耳鼻科医の診療日記
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<   2008年 06月 ( 6 )   > この月の画像一覧
耳鳴について考える 〜聴覚伝導路〜
耳鳴の起こる仕組みを理解するため、耳から脳へ、音の信号がどのように伝わっていくかを考えてみましょう。
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1: まず、音というのは空気の振動なのですが、その振動が外耳道を通り、鼓膜にぶつかります。

2: 鼓膜が振動して、3つある耳小骨に順繰り振動が伝わっていきます。
(ここまでが伝音系といい、主に中耳の働きです。)

3: 耳小骨の振動を受けて、内耳では音の振動のエネルギーを、電気的エネルギーである神経の活動電位に変換します。

4: 内耳で起こった活動電位は、蝸牛神経を通って、脳幹という脳の基本的な仕事をする場所へと入ります。脳幹では、音の周波数を解析したりしていると考えられています。

5: さらに音による神経の活動電位は、大脳皮質へと伝えられていきます。大脳では、より高次な音の分析、例えば言葉の理解や、安全な音なのか危険な音なのかなどの判断が行われます。

以上が、聴覚伝導路といわれる、音の信号が耳から脳に入り、理解や判断されるまでの仕組みです。

ところで、耳鳴に他覚的耳鳴と自覚的耳鳴に分けられることは以前お話ししましたが、大部分は自分にしか聞こえない自覚的耳鳴で、自覚的耳鳴はこれら聴覚伝導路のどこかで発生している活動電位と考えられます。通常は音があるところで起こるべき活動電位が、音のないところでも起こってしまい、耳鳴として大脳で認識されるわけです。

聴覚伝導路のどこで耳鳴の元となる活動電位が発生しているかは、おそらく原因となる疾患によっても違うのでしょうが、内耳や蝸牛神経が多いと思われます。細かくいえば、内耳の内有毛細胞や外有毛細胞の損傷や、蝸牛神経の圧迫などが考えられています。

また、普段は周りの生活雑音などにかき消されて自覚していない耳鳴が、難聴によって周囲の音が聞こえなくなる分、顕著化してくるようなものもあると考えられています。

耳鳴はあくまでも症状であり、背景には様々な疾患があります。それらの疾患を正しく診断して、耳鳴が聴覚伝導路のどこで起こっているのかを想定していくことが、重要です。

今回の話は、よほど聞こえや耳鳴の問題に興味のある方以外には、ちょっと難解な部分もあったかも知れません。ただし、耳鳴に悩む患者さんにとって、耳鳴がどうして起こるのかを理解するのは、実は耳鳴を克服する上で必要なことなことです。それは、耳鳴に対して不必要な不安を感じないようにするためなのですが、そういった目的もあり、聴覚伝導路と耳鳴の起こる仕組みについて記事にしてみました。
by jibikai | 2008-06-23 17:49 | 耳のはなし | Comments(0)
岩手・宮城内陸地震
今朝、そろそろ診療を始めようかと準備していた9時前に、強い横揺れの地震。
幸い院内にも周辺にも、大きな被害はありませんでしたが、震源地となった岩手県、宮城県などではかなりの被害があるとのこと。余震も続いているようですし、まだまだ、生き埋めになっている方もいるそうなので、心配です。

さて、写真は昨日の朝、宮城県との県境にある、蔵王上空に出現したちょっと変わった形の雲。最近、6月25日に山形に直下型の地震があるなどという噂がありまして、「地震雲だったら嫌だね。」なんていいながら、撮りました。
レンズ状の雲を4段ほど重ねたような形で、しばらく同じ場所に留まっていました。さらにはもう少し北の方向にも、同じような雲が出ていました。
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変わった形の雲イコール地震雲とは言えませんが、ちょっと気になりました。地震が起こってからでは、「後出しじゃんけん」みたいで恐縮ですが、話題として出してみました。
地震と雲の関係については、賛否両論ありますが、専門家の間では、どちらかというと否定的な意見の方が多いようです。
参考文献:ウィキペディア「地震雲」
by jibikai | 2008-06-14 14:29 | Comments(2)
SLさくらんぼ号
ちょっと耳鼻科ネタをお休みして、地元山形の情報の発信です。

