耳鼻科医の診療日記
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<   2011年 01月 ( 6 )   > この月の画像一覧
スギ花粉の量はどの程度症状に影響するのか?
今年のスギ花粉の飛散は、昨年の夏が記録的猛暑であったこともあり、かなり多くなると予測されています。地方によっても違いますが、ほとんどの所で昨年の数倍から10倍の数の花粉が飛ぶと予測されています。そこで今回は花粉の量がどの程度症状に影響するのか、あるいは花粉の量が多いと患者さんの数は増えるのかという話です。

スギ花粉症というのは、アレルギー性鼻炎の一つで原因抗原がスギであるものです。アレルギー性鼻炎の原因抗原には他にどんなものがあるかといいますと、多い順からホコリ・ダニ、雑草の花粉、ネコ・犬などの毛、フケなどがあります。
スギ花粉に対する抗体を持っている方というのは、おそらく全人口の半数近くで、さらにその半分ぐらいの方が発症していますので、有病率というのは25%弱ぐらいかと思われます。全国ではおそらく3,000万人ぐらいの方がスギ花粉症と考えられます。
ただし一言でスギ花粉症といっても、スギ花粉に対する敏感さの程度は様々です。ごく微量の花粉で症状を起こす方もあれば、かなり大量の花粉が飛ぶまで自覚症状のない方もあります。ですから、ごく微量でも症状を起こす過敏性の強い方は毎年症状に悩まされますし、それほどでもない方は花粉の多い年にだけ症状が出ます。過敏性の強い方とそれほどでもない方の割合というのは、文献でも読んだことがないので、はっきりしたことは云えないのですが、外来診療で診ている印象からはそれほど多くなく、大多数の方は花粉がある程度多くなってから症状が出るようです。
また、スギ花粉症の患者さん3000万人すべてが耳鼻科を受診するわけではありません。薬局で売っている一般薬やスイッチOTCといわれるもの、民間療法、マスクやゴーグルなどの自己防衛でしのいでる方も多いのではないでしょうか。耳鼻科を受診するのはそれでもどうしようもなくなってから、という方が実は多いのではないのかと推測しています。

実際耳鼻科を受診する方の数というのも毎年一定ではなくて、花粉の多い年と少ない年で結構違いがあるものです。それを調べるために当院(あさひ町榊原耳鼻咽喉科医院)のあります山形市のスギ花粉の総飛散数と、当院の3月と4月の患者数との相関を過去8年間さかのぼって調べてみました。
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上の図の棒グラフが過去8年間の花粉の数、折れ線グラフは3月と4月にかけて受診された患者さんの合計です。花粉の多かった2005年と2009年は患者数も多く、花粉の少なかった2004年、2006年、2010年は患者数もまた少なかったことが分かります。耳鼻科の外来患者さんというのは、もちろんスギ花粉症の方ばかりではありませんが、3月から4月にかけてはスギ花粉症の方の占める割合が非常に大きくなります。そのためスギ花粉症以外の患者さんの数の変動はあるのかも知れませんがほとんど目立たず、スギ花粉の多い少ないによって患者数全体が左右される傾向となってしまっています。
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今度は横軸に花粉飛散数、縦軸に3月から4月までの患者数の合計をとり、相関を見てみました。かなりきれいな正の相関があることが分かります。切片が3230で傾きが0.111ですからベースとして2ヶ月間で延べ3230名の受診があって、花粉が1000個増えると111名受診が増えるということになります。例えば、年間の総花粉飛散数が5000個であれば、予想される患者数は3230+0.111×5000という式にとなり3230+555=3785名の受診が予想されるということになります。

当院のデータからはスギ花粉の飛散数の多い年には、明らかに耳鼻科を受診する方が多くなるということが見て取れます。おそらく花粉の少ない年には我慢できるレベルの方達が、花粉の多い年には我慢できなくなって受診するのだと思います。症状の軽い、重いについて直接検討したわけではないのですが、患者数をみることにより、間接的に花粉の量が多ければ多いほどひどくなる人が多いということは言えるかと思います。

本来であれば、何名かのスギ花粉症の患者さんに症状を毎日チェックしてもらい、それを何年か続けて、症状とスギ花粉の飛散数との関連を見るのが一番良いのですが、スギ花粉の時期には耳鼻科はどこも多忙で、なかなかそういった研究にまで手が回らないのが実情です。そこで症状の代わりに、得やすい指標として患者数を用いて検討したところでは、シーズン毎のスギ花粉数と明かな相関があることがわかりました。
スギ花粉は今後も増加が予想されており、患者さんの数も増えていくと思われます。発症を予防する有効な方法もまだ明らかなものはないわけですけれども、動向は見守っていく必要があると思い、こんな検討をしてみました。

