耳鼻科医の診療日記
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榊原耳鼻咽喉科医院
〒990-0024
山形市あさひ町7−25
院長  榊 原  昭


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急性中耳炎の疫学
あまり写真ネタばかり続けていると、何のブログか分からなく分からなくなりますので、そろそろ耳鼻科的話題を。

開業医も10年近く続けておりますと、いろんな医学的データが貯まってきます。データは使えば宝物ですが、放っておけばただのゴミ。かといって、個人情報になるようなものは出せませんから、ネット上に掲載するものとしては、疫学的な話題が適当かと思っています。もちろんいろんな病気についての統計学的な研究は、既になされているものが多いのですが、ほとんどの医学論文などは病院の先生方がまとめられたデータが多く、開業医がデータをとっているというのはさほど多くないんじゃないかと思います。ところが、疾患によっては病院よりもまずは開業医を受診するようなもの、たとえば急性中耳炎やアレルギー性鼻炎、低音障害型感音性難聴などの比較的頻度の高い、身近な疾患については、むしろ開業医でのデータも取ってみた方が、より病気の本質に近づける場合もあり、それなりに意味のあることと思います。

ということで、今回も当院のデータベースからネタを作ってみました。今回のテーマは、急性中耳炎はどんな人がなりやすいか、という話です。

さて、急性中耳炎といいますと、耳鼻科の代表的疾患で症状は耳痛(じつう;耳が痛くなること)や、耳漏(じろう;いわゆる”耳だれ”)です。発症には衛生事情や栄養事情が関係し、後進国では多く、先進国では比較的少ないといわれています。年齢的には従来より幼小児期に多く、大人には少ないと言われておりますが、特に近年は低年齢化ということが言われております。また、最近問題となっているのは、起因菌としての耐性菌の増加とそれに伴う、重症化例、反復例です。

と、まあ基本的なことは耳鼻科医なら誰でも知っているわけなのですが、教科書や論文を丸写ししてもあまり意味がないので、自分の診療所ではどうか、ということについてまとめてみます。

開業してから、今年の6月までの9年2ヶ月の間、急性中耳炎で初診した方は709名で、その間当院を受診した患者さんの5.7%を占めました。その年齢、性別の分布をグラフに表してみます。

青が男、赤が女の積み上げ棒グラフとしました。男女差はほとんどないことがわかります。年齢は、まず10歳毎に区切ってみましたが、ほとんどが10歳未満であることが分かります(1)。
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では、10歳未満の子供うち、どの年齢層に多いのかをさらに細かく見てみたのが、次のグラフです。
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1歳毎に区切って、同じように積み上げ棒グラフにしてみましたが、各年齢でみても男女差のないことがわかります。年齢別では、1歳(2)と3~4歳(3)にピークのあることがわかります。

以前から急性中耳炎は3,4歳に多いということはいわれており、また最近特に発症が低年齢化してきているということはいわれており、それを裏付ける結果となりました。しかし、ちょっと不思議なのが、2歳はその前後と比べて少ないことと、なぜ、0〜1歳に多くなったかということです。一つ考えられるのは0〜1歳発症の群と、3〜4歳発症の群では、急性中耳炎の多発する理由が若干異なる可能性です。

0〜1歳児の急性中耳炎増加の原因としていわれているのは、この時期に集団保育、つまり保育所などに預けられるケースの増加です。根底には、核家族化、共働き家庭の増加、シングルマザーの増加、女性の社会進出などなど、いろんなことがあるのでしょうが、日中は親元を離れて、集団保育を受ける子供が多くなっているのは間違いがないようで、家庭で生活をしている子の急性中耳炎の発症率は変わらなくとも、保育所にいる子で急性中耳炎にかかる子が増えれば、全体として低年齢児の急性中耳炎が増えてくるというわけです。

低年齢から預けられることの何が問題かといいますと、細菌やウイルスに対する抵抗力(すなわち免疫能)が不十分なうちに、年長児のもつ色々な病原体にさらされることです。また、こんなことを書くと反発を受けるかも知れませんが、集団保育せざる終えない子の場合は栄養状態も良くない(要するにちゃんと食事を摂っていない)ケースも多く、それで一層感染症にかかりやすいことも想像されます。