山形はさくらんぼの名産地として知られていますが、今月の中旬頃から徐々に食べ頃を迎えるようです。それに合わせたイベントとして、今週末の土日、昔懐かしいSLが山形駅から左沢(あてらざわ)駅の間で運行されるとのこと。
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写真は、試運転中の「SLさくらんぼ号」。日曜日たまたま線路近くを通りかかって、試運転を知り撮ることが出来ました。
by jibikai | 2008-06-11 00:06 | Comments(0)
耳鳴について考える 〜耳鳴のいろいろ〜
耳鳴と一言でいっても、タイプ、発生部位、原因となった疾患などにより、色々に分類されます。耳鳴の分類や原因疾患についてお話ししたいと思います。ちょっと退屈な話かも知れませんが、興味のある方はおつきあい下さい。

【自覚的耳鳴と他覚的耳鳴】

自分にしか聞こえない耳鳴が自覚的耳鳴で、他人にも聞くことの出来る耳鳴が他覚的耳鳴です。他人にも聞こえるといっても、ごく小さい音が出るだけですので、オトスコープというゴム管を、医者と患者が片側ずつお互いの耳に入れることにより、何とか聞こえるレベルです。原因は耳の周りの、筋肉の痙攣や血管の雑音など、聴覚に直接関係ない部位の異常なので、通常 難聴は伴いません。

それに対して、自分にしか聞こえない耳鳴は自覚的耳鳴といい、耳鳴のほとんどを占めます。難聴を伴うもの、伴わないもの(無難聴性耳鳴といいます)、いずれもあります。

【発生部位による分類】

中耳性、内耳性(もしくは蝸牛性)、中枢性等に分けられます。

内耳性が最も多いのですが、耳鳴の発生するメカニズムは複雑で、未だに解明されていない事も多々あります。また、中耳炎などの伝音難聴は、難聴は鼓膜の響き方が悪くなったり、耳小骨をうまく音の振動が伝わらなったりして起こるのですが、それに伴う耳鳴は内耳で発生していることもあり、なかなか事情は複雑です。

また、最初は内耳の障害で発生した耳鳴が、内耳自体の病態は安定しているにもかかわらず、増強したり持続したりすることもあります。それには音を不快なものかそうでないものかを認識している、大脳の働きも関係していることがわかってきました。

【原因となる疾患】

中耳疾患
急性・滲出性・慢性などの各種中耳炎、耳硬化症、耳小骨離断、耳管機能不全など。

内耳(蝸牛)疾患
突発性難聴、メニエール病、低音障害型感音難聴、老人性難聴、急性音響外傷、騒音性難聴など。

脳(中枢神経)の疾患
聴神経腫瘍、神経の変性疾患や血管疾患、心因性難聴、鬱病などの精神病など。

聴器以外の疾患
高血圧、動脈硬化、頭蓋内や頸部の血管の走行異常、耳の周囲の筋肉の痙攣など。

以上、耳鳴の原因となる疾患を挙げてみました。みなさんには、聞き慣れない病気も含まれていたかと思います。とりあえずここでは個々の疾患について解説することはしませんが、まあ要するに結構いろんな病気で耳鳴の症状が生じ得るわけです。


【今回のまとめ】
耳鳴の原因疾患や発生部位は今回紹介しましたように様々なものがありますし、発生のメカニズムもまだ詳細不明の点もあります。
耳鳴の治療については、また別のエントリーで触れたいと思いますが、どんな耳鳴に対しても、まずは原因疾患の治療が重要です。従って、できる限り耳鳴の原因となっている背景を調べていくことが大切と思います。
by jibikai | 2008-06-10 00:26 | 耳のはなし | Comments(4)
あらためて、耳鳴について考えてみる 〜 序 〜
このブログの目的の一つとして、耳鼻科の疾患などについて、一般の方にも分かりやすく解説することにより、耳鼻科というものをより身近に感じて理解していただきたいということがありました。ここのところ写真中心の手抜き更新が続いていましたが、ここで初心に立ち返って、耳鼻科の話題も、またぼちぼちと再開していきたいと思います。

