耳鼻科医の診療日記
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〒990-0024
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<   2010年 05月 ( 6 )   > この月の画像一覧
補聴器の日
今年は寒い日が続いてまったく実感がわきませんが、もうすぐ6月ですね。
さて 6月6日って何の日かご存じでしょうか。
「雨がザーザー降ってくる日」(絵描き歌より)とか、
「ロールケーキの日」なんていうのもありなのですが、
「補聴器の日」でもあるのです。是非、記憶に留めていただいて
聞こえの悪い方はもちろんのこと、聞こえの良い方でも興味があれば、ぜひこの機会に
もっと補聴器について関心を持って下さい。

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最近の補聴器の進化は日進月歩で、聞こえの悪い方の多様なニーズにも対応できる
ようになっていますし、見た目もファッショナブルにもなってきています。

耳鼻科医は耳を治療するのが専門ですが、治療しても聞こえが回復しない場合もあります。
そんな時には補聴器が大きな助けとなります。

「補聴器ってどんなもの?」、「本当に役立つの?」なんていう疑問のある方は、是非、下に紹介したサイトをご覧になってみて下さい。きっと補聴器に対する見方が変わることと思います!


認定補聴器専門店『リオネットセンター栄』のスタッフFCC HIRO氏のブログ

日本補聴器工業会
【驚き!ニッポン工場大発見!】(シーメンス補聴器工場見学)最新式補聴器の出来るまでを、動画で見ることが出来ます。北陽が取材して、TVで放送されたものですが、補聴器のハイテクさに驚かされます!

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by jibikai | 2010-05-25 11:08 | 耳のはなし | Comments(8)
内耳の働きから、代謝異常による難聴まで
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内耳の働きは、中耳から伝わってきた音の振動エネルギーを電気的な信号に変更することにあります。どのようにして機械的なエネルギーを電気的な信号に変換するのか、その秘密は内耳の構造にあります。
内耳は二重の管腔構造になっております。(管のなかにまた別の管がある)外側の管を骨迷路(こつめいろ)、内側の管を膜迷路(まくめいろ)といい、それぞれの内容液を外リンパ、内リンパと言います。骨迷路は膜迷路によって2段に分けられて、それぞれを鼓室階、前庭階といいます。
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さらに蝸牛の断面を拡大します。
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鼓室階と中央階は基底板で、中央階と前庭階の間はライスネル膜で隔てられていますから、通常内リンパ液と外リンパ液が混じり合うことはありません。一方、いずれも外リンパ液で満たされている鼓室階と前庭階は頂回転でつながっています。

基底板にはコルチ器(ラセン器)という構造が乗っかっており、ここがリンパ液を伝わってきた音の振動を、神経の興奮に変換するシステムです。コルチ器には内有毛細胞と外有毛細胞があり、そこに神経の末端が接続するという構造になっています。
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コルチ器の微細な構造ですが、重要な構造としてはまず、内有毛細胞と外有毛細胞があります。内有毛細胞は1列、外有毛細胞は3列に並んでいます。内、外それぞれの有毛細胞には聴毛(ちょうもう)という毛のような物が生えています。さらには蓋膜という構造が聴毛の先端を覆っています。外有毛細胞の聴毛は蓋膜に刺さるようにしっかりと連結していますが、内有毛細胞の聴毛は、蓋膜から僅かに離れています。

鼓室階を伝わってきたリンパ液の振動はまず基底板を揺らします。基底板の振動によって聴毛の角度が変化して、内リンパ液に多く含まれるカリウムイオン(K+)は、内および外有毛細胞内に流入します。
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カリウムイオンの流入により有毛細胞の中では激しい電気的な変化が起きて、それをきっかけとして神経伝達物質を放出。シナプス結合している聴神経の興奮が起こるという仕組みです。

それでは、有毛細胞内に移動したカリウムイオンはその後どうなるのでしょうか。カリウムイオンはいつまでも有毛細胞内にとどまるのではなくて、いったん外リンパに移動して、そこから中央階の外側壁にある血管条を通って、再び内リンパに戻され、再利用されるのです。しかし、外リンパから内リンパへ移動するのにはエネルギーが必要で、そのエネルギーを産生しているのが血管条というわけです。
血管条はそのエネルギーを作るために、豊富な血流を必要としますから、この血流の阻害される病態、例えば糖尿病、高血圧、脂質代謝異常などで内耳障害を起こして難聴を生じる可能性は充分に高いと思われます。加齢に伴いこれらの疾患の有病率は高くなりますから、いわゆる老人性難聴の一部には糖尿病、高血圧、脂質代謝異常による血管条の微小循環障害による難聴も含まれているものと思われます。