ですから、特に急性中耳炎にかかった乳児を診察する際、問診しておくべきことは、家で生活しているのか、保育所で集団保育を受けているのかということです。
以下は、当院を急性中耳炎で受診した0〜1歳児の保育環境です。
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保育所などで集団保育を受けていた子が45%、家庭にいる子が8%、問診で確かめていなかった例が47%でした。保育環境を確かめたうちのほとんどが、集団保育を受けていたということからは、やはり特に0〜1歳児においては、集団保育が急性中耳炎発症の大きなリスクファクターになっている可能性が高いと思われました。
ただ厳密には、急性中耳炎の有無にかかわらず、この年齢で集団保育を受けている子がどのぐらいの割合でいるのかも確かめなければならないし、診察の時にはもれなく保育環境を確かめなければ、確かなデータとは言えません。

もう少し、調べてみて何か分かりましたら、ブログかHPにてまたご報告したいと思います。
by jibikai | 2007-09-15 12:28 | 耳のはなし | Comments(2)
お子様用スペース
耳鼻科の医院というと、通院した経験のある方は特に、子供が多いというイメージをお持ちかと思います。確かに幼児期は鼻炎、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、中耳炎と耳鼻科の病気に罹りやすいということもあり、待合室には小さなお子さんのいる割合が、多いかも知れません。

耳鼻科(耳鼻咽喉科)というのは、ご存じの通り診療の対象となる部位別の診療科でして、例えば小児科(患者さんはほとんどが子供)や内科(患者さんはほとんどが大人)といった科とは異なり、それこそ赤ちゃんからお年寄りまで、幅広い年齢層の方が来院されます。まあ院長自身としては幅広い年齢層の方を診るのが好きで、この職を選んでやっているのですからかまわないのですが、待合室が騒がしくなるとちょっと心配になることもあります。子供は元々じっとしていられないものだというのはわかるのですが、あまりに度が過ぎると、周囲の大人は辛いかなと思うこともないわけではありません。あまりにもはしゃぎすぎの場合には、子供本人や親に注意することもないわけではないのですが、お互いちょっと気まずいし、できればそれは最終手段にしたいところです。

前置きが長くなりましたが、一番良いのは待ち時間の短縮と、子供に退屈させないことかなと思っています。
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当院の待合室の一角は、子供が座って遊べるようなスペースをわずかながら用意し、おもちゃなども置いています。一番人気なのはオママゴトセットですが、絵本も根強い人気があるようです。
たまに新しいのを追加、あるいは交換しているのですが、今回は恐竜とプーさんの飛び出す絵本にしてみました。
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この手の仕掛け絵本は、楽しいけれど直ぐぼろぼろになるのが難点です。いつまで無事でいられるか分からないので、お子様用スペースに置くのは、もちろん綺麗なうちにブログネタ用の写真を撮ってからです。
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カシャッ!

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by jibikai | 2007-08-22 09:46 | プロフィール・雑感 | Comments(8)
乳児の鼻づまり
 時々、赤ちゃんや小さい子供の鼻がつまって苦しそう、長く哺乳ができない、さらには仰向けに寝ると呼吸が止まる、というような症状を心配して、受診されるケースがあります。原因は、鼻炎、副鼻腔炎、アデノイド扁桃肥大などのケースが多いのですが、単独の原因と言うよりも、これらがいくつか合併していることも多いです。
 いずれにしても大事なのは、どの程度の鼻づまり、あるいは無呼吸なのかを調べることです。
軽い場合は様子を見たり、単に鼻炎の治療をすればいいのですが、重症では鼻づまりのために母乳やミルクが十分に飲めず、発育に悪影響を及ぼしますし、寝ると呼吸が止まるほどであれば、熟睡出来ないのみならず、突然死の危険性も指摘されています。
 では、鼻づまりや無呼吸の程度を調べるには、どうしたらいいのでしょう。もちろん、まずは耳鼻科を受診することです。耳鼻科では、まず鼻と咽をよくみます。必要があれば、ファイバースコープで鼻の奥を診ることもあります。それから、参考になるのは実際に呼吸がおかしくなった時の状況なのですが、これは家で保護者の方にビデオで撮影してもらったりすることもあります。また、夜間の酸素飽和度(血液中に取り込まれている酸素の濃さ)もまた重要な指標になります。これは、最近普及してきている、睡眠時無呼吸症候群の検査で使う携帯型のモニターで、比較的簡単に調べられます。この器械は医院から自宅に貸し出し、子供が寝たら足の親指などを挟むように、洗濯ばさみのようなプローブというものを親が付けるだけ。朝になったら器械を外して、医院に器械を返せば、本体内のメモリーカードに蓄えられたデータをコンピュータで解析して、鼻づまりや無呼吸によってどの程度、酸素が不足しているかが分かります。
 以上のような診察や検査の結果、重度の無呼吸がある場合は、手術が必要となるケースもあります。手術するとすれば、主には”アデノイド切除術”と”扁桃摘出術”ということになりますが、その際は全身麻酔での手術となりますし、手術や麻酔による合併症の危険性も全くないわけではありません。ということで、つい「様子を見ましょう。」の常套句で、親も医師も先延ばしにすることも少なくないのですが、実はそれではかえって生命に危険を及ぼすような重症のケースも意外と多いのです。

