鼓膜チューブ留置術(いわゆるチュービング)について
2009年 06月 24日
滲出性中耳炎のある程度進行した状態です。耳管が詰まってしまったため、鼓室内の気圧が低くなり鼓膜が内側に凹んで、さらに鼓室内の粘膜の炎症の結果滲み出てきた液体が排出されずに貯まったままになっています。この状態では鼓膜が凹むことによって響きにくくなり、さらに滲出液の抵抗により耳小骨の動きも悪くなりますから、聞こえが悪くなりますし、耳のつまる感じも持続します。
しかし、鼓膜には再生能力がありますから、数日で鼓膜の穴は閉じてしまいます。それまでの間に耳管機能が良くなればいいのですが、そうでなければ中耳炎が徐々に再発してしまいます。
そこで、鼓膜に開けた穴が閉じないようにするために、シリコンやテフロン、あるいはチタンなどで出来たチューブを入れます。チューブの形はまっすぐのものもありますが、それだと入れやすい替わりに抜けやすいという欠点がありますので、ほとんどのチューブは手前側と先端に“ツバ”が付いて抜けにくくなっています。
チューブを入れておく期間はケースバイケースなのですが、例えば子供の滲出性中耳炎の場合で、1年半前後が適当だと思っています。長期間入れておけば、それだけ再発の頻度は少なくなりますが、あまり長期になると鼓膜の穴が閉じなくなることがあるからです。
それから、チューブが入っている場合気を付けなくてはいけないのが、極力耳に水を入れないようにすることで、シャンプーや水泳の時には注意が必要です。それは外耳道からチューブを通って雑菌を含んだ水が入り、本来無菌状態であるべき鼓室内に感染を起こすことがあるからです。感染を起こすと、耳だれが出るのですが、実際にはその頻度はさほど多くないようで、それほど神経質にならなくとも良いことが多いです。しかし、さすがに飛び込みや潜水は止めるようにお話ししています。
チュービングは耳鼻科の医者の側からすると、通院の回数は減らせるし、聴力の良い状態を保てるしと、お勧めできるケースは非常に多いのですが、実際には患者さんの同意が得られずに出来ないこともあります。それは鼓膜に穴を開けることへの抵抗感が大きいのですが、そんな不安を取り除くために、分かり易くイラストを使って記事にしてみました。
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記事読みましたよ~イラスト付きで、説明も本当にわかりやすいです!
確かに、鼓膜切開してチューブを入れるって聞いた時は、びっくりしたし怖かったですね…。実際、麻酔しても効いてる感じがしなくて、かなり激痛ですよ…。で…記事読んでて思ったことがあるんですけど…
滲出性中耳炎がなかなか治らない人って鼓膜切開してもすぐに鼓膜が閉じてまた滲出液が溜まってくるんやから、それやったら、アタシは今、チューブを入れてるんですけど、抜けても鼓膜が閉じないでそのままなら良いのになあって思ってるんですけど…ずっとよく聞こえるじゃないですか?
私の場合はパパレラ型でほぼこれだったような?
入れる時、ディスプレイ見ながらやってたみたいですが、若い先生がちょいベテラン先生に指導されながら・・・でした。外耳道を器具がとおる時が痛かったです。練習台だったかと。(^^;;違和感は1日だけであとは全然意識しませんでした。最初は鼓室換気がめまいにいいとかでしたが、ステロイド投与するための順序をふんだという事だったかなと思っています。1年ぐらいチューブしていました。
工夫することによって、チューブを入れないで済むような
方法はあります。レーザーや高周波で鼓膜切開する方法なの
ですが、それだと創が閉じにくくなるとのこと。今のところ
あまり普及していないのですが、チュービングよりも良い点も
あるので、これから普及してくるかも知れません。
してやるのがポイントですが、何しろ顕微鏡や内視鏡で見ながら
の操作なので、最初は結構遠近感が掴みにくく、思うように
鉗子を動かしにくいものです。なるほど、ステロイドの鼓室内
注入の前処置だったわけですね。
むしろ治療の支障となることも多く、コメントは差し控えさせていただきます。
逆に言えば、感染を起こしたりせずに綺麗な状態であれば、長期間入れておくこともあり得ます。
私はチューブからラジカットを入れる治療を大学病院でしましたが、私のときはマウスでの投与しかしていなかったため、研究費から治療してもらいましたが、最近は、このような治療法は行われているのでしょうか?私は良好です。
山形のお写真すごいですね!雪!!こちらは一月に少しちらちらと舞いましたが、一度でいいから雪だるまとか作ってみたいです!桃の花が今日もきれいにさいていました。花粉症でもある私は一月の29日頃でしたでしょうか、少し花粉が飛んでいるようでした。ザイザルの鼻のかゆみ止めを服用し始めました。
今年はコートをクリーニングに出さずにすみそうです!!
