耳鼻科医の診療日記
jibika.exblog.jp
  ↑ あさひ町榊原耳鼻咽喉科の公式サイト。是非こちらもご覧下さい。

あさひ町榊原耳鼻咽喉科  院長のブログ
お知らせ・連絡先
【重要!】
いわゆる医療相談につきましては、誤解を招く恐れ、また実際の治療の妨げになる懸念があるため、お受けしておりません。
例えコメント欄に個々の診断や治療方針についての質問を書き込まれましても、一切返答いたしませんので、ご了承ください。


【連絡先】
あさひ町
榊原耳鼻咽喉科医院
〒990-0024
山形市あさひ町7−25
院長  榊 原  昭


【あさひ町榊原耳鼻咽喉科医院のホームページ】
診療に関するご案内。
耳鼻科やアレルギー科の病気の情報などを提供しています。

【当院の携帯用サイト】
下のQRコードを読み込んでアクセスして下さい。↓↓↓


当ブログ、ホームページともリンクフリーです。

【お願い】
イラストや写真の
無断使用はご遠慮下さい。
記事が参考になったら、コメントをお寄せ下さい。

【ランキングに参加しています】
他の医学系ブログを見たい方は、下のリンクからどうぞ。
1日1回のクリックで耳鼻科医ブログに投票できます!
応援よろしく!!


【リンク】

My Blogs

小児の耳鼻科疾患



アレルギー疾患の解説


愛用品の紹介や雑談系。病気の話以外のブログ。

【その他の外部リンク】

初めての補聴器選びからトラブルや疑問にお答えします。時々趣味の話も。


あいち補聴器センターブログ すべては聞こえのために

めまい診療

診療所院長の独り言

パニック障害 入門

新型インフルエンザ対策関連情報-Yahoo!ヘルスケア-
フォロー中のブログ
カテゴリ
タグ
以前の記事
ライフログ
検索
ブログパーツ
外部リンク
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
<   2009年 06月 ( 9 )   > この月の画像一覧
「耳年齢」とモスキート音 〜聴野について〜
昨日の「モスキート音」に関連して、今日は「聴野」(“ちょうや”と読みます。梅酒とは関係ないぞ!)についてお話ししたいと思います。

音というのは空気の振動ですが、1秒間に振動する回数が周波数で、振動の大きさが音圧です。音の特性はこの周波数と音圧によって決まりますから、下の図の様に2次元、すなわち平面で表すことができます。横軸に周波数、縦軸に音圧をとったときに、ヒトの聞くことの出来る範囲を聴野といいます。見える範囲を「視野」といいますが、それと同じですね。

e0084756_16475746.gif

さて、特に耳の病気などない場合で、若い人の聴野は実践で囲んだ部分、すなわち周波数が約20 Hzから、20,000Hz、音圧は0 dBから、130 dBあたりに分布します。500~2,000 Hzまでが日常よく聴く音なのですが、その範囲が最も小さな音から大きな音まで聞くことが出来ることがわかります。

加齢と共に聴野は徐々に、徐々に狭まってくるのですが、その変化は高音部で音圧の小さい方が聞こえなくなることから始まります。また、周波数の上限も徐々に下がってくるものと思われます。(波線で囲んだ部分) 
このように聴野が広ければ広いほど「耳年齢」は若いということになるし、狭ければその逆ということになります。

最近話題のモスキート音の周波数は18,000 Hzとのことですから、実線と破線の間に入ってきます。ということで、若年者には聞こえて、大人には聞こえないということになるのです。

若い人たちが集団で悪さしたりしないようにと、公園などに設置したモスキート音発生装置ですが、わざわざそれがあるところで暴れたり、本当に聞こえるか確かめるために、わざわざ設置しているところに集まったりと、成果というよりは逆効果になっている事例もあるとのことですが、今後の動向が注目されますね。

