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<   2015年 01月 ( 6 )   > この月の画像一覧
膿栓の治療 〜扁桃凝固術〜
今日は扁桃に臭い塊がくっつく、膿栓症と、その治療法である扁桃凝固術の話です。

e0084756_22093433.jpg扁桃は口から咽に入る途中、口蓋垂(いわゆるノドチンコ)からつながる前口蓋弓とその後ろの後口蓋弓というヒダの間に、左右1個ずつあります。
桃の実の種のような形をしているので、扁桃というようです。
e0084756_22094903.jpg











扁桃には陰窩という窪みあり、実質内までつながっています。途中で枝分かれしているものもあり、そのため扁桃は、非常に表面積が広くなっています。しかも、上皮の直ぐ下にはリンパ濾胞という、免疫細胞の集合体がありますから、侵入してきた病原体を迎え撃つには合理的な形となっているといえます。e0084756_22115470.jpg






しかしながら、ここで出来た抗体やリンパ球が本来病原体に向けるべき攻撃能を、自分自身の組織に向けて発揮してしまったり、陰窩に病原体や白血球の死骸や剥離した上皮が貯まってしまったりという不都合も起こってしまいます。

陰窩に貯まったものは、黄白色の粘土のような見た目で、悪臭を放つ塊で、膿栓といわれます。膿栓は無症状である事が多いのですが、時に口の中に剥離して、指でつぶすとあまりの臭さにビックリしたりします。俗に、"臭い玉”というそうです。あまり気になる場合には、耳鼻科を受診してみて下さい。吸引して取ってもらえると思います。ただし、あまり目立つ膿栓がない時には、異常なしと言われるかも知れません。

e0084756_22105133.jpg従来より、頻回に扁桃が化膿して腫れてしまう場合や、扁桃が原因で高熱が度々出る場合、
病巣感染症といって扁桃で出来た免疫複合体が、腎臓、皮膚、関節など他の体の他の部分にまで悪さしてしまう場合には、扁桃摘出術(扁摘)といって扁桃を根こそぎ取ってしまう手術が行われています。

効果は確実ですが、2週間近くの入院が必要で、術後の痛みはほどほどあり、適応のある方は結構いらっしゃいますが、なかなか手術を勧めても受けられない方が、特に大人では多いです。

また、膿栓症のような比較的軽い扁桃病変の場合、扁桃摘出術はちょっとオーバースペックといいますか、そこまでしなくても、という感がしなくもありません。

そこで、当院においては、比較的軽い慢性扁桃炎や膿栓症の方には高周波による扁桃凝固術をすすめています。この術式はあまり一般的ではありませんが、局所麻酔の日帰り手術で、術後の食事制限などもあまりなく、術後の痛みや出血も少ないという利点があります。
e0084756_22110713.jpg
手術の実際ですが、表面麻酔、粘膜下への注射による麻酔の後に、陰窩へ金属の棒状の電極を差し込み、高周波という電流を10秒程度流して焼灼・凝固します。これを、目立った陰窩、それぞれに対して行います。

術後ですが、1日程度で扁桃からの分泌物で扁桃は白く覆われますが、腫れはそれほど強くなく、飲食も出来る程度です。
分泌物と術後の腫れは、数日で引きます。



e0084756_22103611.jpg
術後は扁桃のボリュームが縮小し、陰窩が浅くなります。
出血や術後の腫れは比較的少ないとはいえ、皆無ではありませんので、無理をせずに何回かに分けて手術をすることもあります。

この場合は、初回の手術から2〜3週程度は空けて、縮小の程度をみながらということになります。

1回で終わる扁摘より煩わしいという考えもありますが、症状などもみながら効果を調節できるのは扁桃凝固術の利点でもあります。
e0084756_22101661.jpg
扁摘と凝固術の特徴をまとめると以上の様になります。凝固術の方が効果も合併症もマイルドということが言えるかと思います。
当院を受診できる方は、どうぞご遠慮なくご相談下さい。