そこで今回は、いままでどちらかというと敬遠してきた、耳鳴の話です。
なぜ今まで敬遠してきたかといいますと、一言で言えば耳鳴の診療自体が難しいからです。耳鳴というのは「外界からの正常の音刺激のないに耳の中あるいは頭蓋の中に音が感じられること」と定義されていますが、あくまでも症候名であり、原因となっている疾患は様々です。従って原因疾患の特定という難しさが一つあります。次に、耳鳴は他人にも聞こえる、他覚的耳鳴(たかくてきじめい)というのもあるのですが、こちらは少数派であって、そのほとんどが患者さん本人にしか聞こえない、自覚的耳鳴(じかくてきじめい)です。ということは、耳鳴の大きさや、音色などは本人にしかわからないということになります。これがまた、診療を難しくしている要因の一つということになります。さらには、例えば同じ大きさの耳鳴がしていても気にする度合いというのは、個人個人でも違いますし、同じ人でも、その時の気持ちの状態(例えば、イライラしているか、何かに集中しているかなど)の違いによっても変わってきます。それから、もう一つ耳鳴の診療を難しくしている要因として、正常、異常のボーダーラインのあいまいさ、ということもあります。といいますのは、聴力の正常な人でも、静かなところでは耳鳴のある人も実は多いので、すべての耳鳴が異常とか病気とは言えない側面もあるのです。
治療の面では、内服や局所療法、注射など色々な治療が行われてはいますが、全ての耳鳴に効く治療法というのはなく、いろいろの治療を試行錯誤せざるを得ないこともあります。治療効果についても、耳鳴は例えば血圧のように数値化することは難しいですから、どの治療がどれだけ効いたかということもなかなか比較しづらいのです。

今回は、耳鳴のお話しの最初として、なぜ、耳鳴の診療が難しいのかということのついて書きました。結局、ネガティブな話になってしまいましたが、まあ、問題点を洗い出すのも意味のあることですから、あえて耳鳴の診療がなぜ難しいのかということから書いてみました。

あまり長文になっても、読みづらいと思いますので、耳鳴というテーマについては何回かに分けて、書いていこうと思います。
by jibikai | 2008-06-06 12:12 | 耳のはなし | Comments(10)
新しい耳鳴の治療 〜 TRT ~
先日、大阪で行われた学会で勉強してきたのは、TRTという新しい耳鳴の治療法です。

実際には、まず耳鳴の起こるメカニズムや正常な人でも耳鳴はありうることなどを説明することで、患者さんの不安を取り除いていきます。同時に、雑音を耳鳴がかき消されない程度の音量で、常に聞いてもらうことにより、耳鳴のレベルを見かけ上 小さくしていくものです。

この治療の特徴は、
1:治療のゴールが耳鳴の消失ではなく、耳鳴があっても気にならない状態にすること。
2:治療が、指示的カウンセリング(説明や情報提供)と音響療法からなること。
3:重症度は耳鳴の大きさではなく、耳鳴による日常生活の支障のレベルで評価すること。
などにあります。

薬物は使わないので、副作用の心配のないことや、患者さんが積極的に治療に関わらなくてはなりませんから、意欲の向上につながることが利点と思われます。

私のところのような診療所でも、重症のケースを除いては実践できる治療法ですので、ある程度自分でも実践してみて、また新しいことが分かれば、もう少し詳しく紹介したいと思います。

ところで、早いもので今日から6月ですが、随分と寒い日が続いています。どうか、体調を崩しませんよう、お気を付け下さい。
by jibikai | 2008-06-01 01:03 | 耳のはなし | Comments(2)