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なお、内耳の働きについて、動画でも解説していますので参考にして下さい。

by jibikai | 2010-05-24 23:30 | 耳のはなし | Comments(0)
扁桃炎の男女差
一般に「咽が腫れる」という場合、咽喉頭炎といってのど全体が充血する場合と、扁桃が炎症を起こす場合があります。扁桃というのは咽頭扁桃、口蓋扁桃、舌根扁桃などがあるのですが、単に扁桃という場合は口蓋扁桃を意味します。この口蓋扁桃が化膿して腫れ上がってしまい膿がついた様な状態を急性扁桃炎といい、咽頭痛、嚥下時痛、発熱を伴います。慢性扁桃炎というのはそこまでひどくはならないものの、のどの痛みや違和感が持続します。習慣性扁桃炎というのは急性扁桃炎を度々繰り返すものです。(詳しくは扁桃炎と病巣感染症をご参照ください。)
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当院の登録患者さんのデータベースで初診時の病名に"扁桃炎”とついている方を検索しますと、登録患者数15,217名中、792名あり,その内訳は急性扁桃炎88 %、慢性扁桃炎10 %、習慣性扁桃炎2 %でした。
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この792例の性別、年齢別の分布を見ましたが、男女供に20〜30代に多いことが分かります。20代の女性に特に多いのですが,全体では男女差はありませんでした。
当院以外の傾向としましては,ネット検索して病院のサイトなどを見てみましたが、扁桃炎について記載のあるページではいずれも頻度としては男女差は認められないと書いてありました。

ところが,印象として男性に扁桃炎が多いのではないかという意見を聞く機会がありました。上記のように、自院のデータでもネット検索しても男女差はなかったのですが、ちょっと気になりまして、念のため自院のデータベースにて“扁桃周囲炎”もしくは“扁桃周囲膿瘍”という病名で検索した結果が以下のグラフです。
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男性が85%と圧倒的に男性の方が多いことが分かります。症例数は全体でも26例とさほど多くなかったので、年齢分布は示しませんでしたが,男女とも20〜40代に多い傾向がありました。

扁桃周囲炎、あるいは扁桃周囲膿瘍というのは、扁桃の被膜を超えて炎症が拡大している状態で、急性扁桃炎から起こるのですが、より重篤な状態です。なぜ男性に多いのか,はっきりしたことは言えませんが、もともと男性の方が感染症に弱いために重症化しやすいのか、それとも働き盛りに多いことから、仕事が休めず我慢しているうちにこじらせてしまう人が多いことなどが理由として考えられるかと思います。