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by jibikai | 2011-01-29 12:34 | 花粉症・アレルギー | Comments(2)
風邪とインフルエンザの違い
現在、大流行中のインフルエンザ。今回は風邪との違いを症状、診断、治療、社会への影響などついてまとめてみました。

ウイルスや細菌によって起こる急性の鼻や咽の炎症をひっくるめて、風邪と言います。インフルエンザももちろんウイルスでおきますし、咳、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、咽の痛みといった症状が出ますから、風邪の一種といえなくもありません。しかし急に高熱が出ること、全身倦怠感や関節痛を伴うこと、脳症や肺炎など重い合併症を起こすことがあるなど全身症状が強いという特徴があります。さらには感染力も強いので、大流行を引き起こしやすいので、社会への影響も大きいので他の一般的な風邪とは別の扱いをするべきなのです。
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幸いインフルエンザにはワクチンがあります。発症を完全に防ぐものではないのですが、発症頻度を減らし、もしかかった場合でも軽く済むといった効果があります。また、簡易検査キットが大抵の医療機関にありますから、インフルエンザかどうかが10分程度で分かります。治療も抗インフルエンザ薬がありますから、他のウイルス性の風邪よりは予防、診断も治療の面で一歩進んでいるといえます。

それでも、蔓延して学校や企業にも影響を与えてしまうインフルエンザ、やはり風邪とは区別して考えるべきでしょう。
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by jibikai | 2011-01-28 15:42 | Comments(0)
鼻水へのセルフケア
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鼻水が多くなる原因として多いのは、鼻風邪とアレルギー性鼻炎です。よって風邪をひかない生活、アレルギーを起こしにくくする工夫が大切になります。しかも鼻炎に苦しむ本人だけでなく、家族全員で気を付けることが必要です。

風邪をひかないようにするためには、流行期には極力人混みを避けること、外出から帰ったら直ぐにうがい、手洗いをすることを家族全員で心がけること。規則正しい生活を心がけ、体調管理に気を付けることです。
アレルギーを起こしにくくするためには、ハウスダスト・ダニ対策としては、換気をまめにして、水拭きを中心として掃除をまめにします。カーペットは使わない様にしましょう。ペットを飼う場合は特に抗原性の高いネコはお勧めできません。イヌもネコに次いでアレルギーが多いので極力飼わないことです。それでも飼いたい場合は外で飼うことですが、どうしてもそれが無理であれば、少なくとも一緒には寝ないこと、ブラッシングの際にはマスクを付けて行うことです。花粉症対策はまず花粉情報に注意を向け、花粉の多い日の外出は極力避けることです。どうしても出かける場合はマスク、眼鏡などで予防です。衣類は毛、フリースは避けて綿など表面が平滑なものを選びます。帰宅後はうがい、洗顔をしましょう。
鼻風邪にしても、アレルギー性鼻炎にしても鼻の粘膜にダメージが生じているのは共通しています。家の中にタバコを吸う人がいると、吸わない家族までもが副流煙を吸入してそれがさらに鼻の粘膜を痛めます。お子さんのいるご家庭では特に、禁煙か、それが無理であればお子さんが副流煙を吸わない工夫が必要となります。

今回は鼻炎全般についてのセルフケア、家族での取り組みについてお話ししてみました。参考になれば幸いです。

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by jibikai | 2011-01-27 00:04 | 鼻のはなし | Comments(2)
インフルエンザにご注意
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新年を迎えるのと同時にインフルエンザが猛威をふるっているようです。現在流行中なのはいわゆる新型インフルエンザ。一昨年の夏から秋にかけてパンデミックを引き起こしたウイルスです。
当院では昨年末までは1例もありませんでしたが、年初とともに急増しており、ここ数日は毎日2〜3名の方がA型インフルエンザと診断され、治療を受けております。

ここ数年は予防に対する意識が高まり、ワクチンの接種率も上がっているように思われます。ただし、ワクチンの接種を受けていればインフルエンザを完全に予防できるかと言えば、残念ながらそこまでの効果はありません。罹る確率を下げることはおそらく可能かと思われますが、罹る時は罹ります。実際今日は3名の方がA型インフルエンザと診断されましたが、皆さん予防接種は受けていらっしゃいました。だからといって予防接種が無効というわけではありません。予防接種を受けていらっしゃる方は、明らかに軽症で済んでいます。発熱も37℃台から38℃台、関節痛やだるさと言った全身症状、喉の赤みの程度なども軽度の方が多いです。

