それは、顔面の骨を軽くするためだとか、声が響くようにするためだとか、いわれていますが、本当のところはよく分かりません。」

Aさん「小さい子供にもあるんですか?」
医師「赤ちゃんでは、ごく小さな上顎洞があるだけですが、成長に伴ってどんどん副鼻腔のスペースが広がっていきます。10代なかばでほぼ完成というところでしょうか。」

Aさん「私は何で副鼻腔炎になったんですか。」
医師「急性副鼻腔炎というのは、広い意味で言えば風邪引きの状態では、ごく当たり前に起こるんですよ。」
e0084756_11592459.gif

医師「それは鼻からカゼの細菌が直接侵入したり、カゼのウイルスによって鼻の粘膜や副鼻腔の粘膜の免疫力が低下したりするからなんですよ。ところが、大抵は知らず知らずのうちに副鼻腔炎は治っているわけです。カゼをこじらせた時、しばらくネギッパナが続きますが、その後、またさらさらの鼻水になって治っていくってことあるでしょう?」
Aさん「まあ、普通にありますね。」
医師「それは、一旦は副鼻腔炎の状態になっても、副鼻腔の粘膜には自分でキレイになろうとする働き:粘液絨毛運動輸送機能  っていうのがあって、侵入した細菌や異物や鼻汁を追い出していくからなんですよ。」

Aさん「なるほど。でも今回、何でこんなに長引いて、しかもひどくなったんでしょう?」
医師「それは、”自分でキレイになろうとする能力”の限界を超えたからでしょう。
鼻炎がひどくなると、まず鼻と副鼻腔の間の通路(自然孔)が塞がってしまいます。
そうすると、副鼻腔の粘膜が正常に機能しなくなり、だんだん腫れてくるんですよ。
そうすると、ますます鼻と副鼻腔の間の通路が狭まってしまいますし、
こんどは、出るところを失った膿が副鼻腔の中に貯まってきます。これぐらいになると、もう自力での復旧がまず難しく、医療の力を借りなくてはならないわけです。」

Aさん「私の場合、そんな感じになっているわけですね。」
医師「そうです。ですから、まず鼻から副鼻腔への通路を何とか確保するために、鼻に薬を噴霧したり、貯まった鼻汁をジュ〜ッと吸うのは、必要なんですよ。」

Aさん (しぶしぶ) 「わかりました。それで、今後の見通しはどうなんでしょう。」
医師「Aさんの場合、鼻茸(ポリープ)が出来ているわけでもありませんので、おそらく2〜3週間の通院で治る見込みですが、人によっては手術が必要になったりすることもあります。」

Aさん「わかりました。じゃあ、しばらく通うことにします。」

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というわけで、次回「急性副鼻腔炎 その3」へと続く...............

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by jibikai | 2006-10-06 12:34 | 鼻のはなし | Comments(2)
急性副鼻腔炎(その1)     〜診療シミュレーション〜
長らく更新をさぼっておりましたが、今日からまた復活です。

早速、今回は診療シュミレーションということで、もしこんな症状で耳鼻科にかかったら、どんな感じで診療が進んで行くのか、なんてことを、症状や疾患を想定して、医者と患者さんの会話形式で書いてみます。

===========================================

ある耳鼻科診療室にて
===========================================

今回の患者さんはAさん。43歳の女性

医師「今日はどうなさいましたか。」

Aさん「3週間前から風邪を引いてまして、、、、、、。」

医師「一言で風邪と言いましても、色々な症状があるのですが、具体的には何が気になりますか。」

Aさん「最初は熱があったのですが、それは下がって、咽も痛かったんですが、それは内科から薬をもらって良くなりました。」

医師「といいますと、結局、いま気になる症状というのは?」

Aさん「鼻づまりと、鼻汁です。あと痰がからんで咽がイガイガします。」

医師「頭痛はしませんか?」

Aさん「右目の奥が痛いです。」

医師「では、先ず鼻とのどを診させてください。
・ ・・・・・右の鼻の中の粘膜が腫れていますし、黄色い鼻がのどに流れ落ちていますね。急性の副鼻腔炎が考えられます。
・ 副鼻腔(ふくびくう)というのは鼻からつながる空洞で、顔面の骨の中にありますが、レントゲンでその状態を見てみましょう。」

----------------------------レントゲン検査後----------------------------

医師「顔面の骨の中には、額のところ、目の内側と、あと頬のところに部屋があるのですが、左のように透き通って黒く写っていれば、空気が入っている証拠なので正常です。
それに対して、右側の頬の中の部屋は全体的に白く写っていますね。これは粘膜が腫れ上がっているか、膿が溜まっていることを表します。
昔は、蓄膿症といいましたが、副鼻腔炎(ふくびくうえん)というのが、正式な呼び方です。
副鼻腔炎には慢性と急性があるのですが、今回は急に悪くなったので、急性副鼻腔炎ということになりますね。」

Aさん「蓄膿症は治らないって聞いたことがあるんですが、本当ですか?」

医師「いいえ、きちんと治療を受けていただけば、ほとんどの場合は2〜3週間ぐらいで治りますので、ご心配なく。ただし、慢性化したり、風邪を引くたびに繰り返し副鼻腔炎を起こすことも、人によってはあります。」

Aさん「治療はどんなことをするんですか?」

医師「先ず、鼻の中に薬を付けたりして、鼻から副鼻腔へとつながっている部分を広げて、副鼻腔へと空気が入りやすくします。それから、ネブライザーといって霧状にしたお薬を鼻から吸って、直接副鼻腔へと入るようにする治療をします。これは週3回ぐらいやった方が効果的なんですが、、、、、。」

Aさん「え〜、週に3回なんてとても通えません!!」

医師「どうしても無理なら仕方ありませんが、でも、頻回にきて頂いた方が、やはり治りはいいです。
それから、飲み薬もお出ししますが、抗菌薬といって細菌を増殖を抑える薬と、粘液溶解剤(これはハナの切れを良くする薬)です。」

Aさん「わかりました。」

医師「じゃあ今日は、先ほどお話しした、ネブライザーをやってお終いです。どうぞ、お大事になさってくださいね。」

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by jibikai | 2006-10-05 19:06 | 鼻のはなし | Comments(8)