結論として,扁桃炎全体としてはその頻度に男女差はないものの、扁桃周囲炎、周囲膿瘍など重症化するのは男性に多いという結果が得られ、興味深いと思い紹介してみました。

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追加です。
by jibikai | 2010-05-09 22:03 | のどのはなし | Comments(6)
急性低音障害型感音難聴の疫学的検討
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急性低音障害型感音難聴の疫学調査はこれまでにも多くの施設で行われており、目新しいテーマではないのですが、これまでの報告は大きな施設からのものがほとんどです。ところが当疾患は診療所を受診するケースも多く、当疾患の全体像を把握するには、診療所における傾向も見なければなりません。そこで当医院にて治療した急性低音障害型感音難聴症例について疫学的に検討し、先日日本耳鼻咽喉科学会山形県地方部会例会で発表しました。ちょっとマニアックな内容ですが、スライドと解説をアップしますのでおつきあい下さい。
(急性低音障害型感音難聴って何?っていう方はこちらをご覧下さい。)
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今回の研究対象は2004年から昨年末までの6年間に当院を受診した急性低音障害型感音難聴の疑われる患者さんのうち、下記の診断基準を満たす方としました。
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高音域3周波数の合計が60dB以下と定めているのは、水平型や山型の感音難聴を除外するためです。ただし、この診断基準によりますと、元々高音域の難聴のある方に低音障害型感音難聴を併発した例は除外されてしまうため、賛否両論あって診断基準がまだ(案)のままとなっています。
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疑い例も含めた症例数は176例で、そのうちの100例が確実例でした。
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確実例100例の性別、年齢別分布です。男女差は男性28例、女性72例であり他の報告者同様女性に多い傾向にありました。年齢層では男性が40歳代、女性が30歳代にピークがありました。
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症状は耳閉感が最も多く72%で、以下難聴、耳鳴、聴覚過敏、自声強聴と続きます。
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そのうちの主訴は耳閉感が58%、難聴と耳鳴がそれぞれ18%、、聴覚過敏と自声強聴がそれぞれ3%でした。
難聴よりも耳閉感を訴えるケースの多いのが当疾患の特徴と言えると思います。
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発症から受診までの期間です。
発症当日に受診するケースが最も多く、ほとんどのケースが1週間以内に受診していることがわかります。
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発症した月ですが、年ごとに多少のばらつきはあるものの春から秋にかけて多く、冬には少ない傾向にありました。
発症した月について報告している論文としては、他にもう一つ見つけることが出来ましたが、春から夏にかけて多く冬には少ないということを言っておりましてほぼ同様の傾向でした。
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季節が発症に関係しているとすれば、気象条件と関連はないのかということを検討してみました。発症した日が特定しやすい、発症後7日内に受診した80例について、発症のあった日と無かった日との間で、様々な気象条件について有意差の検定を行いました。当日の平均気温、最高気温、最低気温は発症のあった日の方が無かった日に比べて平均で1度以上高い傾向にありました。前日の気温との差は平均、最高、最低いずれも低い傾向がありました。平年気温との差は平均、最高、最低いずれも若干高めなのですが、発症の無かった日の方がむしろ高い傾向がありました。
気圧に関しては海面の平均気圧で見ましたが、当日、前日との差、平年との差、全てのパラメータにおいてほとんど差がありませんでした。
有意差についてはt検定を行いましたが、いずれも有意差はありませんでした。
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典型例100例中、少なくとも一度は再診して経過観察が可能であった86例 90耳の予後について検討しました。
各周波数が20 dB以内となったのものを治癒、
低音3周波数の平均聴力レベルの改善が平均10 dB以上であったものを改善、
低音3周波数の平均聴力レベルの改善が10dB 未満であったものを不変としました。
治癒が69耳、改善12耳、不変9耳で悪化した例は見られませんでした。
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再発の定義としては治癒と判定した後に、低音部3周波数の合計が65 dB以上となったもの。
改善例、不変例については、症状、聴力が一旦固定した後に再び低下した例。
自覚症のみの再発とは、基準は満たさないものの、自覚症が再発したものとしました。
再発なしが69耳、自覚症のみが6耳、再発して診断基準を満たしたものが15耳でした。


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さてここからは、様々な因子毎に早期予後と再発率を見てみました。
まずは男女差についてですが、早期予後、再発率とも有意差はありませんでした。
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年齢ですが、高齢である方が予後不良との報告もありますが、今回の検討では有意差が見られず、再発率については高齢になればなるほど多くなる傾向はあるものの、こちらも有意差はありませんでした。
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治療開始までの日数が長くなると予後不良例が多くなる傾向はあるものの有意差なし。再発率についても有意差はありませんでした。
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めまい感の有無ですが、ある方が予後不良の傾向はあるものの有意差なし。
再発率についてはχ2検定にて危険率5%で有意差を認めました。
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聴力との関係については、初診時の低音部3周波数の合計のついてみました。
130dB以上になりますと95dB以内、125dB以内の例と比べると有意に予後不良となりますが、再発率との相関は見られませんでした。
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治療は、イソソルビドを使用した例とプレドニンを使用した例がありました。
早期予後についてはイソソルビド使用群のの方が良好な傾向がありますが、有意差はありませんでした。
再発は使用群にのみみられましたが、使用していない群が7耳と少ないため有意差はありませんでした。
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プレドニン投与の有無による差ですが、使用群で予後不良の傾向がありますが、これは初診時聴力のより低下している例に対してプレドニンを使用する傾向があり、バイアスがかかったものと思われます。
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by jibikai | 2010-05-07 23:48 | 耳のはなし | Comments(0)
味を感じる仕組み
味を感じる仕組みについてちょっと追加です。
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上の図中 左は舌の全体像です。味を感じる仕組みの一番大きな単位として、舌乳頭(ぜつにゅうとう)という突出した部分があります。舌乳頭はその形より,有郭乳頭(ゆうかくにゅうとう)、葉状乳頭(ようじょうにゅうとう)、茸状乳頭(じじょうにゅうとう)に分けられます。有郭乳頭は舌の後方、葉状乳頭は左右の端、茸状乳頭は舌の先に最も多く、舌の上面にも少数存在します。有郭乳頭は7〜15個、茸状乳頭は1,500個ぐらいあります。

舌乳頭の次のまとまった単位としては、味蕾(みらい)というものがあります。断面はタマネギを縦にスライスしたような形です。舌乳頭には味蕾が多数分布しており、一つの舌乳頭あたりで味蕾の数が最も多いのが有郭乳頭で、次に葉状乳頭、最も少ないのが茸状乳頭です。舌全体で各種の舌乳頭にある味蕾の数の割合としては、葉状乳頭にあるのが最も多くて40〜50%ほど、有郭乳頭に30〜40%、茸状乳頭に10〜20%です。