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by jibikai | 2015-01-26 00:35 | のどのはなし | Comments(18)
小児用の抗アレルギー剤(抗ヒスタミン薬)の比較
鼻水の量をコントロールしている神経というのは、主に鼻の中のセンサーである三叉神経と、分泌を促す副交感神経であることを前回の記事でもお話ししました。また、三叉神経に、鼻の中で何事かが起きており、鼻水の分泌が必要な状況であることを知らせるのが、ヒスタミンという化学伝達物質です。鼻水の分泌が必要な状況とは、例えば最近やウイルス、粉塵などの異物の侵入や、乾燥した空気の吸入などです。そういった状況でヒスタミンが分泌されるのは、下気道を守るために必要な免疫という働きの一つなのですが、時として、必要以上に分泌されてしまうことがあり、結果として鼻水がダラダラ、くしゃみ連発、鼻づまりによる息苦しさ、後鼻漏や咳ということを引き起こしてしまいます。
そこで、鼻水の量をコントロールしようという目的で開発されたのが、抗ヒスタミン薬です。その中でも、今回は子供用の抗ヒスタミン薬に絞ってお話ししたいと思います。
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上は、主だった小児用の抗ヒスタミン薬の一覧表です。小児用の抗ヒスタミン薬にも、第1世代と第2世代があります。表の上半分、タベジール、ポララミン、アリメジン、ペリアクチンは第1世代、下半分のザジテン、ジルテック、アレロック、ザイザルは第2世代に分類されます。第1世代と第2世代の違いですが、上気道炎に適応のあるのが第1世代、第2世代にはありません。風邪の時の鼻水止めとして、第2世代は使えないのかということが時に議論されることもあるのですが、保険診療のルールとしては不可です。実際の効果があるのかどうかは、何とも云えないところです。ただし、小児にもアレルギー性鼻炎は増えていて、今や3〜4人に一人ぐらいは確実にアレ鼻持ちです。実際問題として、風邪の初期に出る鼻水とアレ鼻の鼻水の区別が付かないことは多々あり、このような場合、私自身としては、より副作用の少ない第2世代を選ぶことが多いです。

作用の違いとしては、第1世代が抗ヒスタミン作用一辺倒なのに対し、第2世代ではメディエーター遊離抑制などの抗ヒスタミン作用以外の抗アレルギー作用を併せ持つという点があります。

副作用の違いは、眠気の強さ。ザイザルを除いて添付文書には眠気という記載がありるのですが、実際には第1世代のものは眠気が強く出やすく、第2世代はその点が改善されています。また、興奮や錯乱といった副作用も頻度は少ないものの、第1世代のもので生じる可能性があります。

もう一つ抗ヒスタミン薬で問題となる副作用に、痙攣があります。あまり頻度は多くないのですが、特に熱性痙攣などの既往がある児の場合は、なるべく痙攣の副作用のない薬、第1世代ならアリメジン、第2世代ならアレロックを選ぶのが良いのではないかと思っています。

以上、小児用の抗ヒスタミン薬についてまとめてみました。
もともと、大人用に比べて種類が少なかったのですが、ここ数年の間に、第2世代を中心として選択の幅が広がってきました。子供は大人に比べて、あまり鼻水も鼻づまりも気にしない傾向にあるし、長期間薬を飲ませるのが心配、という親の気持ちが分からないわけでもないのですが、鼻炎の症状は起きているときはもちろん、睡眠中であっても生活の質を下げてしまいます。医者と薬を上手に使って対処していくのがよろしいのではないでしょうか。

なお、大人向けの抗ヒスタミン薬については、
などを、ぜひ参考にして下さい。

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by jibikai | 2015-01-17 00:59 | 鼻のはなし | Comments(0)
鼻水の量を調整している神経
e0084756_22494726.jpgきょうは鼻水の量を調節している神経の話。

鼻の中に刺激が加わると、まず三叉神経が興奮します。
そして、三叉神経からの信号は脳幹へと伝わります。
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脳幹からは、今度は鼻に向かって、副交感神経経由で鼻水の分泌を促す信号が送られ、鼻腺が働いて鼻水を作り分泌するのです。
そして、これらの神経の働きを促進するのが、ヒスタミンなどの化学伝達物質。
というわけで、鼻水を止めるために、抗ヒスタミン薬が使われるのです。

短いですが、本日はここまで。

次回は、小児に使える抗ヒスタミン薬の話です。

なお、大人向けの抗ヒスタミン薬については、
などを、ぜひ参考にして下さい。

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by jibikai | 2015-01-14 00:30 | 鼻のはなし | Comments(0)
鼻の役割とは?
e0084756_00372029.jpgスギ花粉症のシーズンが近いということで、鼻の強化月間。
今回は鼻の役割についてお話ししたいと思います。

アレルギー性鼻炎や鼻風邪の主症状といえば、「くしゃみ」、「鼻水」、「鼻づまり」。不快で、明らかに生活の質を下げてしまう困った症状なわけですが、これらの症状は、実は、鼻本来の働きが暴走気味になることによって、起こっているのです。


鼻の役割にはいくつかあるのですが、一つには呼吸の働き。鼻は気道の一部をなすわけですが、空気の流れに対する抵抗値は鼻の中が一番大きくて、全気道抵抗の半分を占めます。このことにより深くゆったりした効率的な呼吸が保てるのです。