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by jibikai | 2006-12-15 00:02 | 鼻のはなし | Comments(4)
耳垢
 今日は耳垢の話。耳垢と書いて、医学用語としては”じこう”と読みますが、一般的には”みみあか”と言っていただいて、一向に差し支えありません。文字通り、耳の垢(あか)だからです。また、「耳かす」という、言い方も一般的だし、むしろこう呼ぶ人の方が多いかも知れません。
 
 耳垢には、茶褐色でベタつきのある「湿性耳垢」と、黄白色でカサカサした感じの「乾性耳垢」があります。どちらの耳垢になるかは、メンデルの法則に従い、遺伝的に決まります。日本人には乾性耳垢の方が多いですが、湿性耳垢が病気というわけでは、もちろんありません。

 耳垢はどこで作られるかというと、鼓膜表面や外耳道で作られますが、正常な状態では鼓膜の中心から外側に向かって、さらには耳の穴に向かって、耳垢は自然に移動してきます。そして顎を動かした時などに、勝手に耳の外に出て行ってしまっています。ですから、通常は耳の掃除というものを、頻回にやる必要はないのです。むしろ、毎日耳掃除をしたり、竹などの堅い材質のもので、強くこすると、外耳道炎を起こしてしまいますので、やりすぎは禁物です。
せいぜい、週1回ぐらいの割合で綿棒を使って、耳の穴から1cm位の所までを、掻き出すように掃除するだけで十分です。もしそれでも、耳垢が貯まってしまう場合(耳の穴が塞がるほどになるのは耳垢栓塞というのですが)は、家庭ではおそらく安全に取るのは不可能ですから、耳鼻科を受診した方がいいと思います。なお今の時期、幼稚園や保育園、小中高校などでは耳鼻科健診が行われていますが、「耳垢」とか「耳垢栓塞」という病名があれば、耳鼻科で取ってもらって、鼓膜の状態なども確認してもらいましょう。

 また、よく小さいお子さんを持つお母さんから、「耳かすだけで、耳鼻科にかかっていいんでしょうか?」という質問を受けますが、全く問題ありません。大歓迎です。家で無理に取ろうとして、傷つけたりするよりずっといいですし、ついでに外耳道や鼓膜の病変もチェックしてもらえますから、遠慮せずにお子さんを耳鼻科に連れてきて下さい。ちなみに、私にも小学生の子供がおりますが、生まれてこの方、家では子供の耳掃除はしたことがありません。家では耳の中を見る顕微鏡などがないため、闇雲に掃除するのは危険だからです。ただ、私は取らなくてもいいと言っても、母親は気にしますし、それこそ学校の耳鼻科健診で「耳垢栓塞」と書かれるのもさすがに恥ずかしいのです。で、どうしているのかといえば、実は、たまに診療所に連れてきてチェックしています。
 え、自分の耳はどうしているかですって?自分で顕微鏡を使って取るわけにはいきませんので、とりあえず、今のところ週一で家で掃除する程度で、問題はないようです。でも、今は自分の耳でもかなり詳しく見られるんですよ。耳の中をいかに覗くか、という話はいずれそのうちに、、、。

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by jibikai | 2006-06-13 10:25 | 耳のはなし | Comments(2)
扁桃肥大
ある耳鼻科診察室にて。
今日は、小学校1年生の男の子を、お母さんが連れてきた、という想定。
(フィクションです。)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
医者「今日は、初めてですね。どうなさいましたか。」