雪かき車はじめてみました!本格的だー!!
言われています。もちろん発作時は無理でしょうけれども。
山形は台風は来ないし、地震も少なくて良いところなのですが、雪だけはちょっと多すぎます。
今年は特にそうでした。
でも、冬が厳しいほど春のありがたみはよく分かりますね。
音響障害、平行機能障害、治らないと言われてましたが治りました。左耳がきこえなくなったせいかもしれませんがそれでも嬉しいです。耳栓生活脱出です。
歯科衛生士のお仕事賛成派ですか?辞めた方がいいとか悪いとか耳鼻科医の先生によって意見がまちまちなのです。
こちら山口は台風被害にあいまくりです。バルコニー落ちました。屋根瓦飛びまくりました。
隣の広島県宮島、平清盛ブームでとてもにぎわっています!散歩コースで今年は二回も行きましたが人ごみで目が回りそうです!!
ふぐも美味しいけど、やはり関アジですね!!
要検討ですが、そうでなければ続けても良いと思います。ただし、一概に
仕事上のストレスと言っても、仕事の体力的はストレス、精神的ストレス、
職場での人間関係等いろいろあるでしょうから、その辺の見極めは難しい
ですよね。一般的には勤務時間を減らすことなどは推奨されています。
山口県、去年だったか学会があって行きたかったのですが、日程の調整が
つかず断念しました。
緊張感がある仕事で、思ってた以上に体力がいる事に働き出して思っていましたが、とてもやりがいを感じていましたのでストレスを認めたくありませんでした。ほんと、見極めの難しいところですね。
山口県の学会ですか?遠い所までお勉強に来られるのですね!!私を治療してくださった、して下さっているたくさんの耳鼻科医の先生とかも良く、学会行くのでいませんって言われてます。医療はどんどん進化してますね。
私は再生医療に興味があります。でも一度壊れた有毛細胞はもう生えては来ないのでしょうね。
今日、節目検診で耳聞こえてないよ、と言われました。耳鼻科でしか聴力検査した事がなかったので検診用のカプセルのような面白い外の検査技師さんのえ-?の高音の声がカプセルの中から良く聞こえると言う面白い機械を始めて見ました。
左が90デシベルでした。右が30デシベルでした。右耳の聴力の回復に浮きだってますよ!!ケーキ買って帰りましたね、思わず・・!!
母親としては痛みがあるのは可哀想だと思うのと、私は看護師なので充分チュービングが必要な時期に来ていると考えます。「お母さんが希望するならやりましょう」と言われました。まだ見送ったほうが良いのでしょうか?