二つ目の働きは下気道の防御。空気を加湿したり体温に近づけたり、異物や病原体を除去したりと、いわばエアーコンディショナーとフィルターとしての役割です。

そして三つ目の働きは、嗅覚です。嗅覚は食物を摂ったり、危険を察知したりするのに重要です。


このうち、くしゃみ、鼻水、鼻づまりに特に深い関係のあるのは、二つ目の「下気道の防御」です。風邪や花粉症などで、くしゃみや鼻水が出るのは異物を排除使用とする働きが強くなりすぎている結果ですし、鼻づまりは鼻腔の空気抵抗を大きくして、異物や病原体を入れまいとする働きが過剰になったためと理解できます。


くしゃみや鼻水の量、鼻の通り易さを調整しているのは、鼻の粘膜に分布するセンサーともいうべき感覚神経と、鼻の分泌腺や血管のボリュームを調整している自律神経などの神経系と、ヒスタミンやロイコトリエンといった化学伝達物質です。


さて、今回はここまで。

次回は鼻水の量を調整している神経の働きについてお話ししたいと思います。


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by jibikai | 2015-01-09 00:42 | 鼻のはなし | Comments(0)
鼻づまりに効果のある抗アレルギー剤
年が明けて、そろそろスギ花粉症の方は今シーズンどう乗り切ろうかと、思案を始める頃なのではないでしょうか。スギ花粉症を始めとしたアレルギー性鼻炎で最も汎用される薬と言えば、抗ヒスタミン剤です。即効性があるのが最も優れた点であり、また種類も多いです。比較的新しい、第2世代のものであれば、眠気や口渇などの副作用もあまりありません。ただし、抗ヒスタミン剤はくしゃみ、鼻水に対する効果に比較して、鼻づまりに対する効果が弱い、と言う欠点があります。ということで、今回は鼻づまりに効果のある内服薬について、お話ししたいと思います。
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一覧表を作ってみましたが、主なところではキプレスとシングレア(これらは同一成分です。)、オノン、バイナス、ディレグラ、アイピーディなどがあります。抗ヒスタミン剤と比べて、種類はかなり少ないです。内服の回数はキプレス・シングレアは1日1回。オノン、バイナス、ディレグラは1日2回、アイピーディは1日3回です。また、薬価は1日あたり、152.2円から、273円までと、少々お高くなっております。

作用としては、キプレス・シングレア、オノンはロイコトリエンという鼻閉を起こす化学伝達物質の作用を抑え、バイナスはトロンボキサン(これも鼻閉を起こす化学伝達物質)の作用を抑え、ディレグラは自律神経を交感神経優位にすることにより鼻粘膜の収縮を促し、アイピーディはTh2サイトカインを阻害します。抗ヒスタミン剤は文字通りヒスタミンという化学伝達物質の作用をターゲットにしているのに対して、鼻づまりに対する内服薬は多様な効果を、それぞれ狙っていることが分かるかと思います。

眠気は、いずれも問題になることはありません。いずれにおいても重い副作用はありませんが、バイナスで起こりえる出血傾向と肝障害、ディレグラの血圧上昇や、もともと前立腺肥大のある方への尿閉や、緑内障の悪化などには注意が必要です。

授乳は、いずれの薬も「避けさせる」とか、「中止させる」と、残念ながら添付文書には記載されております。しかし、実際は問題になることはほとんどなく、その辺のところは、主治医との相談と言うことになろうかと思います。余談ですが、添付文書上、「妊婦にも使えます。」とか、「授乳も継続して問題ありません。」と記載されている薬は皆無です。しかし、実際問題になるのはごく一部のみ。製薬会社と厚労省は、「妊婦(初期は除きますが)と授乳を継続を希望される方にもやむを得ず処方することも黙認はするが、何かあった場合は、医者が責任を取りなさい。」というスタンスです。

少々脱線してしまいましたが、アルコールに関して「注意」となっているのが、バイナスとディレグラ。他は記載がありませんでした。

なお、表には書きませんでしたが、この中でまずまずの即効性のあるのはキプレス・シングレア、オノンとディレグラです。スギ花粉症では初期治療として早めの内服が勧められていますが、この4剤に関しましては症状が出始めてから飲んでも大丈夫です。バイナスとアイピーディで初期治療する場合は、予測される花粉飛散開始の1〜2週間前からの内服が勧められると思います。

今シーズンのスギ花粉は、西日本では例年より少なめ、東日本では多めと予測されています。長期的には温暖化に伴ってか、増加傾向にあるようですし、患者さんも増えています。薬の知識も身につけて、賢く花粉症シーズンを乗り切りましょう。この記事が参考になれば幸せです。

関連記事:第2世代抗ヒスタミン剤の比較

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by jibikai | 2015-01-07 01:13 | 花粉症・アレルギー | Comments(0)
あけましておめでとうございます
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あけましておめでとうございます。
本日、1月5日より通常通り診療いたします。
今年もよろしくお願いいたします。



by jibikai | 2015-01-05 08:39 | お知らせ | Comments(0)