耳鼻科医の診療日記
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<   2011年 09月 ( 3 )   > この月の画像一覧
良性発作性頭位めまい症(BPPV)の理学療法
良性発作性頭位めまい症は、頭の位置や姿勢の変化に伴って、比較的短い時間の回転性めまいを起こす疾患です。

原因は三半規管の一時的なトラブルで、しかも後半規管の結石に原因があることが多いということが分かっています。

めまいでは一般的に薬物治療が行われるのですが、この良性発作性頭位めまい症(BPPVともいいます)では、薬を使わず結石を半規管から卵形嚢へ排出へと排出する理学療法が多くの耳鼻科で行われるようになりました。

今回はその原理についてご紹介したいと思います。

文章にするとなかなかややこしいので,今回もイラストを自作してみました。
左のイラストは全身を、右は耳介と後半規管の位置関係を表します。後半規管は側頭部の奥底にあって,もちろん見えないわけですが、実は耳介とおおよそ同じ角度になっていますから、一緒に表すと理解しやすいと思い重ねて描きました。なお、病変は右の後半規管だと仮定しています。左の場合は逆に動かすことになります。

治療はベッドの上,もしくは耳鼻科の診療用の椅子(リクライニング可能)で行います。なお,この治療は自分の家で出来ないこともないかも知れませんが、眼振の出方を確かめながら,耳鼻科で行うのが一般的です。

さて最初は座った状態から、
e0084756_2341196.jpg

顔を右に向けて,後に倒れます。この時結石が半規管の中を移動しますから,めまいが起こるのですが、徐々に治まってきます。

e0084756_23405671.jpg

そこから頭を後下に倒したまま、少しずつ、左を向いていきます。

e0084756_2340513.jpg

頭を後に倒すのは結石を重力により半規管内を下へ下へと導くため。

e0084756_23404781.jpg

e0084756_23404439.jpg



左を下にしたまま,上半身を起こします。
e0084756_23404024.jpg


最後に、頭部を前に下げて数十秒じっとしてもらいます。これで、結石はあっても影響の出ない卵形嚢へ排出と移動します。


e0084756_23401625.jpg


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この治療法は、最近10年間ぐらいで大分広まってきました。良性発作性頭位めまい症の方の半数以上には有効だし、1回の治療で治ることも多い画期的な治療法だと思います。

ただし、当然のことながら他のめまいには効きませんから、自分で行うのではなくて、耳鼻科で正確に診断してもらい引き続く治療してもらうのが良いと思います。



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by jibikai | 2011-09-26 01:00 | 耳のはなし | Comments(0)
良性発作性頭位めまい症(BPPV)
さて、今回は半規管のトラブルのめまいの代表的な疾患である、良性発作性頭位めまい症(BPPVということも多いです)についてお話ししたいと思います。

良性発作性頭位めまい症は、めまいの原因としては一番多いものです。特徴として、横になった時や寝返りを打った時など、頭の位置が変わった刺激によって起こり、比較的短時間でおさまる回転性のめまい(自分がぐるぐる回る感じ、あるいは周囲がぐるぐる回る感じ)であるということが言えます。しかも、繰り返しめまいの起こる姿勢になることを繰り返していくと,めまいは軽くなっていきます。
回転性のめまいの原因として有名なものにメニエール病がありますが、こちらは持続するめまいですし、難聴や耳鳴りを伴うという違いがあります。

めまいの原因というのはいろいろ検査しても分からないものあるのですが、良性発作性頭位めまい症でめまいの起こるメカニズムはかなり細かく分かっています。トラブルを起こす三半規管は前半規管や外側半規管のこともありますが、一番多いのは後半規管ですので、今回は典型的なパターンをイラストを使って説明したいと思います。

良性発作性頭位めまい症で最初に起こることは起こるのは、半規管内に結石ができる、あるいは卵形嚢の中にもともとある、耳石が迷いこむことです。
e0084756_071813.jpg

例えば座った状態から仰向けになったとしましょう。
頭が後に回転することに伴って、重力により耳石はコロコロと下へと転がり落ちます。
e0084756_9551151.jpg

このとき半規管内にあるリンパ液も一緒に動きます。リンパ液の動きはさらに感覚毛の上に乗っかっているクプラを引っ張りますから、センサーである感覚毛が揺さぶられてめまいが起こるのです。
e0084756_074878.jpg

良性発作性頭位めまい症の特徴として、頭の回転から一瞬のタイムラグを於いてめまいがすることがあるのですが、それが耳石が転がり落ちるまでの時間と理解されています。
また、横になってじっとしていると数秒から長くても数十秒でめまいがおさまるのも、耳石のポジションががおさまるところにおさまったものとして説明がつくのです。

今回の話、ちょっとややこしかったでしょうか?三半規管は立体的な動きを理解しないとわかりにくいので、イラストで少しでも分かり易く説明してみましたが,静止画だと制約もあるようです。

というわけで、さらにアニメーションも交えた良性発作性頭位めまい症の話を,現在 鋭意製作中です!
完成したらYouTubeに投稿しますので、興味のある方はもう少しお待ち下さい。


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by jibikai | 2011-09-23 01:31 | 耳のはなし | Comments(8)
半規管の微細構造

骨迷路と膜迷路
半規管は加速度センサー
から引き続いて、内耳、特に半規管の話です。


上は以前にアップしたイラスト、右の内耳を外側から見たものです。骨迷路の中にほとんど同じ形をした膜迷路が入っているのですが、後半規管と卵形嚢の膜迷路だけを取り出してみると、下の模式図のようになります。
e0084756_0241063.jpg
半規管は半弧の管状の構造をしていて、両端は卵形嚢につながっています。(正確には後半規管と前半規管は片方の端では、お互いに合流して卵形嚢につながるのですが、ここでは前半規管を省略しています。)片方の端は膨らんでいて膨大部といい、その中には膨大部稜という感覚神経が集まっている部分あります。感覚神経からは感覚毛という毛状の構造が伸びていて、先端はクプラというゲル状の物質に突き刺さっています。
e0084756_0472556.png
頭が後ろ向きに回転する場合、半規管内のリンパ液は頭の回転しようとする方向と反対向きに流れることになります(下図)。
e0084756_0475026.png
それによってクプラもまたリンパ液の流れる方向に引っ張られますから、感覚毛が動いて、それがきっかけとなり感覚神経が興奮します。
その興奮は脳へと伝わり、反射的に眼球を下向きに回転させます。つまり急に頭が後ろに回転しても、目は同じ場所を見続けることができるわけです。

以上が正常な半規管の働き、回転に対する加速度センサーとも言うべきものです。また、頭が急に動いても同じものを見続ける事が出来る仕組みは、デジタルカメラの手ぶれ補正にも似たものと言えると思います。

さて次回は、病的な半規管の働き、誤作動によってめまいが起こる病態についてお話ししたいと思います。

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by jibikai | 2011-09-05 01:04 | 耳のはなし | Comments(2)