=============================
ブログランキングに参加しています!
このブログが参考になると思ったらクリックして下さい!
(アイコンをクリックするとランキングのページにジャンプします。
そしてなんと!耳鼻科医に10ポイントが入ります!!)
=============================
by jibikai | 2009-06-30 17:22 | 耳のはなし | Comments(10)
モスキート音
「モスキート音」っていう言葉は、聞いたことがありますでしょうか?それは、周波数の高い音は若いうちは聞こえるが、加齢と共に聞こえなくなるという現象を、公園など若い人が悪さをしたりたむろするのを防ぐために利用しようというアイディアです。
ヒトが聞くことの出来る周波数の範囲は下が20 Hzで、上が約20,000 Hzといわれています。
しかしながら、一般に聞こえというのは30歳代ぐらいから徐々に悪くなっていきますし、それは周波数の高い音から始まります。ということは、一定レベル以上の周波数の高い音は若者には聞こえて、壮年以降には聞こえないということです。まあ個人差もあるのですが、聴力検査で使われる周波数で最も高い8,000 Hzですと、音量を大きくすれば高齢の方でも聞こえますが、さらに周波数を上げていくと音を大きくしても聞こえなくなってきます。
いわゆる「モスキート音」は、17,000 Hzという周波数を使うそうですが、これが聞こえるかでいわば“ヤング”か“アダルト”かに分けられてしまうということになるわけですね。

下にいろんな周波数の音が聞けるサイトへのリンクを貼っておきました。
(ちなみに私の場合は、14,000 Hzまでしか聞こえませんでした・・・・
もう若くはないということですね・・・涙)
興味ある方は是非お試しを。
いろいろな周波数(可聴周波数などの実験)

=============================
ブログランキングに参加しています!
このブログが参考になると思ったらクリックして下さい!
(アイコンをクリックするとランキングのページにジャンプします。
そしてなんと!耳鼻科医に10ポイントが入ります!!)
=============================
by jibikai | 2009-06-29 15:49 | 耳のはなし | Comments(0)
夏至も過ぎて・・
ここ数日、山形は真夏日が続いています。空も澄んでいて、まさに空梅雨の様相。
e0084756_8334599.jpg
e0084756_835156.jpg
夏至は過ぎましたが、まだまだ昼の長いこの時期、仕事が早めに終われば夕日の撮影にも間に合います。
by jibikai | 2009-06-29 08:42 | Comments(0)
新型インフルエンザ対策の方向転換
じわりじわりと全国に拡大しつつある新型インフルエンザ(H1N1型)ですが、今日運営する、新型インフルエンザ対策関連情報というページを覗いてみたら、コソッというか、あまり目立ちもしない形で
「医療の確保、検疫、学校・保育施設等の臨時休業の要請等に関する運用指針」の改定についてという新しい書類がアップしてありました。これまでの取り決めでは、新型インフルエンザが疑われる人は流行している地域以外では、保健所などに設置された発熱センターへ問い合わせて、その指示に従い特定の発熱外来を受診することとなっていました。ところが、この新しい通達によりますと、
発熱外来に限って診療する地域と、一般の医療機関全てで治療すべき地域の枠を撤廃するとのこと。

これって、患者さんにとっても医療機関にとってもすごく大きな方向転換なのですが、厚労省のサイトにアクセスした人だけが分かるような形になっているし、医師会から通達などもまだないので、知らない人の方が多いだろうと推測しています。特に開業医などは、ゆくゆくは自分のところでも新型インフルエンザの患者さんを診なくちゃいけないだろうけど、まだまだ先だろうなと思っている医者が多いことと思いますが、もう今から診なくてはいけないことをこの通達は意味しますから、それは現場の者にとっては大きな変化です。

さて、当院では時間帯を区切って、夕方にインフルエンザの診療を行う予定です。他の疾患で受診する患者さんへの感染拡大を予防するための措置ですので、もし急な発熱や咳などがあって、当院を受診しようという方は、まずはお電話で、いつ受診したらいいかをお問い合わせ下さい。
by jibikai | 2009-06-26 12:02 | Comments(0)
鼓膜チューブ留置術(いわゆるチュービング)について
このブログでは耳鼻科の情報をオリジナルのイラストを使って説明していますが、今回は鼓膜チューブ留置術、いわゆるチュービングについてです。チュービングは急性中耳炎を繰り返す場合(反復性中耳炎)や、滲出性中耳炎に対して有効な治療法です。もともと鼓室(こしつ)は耳管(じかん)を通じて換気されているのですが、急性中耳炎や滲出性中耳炎になりやすい人は、この耳管の働きが悪くなっています。そこで鼓膜の一部を切開して、そこから中耳を換気するためのチューブを入れることによって、鼓室を換気できるようにしようというのがこの治療の目的です。
e0084756_21421234.jpg