今年は、新型と従来からのA香港型ウイルス、そしてB型の3種類のワクチンを混合したものが予防接種されています。まだワクチンには在庫があるようですが、予防接種から免疫が付くまで三週間程度要することから、もしワクチン接種を受けていらっしゃらない方があれば、早めの接種をお勧めしたいと思います。

ところで、インフルエンザの流行状況というのは、どこを見れば分かるのでしょうか。
以下の二つのサイトをお勧めしたいと思います。
国立感染症研究所 感染症情報センター インフルエンザ流行レベルマップ
日本医師会総合政策研究機構 感染症サーベイランス(インフルエンザ)

前者は1~2週前の定点観測
後者はまだβ版であり参加医療機関が少ないものの、当日のデータまでリアルタイムで見ることが出来ます。

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by jibikai | 2011-01-14 00:13 | Comments(5)
耳を診る
今回は耳の診察の最も基本となる耳の視診について、連続写真を使って説明したいと思います。
耳の中は外耳道というトンネル状の部分があって、その奥に鼓膜があります。鼓膜の向こう側は鼓室といって中耳の一部ですから、鼓膜の状態をつぶさに観察することによって中耳の状態もおおよそ判るというわけです。
ところが外耳道は狭い上に、への字型に屈曲しています。そこで①のように耳介を後上方に引っ張って、外耳道を真っ直ぐにする必要があります。
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外耳道を後上方に引っ張りつつ、耳鏡を外耳孔へ入れます。このとき耳鏡の先端が外耳道に当たると痛いので、極力当てない様注意しています。
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さらに耳鏡の先端を奥へと進め、耳鏡をのぞき込むと鼓膜が見えるというわけです。
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鼓膜は肉眼でも見えますが、より詳細な観察をしたり、処置をしたりする時には手術用顕微鏡を使います。

ちょっとマニアックでしたけれども、今回は耳の診察をどうしているかという話をしてみました。外耳道がへの字に曲がっているということ、耳介を後上方に持ち上げると奥まで見えやすいことなどを憶えておくと、お子様の耳垢を取ったりする時に役立つかなと思います。もちろんその時にも外耳道を傷つけると耳が痛くなりますから、やり過ぎは禁物ですが。
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by jibikai | 2011-01-11 18:29 | 耳のはなし | Comments(0)
ストレスと難聴
e0084756_836456.jpgここ数年、ストレスが原因で難聴を発症される方が多いように思います。典型的なのは急性低音障害型感音難聴やメニエール病ですが、診断基準を満たさない軽度の難聴や、耳閉感、耳鳴を訴える方にもストレスが背景にありそうな方は多いのです。もちろん、ストレスを受けたからといって必ず皆さん難聴になるわけではないので、元々のなりやすい素因や全身の状態なども関係しているとは思いますが。

さて、難聴の原因となりやすいストレスの種類ですが、仕事関係が一番多く、ついで人間関係、介護疲れなどが多いように思います。“思います。”としたのは、正確に統計をとったわけではなく、あくまでも印象だからです。

ストレスが急性低音障害型感音難聴の要因になっているかどうか、解析を試みたことはあります。この疾患は比較的発症した日がはっきりしていますから、発症時や発症前に何をしていたか、どういう状況であったかなどを詳細にみていけば何か分かるかも知れないと考えたからです。そういった意識をもって診察していきますと、仕事が立て込んでいたとか、多忙で寝不足が続いていたという状況で発症している方は多いことに気付きます。人間関係からのストレスも多いと推測しているのですが、こちらの方は患者さんも詳しくは言いたがらないことが多く、はっきりしないのが現状です。

そこで発症した日がどういう日だったのかを調べてみますと、曜日別では週末よりもウィークデイに多く、お正月やゴールデンウィーク、お盆休みの発症は少ない傾向にありました。これから言えることは、難聴の誘因となるストレスは、家庭よりも職場で受けている可能性が高いということです。

ただし、ストレスと難聴の関係はまだまだ分かっていないことも多く、今年も研究テーマの一つにしていきたいと思っています。

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by jibikai | 2011-01-09 09:08 | 耳のはなし | Comments(3)