お母さ「実は、子供が学校の耳鼻科健診でこんな紙をもらってきまして。」

(お母さんは、学校から発行された健診票というものを見せる。それには、”扁桃肥大”、“要経過観察”と言うところに○がつけてある。)

医者「なるほど、扁桃肥大ということで、一度診てもらうよう言われたわけですね。」

お母さん「はい。でも、そんな風に言われたのは、今回が初めてですし、別に何ともないみたいなんですけどね。」

医者「じゃあ、診てみましょう。う〜ん、やっぱり扁桃は大きいようですね。」

お母さん「はあ。扁桃ってどこにあるんですか。」

医者「口をあ〜んと、大きくあいたとき、のどちんこの両脇に見える、桃の実の種みたいな格好をしているのが扁桃です。で、診てみますと、両側の扁桃がほとんど真ん中でくっつきそうなぐらいなので、かなり大きいといえるわけですよ。」
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お母さん「そう言えば、この子の父親も、小さいとき扁桃腺が大きいから、とったっていってたっけ。これって遺伝するんですか。」

医者「ある程度、遺伝性もあると思いますよ。」

お母さん「ところで扁桃腺が大きくて、何か困ることがあるんですか。」

医者「上の図で説明しますと、扁桃は口から咽にはいるところの両脇にあるんですが、あまりに大きいと、呼吸の妨げになるんですよ。」

お母さん「呼吸の妨げ?」

医者「具体的には、口で息をするようになったり、いびきをかいたり、ひどくなると睡眠時無呼吸といって、夜寝ている間に、呼吸が止まる原因になるんですよ。」  

お母さん「そういえば、いびきは、よくかいているみたい、、、、。」

医者「いびきが途中で途切れて、息が止まっているようなことはありませんか?」

お母さん「そこまでは、ないみたいですけど、、、、。」  

医者 「そうですか。じゃあ、少し様子を見ていびきだけじゃなくて、呼吸が止まっているような様子もあったら検査することにしますかね。」

お母さん 「検査って、どうやるんですか。」

医者「ポリソムノグラフィーといって、寝ている間の呼吸の状態や循環の状態をモニターするんですが、入院してやる場合と、こちらから器械を貸し出して、家で検査する場合があります。」
  
お母さん「検査すると、何がわかりますか?」  

医者「寝ている間に呼吸が止まっていないかどうか、止まっているとすれば、その回数や時間がわかります。それから同時に、血液中の酸素飽和度というものを調べますので、酸素不足に陥っていないかどうかもわかります。」       

お母さん「検査の結果、無呼吸がひどい場合は、どうするんですか。」

医者「扁桃をとったほうがいいと思います。」       

お母さん「扁桃を取るってどうするんですか、ここでもできるんですか?」  

医者「まあ、取ると仮定した場合、全身麻酔も必要だし、入院も必要なので、うちの医院ではやってません。でも、信じて任せられる耳鼻科の常勤医がいて、手術のできる病院を紹介しますから心配ありませんよ。」       

お母さん「入院期間はどのくらいかかるんでしょうか。」 

医者「手術前が1〜3日、手術後が8〜10日程度なので、10日から長くて14日間位です。」

お母さん「ところで、前に扁桃腺を取ると身体が弱くなるような話を聞いたことがあるんですけど、取っても大丈夫なんですか?」

医者「扁桃の働きって、乳幼児期に世の中にはどんな細菌やウイルスがいるのか、身体が覚えるため、口の中に入ってきた病原体を捕まえて、全身の免疫系にその情報を受け渡すような、役割をしているらしいのですが、あまりはっきりしていないのです。5歳を越えると扁桃はまず有益に働いてはいる可能性はないので、取ったからといって身体が弱くなる心配はありません。」

お母さん「わかりました。とにかく、まずは呼吸の様子をよく見ておくことにします。」

医者「そうですね。それで、心配なことがありましたら、いつでもいらっしゃってください。」


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(補足)
扁桃は年齢とともに大きさが変化します。一生のうちで7歳頃が最も大きくな時期なので、幼稚園や小学校低学年のお子さんは、潜在的に扁桃肥大になりやすいと言えます。その内で、手術が必要になる子のわりあいはそう多くはありませんが、睡眠時無呼吸のある場合は手術適応となるケースが多いです。
健診票に「要 経過観察」となっていた場合、呼吸の状態を観察して、心配があれば早めに耳鼻科を受診しましょう。