滲出性中耳炎のある程度進行した状態です。耳管が詰まってしまったため、鼓室内の気圧が低くなり鼓膜が内側に凹んで、さらに鼓室内の粘膜の炎症の結果滲み出てきた液体が排出されずに貯まったままになっています。この状態では鼓膜が凹むことによって響きにくくなり、さらに滲出液の抵抗により耳小骨の動きも悪くなりますから、聞こえが悪くなりますし、耳のつまる感じも持続します。


e0084756_21394238.jpg
そこで、まず鼓膜切開をします。
e0084756_2140857.jpg
切開した穴から鼓室に貯まった滲出液を吸引していきます。これで聞こえは良くなり、つまる感じも改善します。
しかし、鼓膜には再生能力がありますから、数日で鼓膜の穴は閉じてしまいます。それまでの間に耳管機能が良くなればいいのですが、そうでなければ中耳炎が徐々に再発してしまいます。
e0084756_21402529.jpg

そこで、鼓膜に開けた穴が閉じないようにするために、シリコンやテフロン、あるいはチタンなどで出来たチューブを入れます。チューブの形はまっすぐのものもありますが、それだと入れやすい替わりに抜けやすいという欠点がありますので、ほとんどのチューブは手前側と先端に“ツバ”が付いて抜けにくくなっています。

チューブを入れておく期間はケースバイケースなのですが、例えば子供の滲出性中耳炎の場合で、1年半前後が適当だと思っています。長期間入れておけば、それだけ再発の頻度は少なくなりますが、あまり長期になると鼓膜の穴が閉じなくなることがあるからです。

それから、チューブが入っている場合気を付けなくてはいけないのが、極力耳に水を入れないようにすることで、シャンプーや水泳の時には注意が必要です。それは外耳道からチューブを通って雑菌を含んだ水が入り、本来無菌状態であるべき鼓室内に感染を起こすことがあるからです。感染を起こすと、耳だれが出るのですが、実際にはその頻度はさほど多くないようで、それほど神経質にならなくとも良いことが多いです。しかし、さすがに飛び込みや潜水は止めるようにお話ししています。

チュービングは耳鼻科の医者の側からすると、通院の回数は減らせるし、聴力の良い状態を保てるしと、お勧めできるケースは非常に多いのですが、実際には患者さんの同意が得られずに出来ないこともあります。それは鼓膜に穴を開けることへの抵抗感が大きいのですが、そんな不安を取り除くために、分かり易くイラストを使って記事にしてみました。

=============================
ブログランキングに参加しています!
このブログが参考になると思ったらクリックして下さい!
(アイコンをクリックするとランキングのページにジャンプします。
そしてなんと!耳鼻科医に10ポイントが入ります!!)
=============================
by jibikai | 2009-06-24 22:40 | 耳のはなし | Comments(26)
たまには花の写真でも・・・
e0084756_071173.jpg
チュービングの解説用のイラストがまだ描けてないので、バラの写真で更新。
最近雨続きで、花が長持ちしなくてもったいないので、写真に残しておきます。

一応、チュービングのイラストまで出来たら、中耳炎についてのスライドショーを作る予定です。あくまでも予定は未定ですが・・・
by jibikai | 2009-06-19 00:14 | Comments(14)
梅雨入り
私の住む山形も昨日梅雨入りしたとか・・・
確かに昨日は大雨が降りましたが、今日は薄曇り。気温も暑くなく寒くなくで、過ごしやすい日でした。

昼休み、久しぶりに医院周辺の散歩。

いつのまにか緑が濃くなっていました。
e0084756_1871245.jpg


耳鼻科にとっては忙しい春が終わったかと思ったら、今度は新型インフルエンザ騒動。山形県内ではまだ発生したとの報告はありませんが、耳鼻科も呼吸器系を診る科ですからインフルエンザとは関係が深く、何かしらの対処や勉強は必要です。

そんなこともあってか、例年のこの時期よりも忙しく過ごしている気がします。

写真だとか、サイト作りだとか、研究だとかいろいろやりたいことはあるのに、そんなときに限って時間がない。かといって寝る時間を削れば、本業に支障が出るし・・・

でも、考えてみればボーッとしている時間も決して短いとは言えません。う〜ん、時間の使い方が下手になってきているんだろうか、ちょっと心配になる今日この頃です。
by jibikai | 2009-06-12 18:34 | Comments(4)
耳のイラスト〜鼓膜切開〜
今回は鼓膜切開の話です。
鼓膜切開は、急性中耳炎で鼓室内に膿がたくさん溜まってしまい痛みの強い状態や、滲出性中耳炎で聞こえの悪い時に行われる治療法です。今回は急性中耳炎の時の鼓膜切開について、自作のイラストを使いながら説明したいと思います。

e0084756_23314154.jpg
このイラストは急性中耳炎で、膿が充満してかなりひどくなってしまった右側の鼓膜の様子です。なお、急性中耳炎で膿が鼓室内に溜まってくる過程については、 鼓膜で分かる中耳の状態(正常な鼓膜、急性中耳炎の時の鼓膜)をご覧下さい。
e0084756_23324233.jpg
このぐらい鼓膜が腫れていますと、痛みもかなり強く、熱も出ていたりしますから、早めに膿を抜いた方が良いです。

