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<   2011年 07月 ( 1 )   > この月の画像一覧
夏の暑さとスギ花粉
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最近の報告によると、アレルギー性鼻炎は39.4%、スギ花粉症だけでも26.5%の有病率で、近年増加傾向にあるとのことです。国民の4人に一人はスギ花粉症ということで、まさに国民病という言葉がぴったり当てはまります。

スギ花粉症の原因となるスギ花粉ですが、少ない年もあれば今年のように多い年もあります。
春に飛散するスギ花粉が多くなるか少なくなるかは、前の年の夏の気温によるところが大きいと言われています。その理由は、スギ花粉はスギの雄花に含まれますが、雄花が出来るのが前年の夏。この時期に高温が続けば雄花が多くつられ、あまり暑くならなければ少ないということです。
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実際どうなのかを、山形市のデータで検証してみました。
検討した期間は1984年から2011年までです。

赤の折れ線が前年に当たる年の、6から8月の最高気温の平均値です。
気温の低い年では、25℃台、高い年は30℃を超えます。
スギ花粉は少ない年だと、1平方センチメートルあたり、年間数十個から数百個。
多い年では10000個を超えますから、数百倍ものの差があります。

この期間でスギ花粉の多かった年は1985,1988,1990,1995,2000,2005,2009と今年2011ですが、ほぼ例外なく前年の夏の気温は高い傾向にありました。今年の春は観測史上最大の飛散でしたが,昨年夏もまた記録的猛暑だったというのも記憶に新しいと思います。
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分布図で相関を見てみました。
横軸が前年に当たる年の6〜8月の最高気温の平均値、縦軸が花粉飛散数です。
気温が高ければ高いほど、花粉が多く、正の相関がありそうです。
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気温の他にスギ花粉の量に影響を与える気象因子としては、降水量ということが言われたことがあります。夏の降水量が多ければ,翌春のスギ花粉は少なくなるという説です。棒グラフが花粉数、折れ線が前年6〜8月の降水量の合計です。1990年代あたりまでは,確かに降水量の多かった翌年は花粉が少なく、少なかった翌年は花粉が多いような印象もあります。しかし、2000年代以降花粉が多かった年である'00、'05、'09、'11での前年は、400 mm以上の降水量で例年よりもむしろ多かったのです。最近の傾向として、雨の降り方が以前と異なり,いわゆるゲリラ豪雨の様な降り方が多くなっています。梅雨が長引いての多雨と、ここ数年の高温多雨ではスギの雄花に与える影響は異なると考えます。
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相関も見てみましたが、明らかな傾向がありませんでした。

前年夏の気象以外に花粉数に影響因子として重視しているのは、前年の花粉飛散数です。花粉数の年次推移をみてみますと、2年連続で花粉が少なかったこともなければ、大量飛散が連続したこともありません。理由として,一度大量に飛散しますと、木の勢いが衰えるため,翌年の花粉が少なくなるということが、言われています。
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横軸に前年の花粉数、縦軸に当年の花粉数として相関を見たのが上のグラフです。右下がりの傾向、すなわち負の相関がありそうです。

以上から、スギ花粉数に影響を与える因子としては,前年夏の気温と前年のスギ花粉数ということになります。ここで、重回帰分析というものをやりますと、以下のような式が得られます。
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一見しますとややこしい数式ですが、要はこういうことです。
前年の花粉が仮に1000個増えれば454個少なくなり、夏の最高気温の平均値が1℃上がれば1541個増えるということになります。

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来年の山形市の花粉がどうなるか予測しますと,今年の花粉数が13522個でしたから,これを代入しますと、仮に最高気温平均値が29℃なら-456個。実際にはマイナスはあり得ませんからほとんど飛ばないということになります。30℃ならば平年の半分程度の1085個。31℃もの猛暑になったら、平年並みの2626個程度ということになります。

専門機関でのスギ花粉数の予測は、基準になる木の雄花の成熟具合なども見ながら行っていくようで,もう少し複雑なのですが、自分で得られる情報から予測すればこのような結果でして、よほどの猛暑でない限り、来年の山形市のスギ花粉数は少ない見込みということになります。
また今回の解析は,あくまでも山形市のデータのみを元に行っておりまして,全国の各地域に普遍化するには無理があります。前年の花粉とは負の相関関係、前年夏の気温と正の相関関係があるのはおそらくどこの地域にもある程度共通していることとは思いますが、相関の強さや係数は地域地域で異なってくることと思います。

データが得られる地域については、同じような解析をしてみたいと思いますが、ここで紹介するのは少し時間を頂いてからになると思います。

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by jibikai | 2011-07-14 22:01 | 花粉症・アレルギー | Comments(2)