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by jibikai | 2006-06-09 16:33 | のどのはなし | Comments(0)
アデノウイルス感染症
 昨日辺りから、大人も子供も、鼻水から2〜3日して濃い鼻汁に変わって、38度前後の熱、咽の痛みがあるという方が増えています。いわゆる夏風邪ですが、原因はアデノウイルスの感染が最も多いと思われます。
  
 アデノウイルスが起こすもので、よく知られているのは、咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)というもので、一般的にはプール熱と呼ばれるとおり、プールの水を介して感染することが多いものです。咽の痛みと発熱などの風邪症状の他には、ウイルス性の結膜炎をおこしますので、目が充血して、痛みや涙目にもなります。
 
 で、この咽頭結膜熱には嫌な思い出が。3~4年前のこと、鼻炎などで時々診ていた、小学校低学年の子が、急な熱と咽の痛みを訴えてやってきました。咽が全体的に充血しており、結膜の充血もあったので、咽頭結膜熱と診断し、その旨、お母さんに説明しました。
 咽頭結膜熱であれば、症状消失後2日後まで出席停止になるので、お母さんはその旨学校へ届けました。ところが、養護教諭(いわゆる保健の先生)から驚くような言葉が。「うちの学校では咽頭結膜熱は一人も出ていませんから、そんなはずはありません。とにかく耳鼻科ではなくて、きちんと小児科で診てもらってください。」といわれたとのこと。
 
 少なくとも咽の病気の見立ては、一般的な小児科医よりも優れていると自負しておりますので、正直、憤慨いたしました。どうも事情を聞くと、届け出とかが面倒なので、夏風邪としてすませたかったということと、あまり評判の良くない養護教諭であったとのこと。それにしても、無知にもほどがある、と思いました。幸いその養護教諭は、転勤して当地にはいなくなったそうなので一安心です。
 
 話を本題に戻しますと、この咽頭結膜熱は今年大流行のおそれがあるとのことです。咽の痛み、発熱、目の痛み充血、目やになどがあれば、この病気の可能性が高いです。同じ様にウイルスで風邪症状をおこす、インフルエンザほどひどくはなりませんが、一応ご注意を。

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by jibikai | 2006-05-30 18:36 | のどのはなし | Comments(0)
鼻と耳とスイミングスクール
下手なダジャレばかりでは、愛想を尽かされるといけないと思い、今日は、久々に本業に関係した話題。

もうすぐ年度末、小さなお子さんをお持ちのお母さんやお父さんは、4月から何か新しい習い事でもさせようかと考える時期と思います。で、よく聞かれるのが、「スイミングスクールに通わせたい(通わせている)んですけど、いいでしょうか。」という質問です。スイミングスクールに入るのは、幼稚園、保育園児が一番多いと思うのですが、この年頃で耳鼻科に通っているのは、アレルギー性鼻炎か副鼻腔炎か中耳炎、あるいはこのうちのいくつかを合併している子がほとんどなので、結論から言うと、水泳は耳と鼻にとっては百害あって一利無しです。それは耳に水が入るからいけないというのではなく、鼻に水が入るのが良くないのです。鼻に水が入ると、プールの水は身体の中の水分より薄いですから、昔セロファンで浸透圧の実験をしたことがあるかと思いますが、プールの水は鼻の粘膜を通して、身体の中に移動しようとします。このとき粘膜に対してダメージを与えるわけです。鼻炎がひどくなり、それにより副鼻腔炎も悪化。その結果、耳管の働きも悪くなり、中耳炎になるか、悪化します。また、消毒のために入れる塩素もまた、粘膜刺激性があり、鼻や咽に悪影響を及ぼします。

ただし、鼻や耳のことを度外視すれば、水泳により体力がつくとか、積極性が身に付くとか、メリットももちろんあるわけで、中耳炎の急性期とか、副鼻腔炎で黄色い鼻が出ているときなどを除いては、禁止とまでは言わないことが多いです。ただその際にも、水泳のデメリットはきちんと説明するようにしています。

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by jibikai | 2006-03-16 19:08 | 耳鼻科全般 | Comments(0)
アデノイド
今回は、特に小さいお子さんをお持ちの方に、関係のある話題。「アデノイド」あるいは「アデノイド増殖症」という病気について、自作のCGを使って説明します。