まず鼓膜の局所麻酔をしてから、鼓膜を数mm程度の切開します。

e0084756_23335032.jpg

鼓膜の向こう側にある鼓室の中は膿によって圧が高まっていますから、切開と同時に膿が流れ出します。

e0084756_2334293.jpg

吸引管を使って鼓室内の膿を吸い取っていきます。

e0084756_23341324.jpg

おおよそ膿を吸い取ると、鼓膜の腫れは引いて本来の位置にに戻ります。切開によって開いた鼓膜の穴は、ほとんどの場合 数日で自然に閉じます。

今回は急性中耳炎の時の鼓膜切開についてのイラストを描いてみましたが、滲出性中耳炎でも全く同様の手順です。鼓膜切開をしても急性中耳炎や滲出性中耳炎を繰り返す時には、「チュービング」という手術を行います。

チュービングについては、また次回にでもお話ししたいと思います。

=============================
ブログランキングに参加しています!
宜しければご協力を!
(アイコンをクリックするとランキングのページにジャンプします。
そしてなんと!耳鼻科医に10ポイントが入ります!!)
=============================
by jibikai | 2009-06-09 00:37 | 耳のはなし | Comments(19)
鼓膜で分かる中耳の状態(滲出性中耳炎の鼓膜)
さて、今回は滲出性中耳炎の時には鼓膜がどう見えるかという話です。急性中耳炎と同様、軽度から重症まで滲出性中耳炎にも色々な段階があります。また、急性中耳炎の様に、必ずしも鼓膜が赤くなるとは限りませんから、肉眼ではなかなか診断の付きにくいこともあります。今回も左側の鼓膜のイラストは、内視鏡写真をイラスト化したものですが、肉眼や簡単な作りの拡大鏡ではなかなかここまでは見えません。
e0084756_18192680.jpg

さて1枚目ですが、これは鼓膜が凹んでいる様子です。耳管が詰まることによって、鼓膜内外の圧力に格差が生じて、多くの場合、外耳道側の圧力が鼓室内の圧力よりも高くなって、このように鼓膜が凹んできます。急性炎症を合併すれば、鼓膜は赤く腫れてきますが、そうでなければ鼓膜の色はほぼ正常です。鼓膜が凹むために、鼓膜の裏側にくっついている耳小骨であるツチ骨は、逆に突出しているように見えます。症状としては、鼓膜が振動しにくくなるため、軽度難聴や耳閉感が生じます。
e0084756_18193715.jpg

滲出性中耳炎ではしばしば鼓室内に液体が溜まります。小児ではネバネバの液体が多く、大人ではサラサラした液体が多くなります。液体が溜まることによって、鼓膜や耳小骨の動きは鈍くなりますから、単なる鼓膜の凹みだけの時よりもさらに聞こえが悪くなったり、耳のつまる感じ(耳閉感)が強くなったりします。
e0084756_18195768.jpg

鼓膜の凹んだ状態が続くと、やがて鼓膜の弾力が失われて伸びきった状態になり、反対側の中耳粘膜にくっついてしまいます。最初はくっついたり離れたりしているものと思われますが、やがては剥がれなくなって、「癒着性中耳炎」に移行してしまいます。こうなるとなかなか治りにくくなるので、癒着する前に何らかの手だてが必要となります。

前回お話しした急性中耳炎でも、特に繰り返す場合や痛みの強い場合、そして今回お話ししました滲出性中耳炎には、鼓膜切開やチュービングという治療法が有効となりますが、それらについてはまた次回、作図が上がり次第、お話ししたいと思います。

=============================
ブログランキングに参加しています!
宜しければご協力を!
(アイコンをクリックするとランキングのページにジャンプします。
そしてなんと!耳鼻科医に10ポイントが入ります!!)
=============================
by jibikai | 2009-06-02 18:45 | 耳のはなし | Comments(11)