耳鼻科医の診療日記
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〒990-0024
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スギ花粉症の方へ。
スギ花粉症とは?
空気中の抗原を繰り返し吸入することによって、本来は無害なものにアレルギー反応を示すようになるのがアレルギー性鼻炎で、くしゃみ、鼻水、鼻づまりが主な症状です。アレルギーの原因がスギ花粉が原因の場合はスギ花粉症といわれます。

発症のメカニズム
スギ花粉を繰り返し吸入することによって、血液中にIgE抗体が増えていきます。IgE抗体がある一定量を超えるまでは無症状ですが、一定量を超えた状態で再びスギ花粉を吸入すると、鼻の粘膜でアレルギー反応が起こるようになります。鼻の粘膜の下には肥満細胞という免疫細胞があって、これからヒスタミンやロイコトリエンといった化学伝達物質が分泌されます。ヒスタミンはくしゃみや鼻水、鼻づまりを誘発し、ロイコトリエンは特に鼻づまりを起こします。

スギ花粉症の有病率

最近の報告によると、アレルギー性鼻炎は39.4%、スギ花粉症だけでも26.5%の有病率で、近年増加傾向にあるとのことです。国民の4人に一人はスギ花粉症ということになります。

治療法

☆お薬による治療
抗ヒスタミン薬:主にくしゃみ鼻づまりを押さえます。
抗ロイコトリエン薬、トロンボキサンA2受容体拮抗剤:主として鼻づまりを改善します。
ステロイドホルモン:アレルギー全般を抑え、炎症を制御します。点鼻と内服があります。

☆下鼻甲介焼灼術(かびこうかいしょうしゃく術)
鼻炎の鼻づまりの原因は鼻甲介の腫れです。そのうちでも、特に腫れやすい下鼻甲介を、高周波で焼いてボリュームを減らすことによって、鼻の通りをよくすると同時に、くしゃみ鼻づまりも抑えます。

☆脱感作療法(だつかんさりょうほう)
・スギ花粉の治療用エキスを皮下注射することによって、IgE抗体とは逆にアレルギー反応を抑える別の種類の抗体を作っていきます。免疫療法、減感作療法といわれることもあります。
・注射するエキスは最初は低濃度のものを使いますが、半年間ほどかけて、徐々に高濃度にしていきます。
・最初の半年間は週1回、次の半年間は2週に1回、1年を過ぎたら一月に1回の頻度で治療します。最低でも2~3年の治療期間が必要です。
・アレルギーを根本から治していく唯一の治療法であり、薬の治療が不要になる、あるいは減量することが出来るようになります。
・副作用としては、ごくまれにアナフィラキシーショックという強いアレルギー反応が現れて血圧が下がったり、呼吸困難になったりすることがあります。この反応は注射後30分以内に起こることが多いので、注射後30分間は帰宅せずに、院内にて安静にしていただく必要があります。
・テレビなどで舌下減感作療法が紹介されることがあります。これは注射に替わる画期的な方法なのですが、まだ研究中の段階で保険外診療となり、当院では行っておりません。

日常注意することは?
アレルギー性鼻炎の症状を軽減するためには、
・バランスの良い食事を心がけること。
・タバコ、アルコールは控えること。
・適度に運動すること。
・ストレスは上手に解消すること。
・規則正しい生活を心がけ、睡眠を充分に取ること。
などが有効と言われています。不摂生やストレスは鼻粘膜を軟弱化して、アレルゲン(抗原)も受け付けやすくしてしまいます。アレルゲンを受け付ける機会が増えれば発症もしやすいし、既に発症している人は重症化しやすくなります。暴飲暴食やタバコ、夜遊びなどでストレスを解消している人はどうしたら良いか?あまりにストイックな生活はそれ自体がストレスになるとすれば、それはなかなか難しいのですが、少しずつ生活習慣を変えていくしかないでしょう。

また花粉症では特に、
・花粉情報に注意する。
・マスク、めがねを着用する。
・帰宅後、服を払い、うがい、洗顔。
・風の強い日は窓を開けない。
・洗濯物は室内に干す。
・外出時の上着は、毛やフリースなどの起毛してあるものを避ける。
などを心がけて、極力花粉を吸ったり浴びたりしないようにすることが重要です。

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by jibikai | 2012-03-05 00:36 | 花粉症・アレルギー | Comments(0)
急性低音障害型感音難聴とは?
内耳の障害が原因で急に聞こえが悪くなったり、耳がつまった感じになる病気です。原因は内リンパ水腫といわれていますが、ストレスや過労が引き金になって起こることが多いです。数日から数週で治る方が多いのですが、長引いたり、繰り返したりすることもあります。

発症のメカニズム

音は空気が振動することによって伝わり、耳の中では物理的なエネルギーとして最初は捉えられます。これを神経の興奮という電気的なエネルギーに変換するのが内耳の役割です。
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内耳は外側に骨迷路、その側には膜迷路という2重の構造になっています。骨迷路の中には外リンパ液が、膜迷路の中には内リンパ液が入っていて混じり合わない様になっています。
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急性低音障害型感音難聴では内リンパ液の量が過剰になると膜迷路が膨らんでしまったり、膜迷路に小さな穴があいたりして神経を興奮させるエネルギーを上手く作れなくなってしまうのです。
低い音だけ、聞こえが悪くなるのは、内耳の中でも低音を感じる頂回転付近が特に、内リンパ水腫の影響を受けやすい構造になっているからです。

発症しやすいのは?

当院のデータによりますと全体の7割が女性で、3割が男性でした。一般的にも女性に多いということが言われています。年齢層では30代から40代に多い傾向があります。季節的には春から秋にかけて多く、冬は少ない傾向があります。
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症状は?
耳がつまる感じが最も多く、次いで難聴、耳鳴り、自分の声が響く、聴覚過敏などがあります。片側だけのことも両耳のこともあります。軽いめまい感を伴うこともあります。

治療法
お薬による治療が中心となります。多くの場合、入院は必要ありませんが、難聴が高度である場合や、治療しているにもかかわらず、難聴が進行する場合には入院が必要になることもあります。
浸透圧利尿剤:イソバイド、メニレットゼリーなどがあります。内リンパ水腫の軽減に効果があります。
ビタミンB12製剤:メチコバール。内耳の代謝を助けます。
ATP製剤:アデホス。内耳のエネルギー源となります。
ステロイドホルモン:プレドニンなど。内耳の炎症を取り除いたり、過剰な免疫反応を抑えたりします。

日常注意することは?
ストレスをためないこと。
睡眠、休息を充分は充分にとりましょう。
少し汗ばむ程度の有酸素運動をするようにしましょう。
水分補給を忘れないようにしましょう。
(脱水は症状を悪くする可能性があります。)

予後
多くの場合、数日から数週間以内で治りますが、中には長引くタイプ、繰り返すタイプもあります。この疾患から、同じ内リンパ水腫が原因で起こるメニエール病に移行することもあります。
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by jibikai | 2012-03-01 08:41 | 耳のはなし | Comments(8)