そもそも、アデノイドとは何かといいますと、鼻と咽の間にあるリンパ組織です(図1)。誰にでもある組織なのですが、特に幼児期に生理的に大きくなります。アデノイドの大きくなるピークは5歳頃で、その年齢を過ぎると大抵の場合は萎縮して、大人ではほとんど表面からは分からないぐらいになります。
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このアデノイドが極端に大きい状態を、「アデノイド増殖症」あるいは単に「アデノイド」といいます。アデノイドが大きいと、図2のようにまず鼻からの吸気の流れが遮断されます。これにより、鼻呼吸出来なくなり、口で息をするようになります。また、夜にはイビキをかいたり、呼吸が止まることもあります。一言で言えば気道閉塞ということになりますが、これが長く続くと、漏斗胸といって胸が変形したり、アデノイド顔貌といって、何となく”しまりのない顔”になったりします。

その他には、合併症として急性中耳炎や滲出性中耳炎を起こしやすくなります。これは、アデノイドが直接、耳管開口部を塞いでしまうことと、アデノイドに起こった炎症の耳管に波及することが原因と考えられます。また、アデノイドが大きいと、高率に副鼻腔炎も合併します。これは、アデノイドにより鼻から咽への空気の行き来が遮断されるため、あるいはアデノイドからの細菌感染が原因と考えられます。

逆にいえば、3〜6歳ぐらいのお子さんで、急性中耳炎、滲出性中耳炎、副鼻腔炎を繰り返していて、よく口で息をしている場合は、アデノイド(増殖症)が高い確率で疑われます。診断には、内視鏡やレントゲン検査でアデノイドの大きさを確認します。検査は耳鼻科のある病院はもちろん、診療所でも受けられます。その結果、アデノイドが極端に大きい時には、手術が必要になることもあります。全身麻酔の手術ですので、入院も数日間必要で本人も親も大変ですが、目に見えて効果のある場合が多いです。
また、アデノイドの大きさがそれほど極端でなければ、アデノイドが成長に伴って徐々に小さくなることに期待して、中耳炎や副鼻腔炎などの合併症を治療しながら、様子を見ることになります。

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by jibikai | 2006-01-16 18:09 | のどのはなし | Comments(4)
子供の滲出性中耳炎
久しぶりに、耳鼻科医らしい話題、滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)について、記事にします。

滲出性中耳炎、この中耳炎は2歳から7歳ぐらいまでの子供には、すごく多いです。正確な数字は手元にありませんが、3歳児健診、幼稚園や保育園の健診では数パーセント程度の子供が引っかかるんじゃないでしょうか。

滲出性中耳炎が発見される契機としては、健診がおそらく最も多く、それについで、急性中耳炎から引き続いてなるケースとが多いと思われます、一方、親や先生が、子供の聞こえの悪いことに気付いて、受診させるケースは案外少ないんじゃないかと思います。滲出性中耳炎の症状は難聴や耳閉感などですが、小さい子の場合は自分で聞こえにくいこと自覚できないことも多く、仮に自覚しても、あまり自分からは訴えません。また難聴といっても比較的軽度ですので、周囲の大人が気付くことも意外と少ないようです。したがって小児の滲出性中耳炎は、自覚症状も、端から見た感じからもあまり症状のはっきりしない病気なのです。

ということで、多くの場合「ほんとにこの子、耳が悪いのかしら。」と半信半疑で、耳鼻科に通わせることになるわけです。もちろん、耳鼻科では鼓膜の状態を見て、鼓膜の動き方を調べる検査や、聞こえの検査もちゃんとやった上で、治療の必要性もきちんと説明しているとは思うのですが、それでもなかなか、保護者に納得してもらえないこともあります。また、中耳炎の程度や合併症などの関係で、1~2週間で治ることもあれば、数ヶ月から数年かかることもあります。ケースバイケースですが、治療が非常に長期にわたってしまうことも多いのです。これがまた、保護者の不信感を招くというのもよくわかります。

で、そもそもこの滲出性中耳炎とは何なのか、ということについて、簡単に説明します。(機会があれば、ちゃんとしたイラスト入りの解説記事を書きますので、今回は言葉だけの説明でごめんなさい。)滲出性中耳炎とは中耳に粘液がたまってしまったり、あるいは中耳の気圧が保てなくなり、鼓膜が奥に凹んだりするために鼓膜が振動しにくくなりその結果難聴になります。例えば、飛行機に乗って上昇や下降したときや、列車がトンネルに入った時など急激に気圧が変化する場面で、多くの人が経験しているのと同じような症状です。耳がつまった感じで、聞こえにくい状態、これが滲出性中耳炎ではずっと続くわけです。