反復性中耳炎ということで記事の滲出性中耳炎とは若干異なるのですが、
やはりチュービングの適応にはなります。
チュービングのメリットとしては膿が溜まることがなくなりますので、
痛くなる頻度は格段に減ってくることと、急性中耳炎に続発する滲出性中耳炎を
防ぐ可能性のあることと思います。
反復性中耳炎になるお子さんは保育所などで集団保育を受けていることが
多く、その場合は他の子が持ち込む色々な病原体に晒されることが最も
大きな原因です。熱を頻回にだすのも同じ理由からのことが多いです。
チュービングによって熱が出る頻度は少し減るかも知れませんが、ゼロには
ならないと思います。
デメリットとしては本文中にもあります通り、水泳の制限と永久穿孔の
リスクがあることです。
(永久穿孔といっても、大きくなってから手術的に塞ぐ方法はありますし、
最近では外来での比較的簡単な治療で塞ぐ方法も報告されています。)
(続く)
急性中耳炎ガイドラインなどにも、チュービングに関する一定の基準というのは
実はなくて、現場の医師とご家族の判断でする、しないというのは決める
ことになります。
また外来での鼓膜麻酔だけでできそうなのか、全身麻酔じゃないとダメそうなのか
(この辺はお子様がじっとしていられるかどうかによります。)、
全身麻酔が必要なら2泊3日程度の入院が必要となりますから、通院中のところが
入院可能なのか、他の病院を紹介することになるのかなど、
他にも色々な要素が絡んでくることと思います。
私は22歳なのですが、先日中耳炎になり、チューブ留置術をして頂きました。
耳の聞こえもよくなり、痛みもなくなったのですが、聞こえてくる音が低く聞こえます。
私は音大で音楽を勉強しているため、音程が低く聞こえると練習が困難になってしまいます。
チューブは一、二ヶ月で抜けるとお聞きしたのですが、その期間はずっとこのような症状が続くのでしょうか?
次に通う日まで少し日があくので、不安になってしまいました。参考に教えて頂けたら幸いです。よろしくお願いいたします。
チューブが入っている場合は鼓室に水が貯まらない分は聴力が改善しますが、鼓膜に孔が開いた状態なので、その分少し音の伝わり方が正常の鼓膜とは異なります。
また、成人の中耳炎では内耳の炎症を伴うことも多く、その分が改善していない可能性もあるかも知れません。
音程が低く聞こえるとのことですが、しばらく続くこともありますし、脳が順応すれば徐々に改善してくる可能性もあろうかと思います。
もし鼓膜に開いた穴が原因なら、チューブが外れて穴が塞がったら治る可能性は高いのでしょうか??
6歳の男児がおり、現在離島住まいのため県外のこども病院でアデノイド切除術と鼓膜チュービングを3月にしていただきました。現在は地元の病院にて、予後を診ていただいています。しかしながら、方針の違いに戸惑っています。(1)退院後の3度の診察で一度も耳垢取りをして頂けない。理由は取りすぎると良くないとのことですが、入院先ではチューブが外れないようにきちんととってもらって下さいとのことでした(2)プールのとき、耳栓は必要ない。今まで耳栓しないで影響があった患者さんはいなかったとのこと。しかし、これも退院時にはシリコン性の耳栓でしっかり帽子をかぶってすると聞きました。子供のことなので慎重を期したい思いと、離島で他先生の選択肢もないため気まずくなりたくない思いととても悩んでいます。どちらの病院の方針に従うのが適正なのででょうか?
耳垢は溜まってれば取った方が良いのですが、無ければ当然取る
必要もありません。また、チューブにまとわりついている場合、
無理に取ろうとするとチューブが抜けることもあります。
チューブが入った耳での水泳ですが、飛び込みや潜水をしなければ
大丈夫のことがほとんどですが、慣例的に耳栓の装着を勧めるのも
一般的。どちら正しいです。
当院では念のため耳栓してね、とは言いますが、泳いでいるうちにいつの間にか耳栓が外れていてもそう慌てるもでもない、
ただし耳だれが出るようなら早目に受診をと説明しています。
ご相談が ございます。
メニエールを発症してから、約一年が経ちました。
最初の発作の めまいは、一か月で完全に治まりました。
しかし五か月後、二回目の発作が起こり、キツイめまいは一か月で治まったのですが、
その後は、そこそこのめまいが残ってしまった状態が五か月続いています。
散歩くらいは出来てますが、運動や仕事は出来ない状態です。
そして先日お医者さんから、鼓膜チューブ留置術は どうかと言われたのですが、
正直手術には抵抗があり、現時点では お断りいたしました。
鼓膜チューブ留置術で良くなる可能性は高いのでしょうか?
お忙しいでしょうが、もし良ければ お答えいただければ幸いです。