味に対する敏感さというのはこの味蕾の数でおおよそ決まると言っていいので、味というのは舌の中心部で感じているように感じることが多いと思いますが、意外や意外、舌の後方が最も大きくて、次に舌の両端,次いで舌の先端部であって、中心部が最も鈍感ということになります。

味の基本的な要素としては、甘味、塩味、酸味、苦味ということが以前から知られていまして、それらについては、以前言われていた基本味による鋭敏な部位の差異というのはほとんどないということは先日、「都市伝説」の記事でお話ししたとおりです。ただ、最後に発見された味の要素である「うまみ」については、感じる部位がかなりはっきりしており、舌の側面と舌の根本に多いとのことです。

最後に、味を感じる仕組みの最小単位について。これは味細胞(図中右側)というもので,先端には突起の様なものがありまして、ここだけが口の中に面して唾液や味物質に接します。味物質が突起の受容膜に結合しますと、細胞の膜電位が変化してカルシウムチャンネルが開きます。ここからカルシウムが細胞内に流れ込んで,その刺激により味細胞は神経伝達物質であるノルエピネフリンを放出して、これにより味神経が興奮するというメカニズムになっています。

味覚に関する知見というのは、近年いろいろと更新されているようで、この記事を書くに当たってはいくつかの書籍を読んで勉強し直しております。このブログは一般の方にも医学、特に耳鼻科に興味や知識を持っていただきたいと思って運営していますが、不正確なことはかけませんので、自分でももう一度学んでまとめ直すという点では、自分のためにもなっていると改めて感じました。

ちょっとマニアックな記事になってしまいましたが、何かの参考になればうれしいです。

ここから先、脳でいかに味を感じているかと言うことについても、いずれ書きたいと思いますが、それにはもう少し時間をいただきたいと思います。

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by jibikai | 2010-05-05 23:20 | Comments(2)
無音の世界
都会に暮らす現代人の日常は、車や電車の騒音や隣人の出す生活雑音などに包まれ、静かな環境というのはある意味憧れの世界なのだと思います。しかし無音の世界というものが、果たして居心地の良い環境なのかというのが今日の話題。

都会が騒々しい雑音に溢れているとして、じゃあ人気のない自然いっぱいの所、たとえば山奥などは無音なのでしょうか?都会の様な暴力的な音はありませんが、全くの無音じゃないですよね。例えばせせらぎの音、鳥のさえずり、虫の鳴き声、風の音なんかが周りにはあるんじゃないでしょうか。

全くの無音というわけではないのですが、それに近い環境というのは耳鼻科の聴力検査室で体験できます。聴力検査室というのは普通よりも壁を厚く、床も振動が伝わりにくくしてあるし、壁には吸音材を使ったり厚いカーテンをつるしたりして、音が反響しないように工夫してあります。

私が医者に成り立ての頃、大学病院の耳鼻科の医局に所属していましたが、患者さんが急変しそうな時などは病棟に泊まることもありました。当直室には先輩の当直医が泊まりますから、下っ端は他に寝床を探さなければなりません。医局のソファーも良いのですが、病棟からちょっと離れているのと、人の出入りがあって静かな環境とは言えないのが欠点でした。そこである晩私は、病棟にある聴力検査室に寝ることにしました。私がいた大学は聴覚の中でも聴性誘発反応といって、音を聞くことによって起こる脳波をコンピュータで解析する研究に力を入れていましたので、かなり大きめの聴力検査室が病室のならびに備えてありました。部屋の中にはベッドが一つポツンと置いてあって、その周りに検査機器が散在しているような環境、もちろん窓もありません。寝るにはちょっと異様な環境ではありましたが、研修医なんていうのは常に睡眠不足、ちゃんとベッドがあって、誰にも邪魔されない静かなところであればどこでも良かったのです。

何かあったら起こしてくれるよう、深夜勤の看護師さんにお願いして夜中に聴検室のベッドに入りました。疲れも溜まっていましたし、きっとぐっすり眠れるだろうと思ったのですが、結果は違いました。まず、とにかく眠ってるような眠っていないような浅い睡眠で、悪夢にうなされるわ、金縛りに会うわで散々な思いをしました。しかも時間の感覚までおかしくなり朝が来たのかどうかも分からず、目覚めは最低。後で先輩に「あそこ出るんだぜ!」って聞きましたが、きっと違うのです。音のない不自然な環境が、睡眠のリズムや時間の感覚までも狂わせてしまうんじゃないかと思うのです。

適度な環境音というのは人間にとって必要なものだと言うこと体験し、聴検室で寝ようなんて、この後二度と思わなかったことは言うまでもありません。

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by jibikai | 2010-05-01 16:58 | 耳のはなし | Comments(9)