原因は一言で言うと、耳管機能障害ということになります。耳管というのは、鼻の奥と咽との境から、中耳までつながる通気口です。 耳管機能障害を起こす元になるのは、急性鼻炎(いわゆる鼻風邪)、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎などの鼻の炎症です。 炎症が直接耳管に波及したり、ドロドロした鼻汁が耳管の出入り口を塞いだりしますと、中耳の中の空気の入れ換えや、気圧の調整や、中耳の掃除ができなくなりします。そうすると、中耳に粘液がたまってままになったり、鼓膜が凹んだりするわけです。また、鼻すすりの癖は、耳管を通じて中耳の空気も引っ張ってしまいますので、滲出性中耳炎を引き起こしたり、長引きやすくしたりします
子供に起こりやすいのは、「アデノイドとういう扁桃組織が大人よりも発達していること。」、「副鼻腔炎の多いこと。」、「耳管の働きが未熟であること。」などが理由として考えられます。逆に言えば、ある程度の年齢(7,8歳)ぐらいになれば、たちの悪いケースを除いて自然と治ることがほとんどです。たちの悪いケースとは、癒着性中耳炎とか真珠腫性中耳炎とかに移行していくタイプです。ただし、これは滲出性中耳炎100人のうち1人なるかならないかで、ほとんどの子は後遺症も残さずに治っていきます。

では、子供の滲出性中耳炎は治療しなくともよいのか、ということになりますと、これは全く話が違います。滲出性中耳炎は2歳から7歳頃に多いと最初に書きましたが、それは、言葉を覚えて、人と人とのコミュニケーションを作る方法を学習する時期です。「聞こえ」というのは、そのコミュニケーションを支える機能ですので、その時期に聞こえの悪い状態が続くということが、どれだけ損をすることになるのか、考えて頂きたいと思うのです。

もちろん、滲出性中耳炎でも程度は様々、また、同じ子供でも状態のいい時もあれば、悪い時もあります。たいていの耳鼻科医は状態に合わせて治療します。ごく軽い状態であれば、様子を見るだけのこともあれば、中耳に粘液が貯まって聞こえも悪い場合には、鼓膜切開やチューブを入れたりして、貯まった粘液を取らなくてはならない時もあります。いったん良くなっても、再発することも多いので、なかなか、「治った」といいづらい病気でもあります。また、身体の表面に患部のあるような病気と違い、一見何ともなさそうですし、子供本人も痛いともかゆいとも言わないとなると、一体いつまで通わなくてはならないのだろうという、という疑問がわいてくるのは当然かと思います。

当院では、そういった疑問に少しでもお答えするために、初診や、変化のあった時などは、鼓膜の状態を内視鏡を使ってTVモニタに映し、保護者や子供本人に見せるようにしています。それで、治療が必要な状態だとか、治っているようだとか、説明しているつもりではいます。それでも、分かってもらえない場合もありますが、いまのところ、実際鼓膜を見てもらうのがベストだと考えています。ただ、忙しい時は、つい省いてしまうこともあり、それはなんとかしなければいけない課題だとは思っています。

今回、子供の滲出性中耳炎を巡って、保護者と医者の治療に対する考え方がなぜ食い違ってしまうのか、ということを中心に記事にしてみました。

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by jibikai | 2005-12-03 17:09 | 耳のはなし | Comments(19)
Q&A 子供の花粉症
質問:
子供でも花粉症になることはありますか?

回答:
もちろんあります。

花粉症とはスギや様々な雑草などの花粉によるアレルギーで起こります。ただし、花粉を吸入するとすぐアレルギー反応が起こるわけではなく、繰り返し花粉を吸入することにより、まず抗体が身体に作られて、抗体の量がある程度増えてから症状がおきてきますので、生まれたばかりの赤ちゃんには花粉症はありません。

早い子では2〜3歳から花粉症になります。近年、小さいうちから花粉症になる子は、徐々に増えてきています。

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by jibikai | 2005-11-22 14:51 | Q&Aシリーズ | Comments(2)