急性低音障害型感音難聴の疫学〜当院のデータより・その2〜
2009年 07月 28日
さて、最近特に注目されている急性低音障害型感音難聴ですが、その症状にはどんなものがあるのでしょうか。

グラフは、急性低音障害型感音難聴の典型例86例の方に初診時にあった症状です。
耳閉感が一番多くて67%の方にみられました。耳閉感というのは、「耳のつまる感じ」、「耳に水が入った感じ」、「こもる感じ」、「トンネルに入ったような感じ」などと表現されることが多いです。この急性低音障害型感音難聴の他には、滲出性中耳炎や耳垢がつまった時、耳の中の異物などで起こる症状でもあります。
難聴と耳鳴のある方は、同率でそれぞれ28%でした。その他には聴覚過敏(周りの音が響く、うるさく聞こえるなど)や、自声強聴(自分の声が響く)などを訴える方も少数いらっしゃいます。
急性低音障害型感音難聴の場合、耳閉感を訴える方が多くて、難聴を自覚する方が意外と少ないのが、特徴といえると思います。これが、例えば突発性難聴では、難聴はほぼ100%の人に自覚がありますので、大きな違いです。
その他には、めまい感(ふらつき、何となくめまいがするなど)が5%、回転性めまい(自分あるいは周りがぐるぐる回る感じ)が9%ありました。診断基準では、「めまいはともなわない」とあるので、厳密にはめまいのある例は除くべきなのですが、実際の診療ではメニエール病の発作ほどは強くない、「言われてみれば少しめまいがします。」というような方は少数あります。急性低音障害型感音難聴の原因は蝸牛の内リンパ水腫と考えられていますが、そうであれば前庭(内耳のうち平衡感覚を司るところ)にも内リンパ圧の上昇が起こることは考えられますから、軽度のめまい感や回転性めまいでも短時間で軽いものは、今回は急性低音障害型感音難聴例に含めて集計しました。

次のグラフは、主訴(一番困る症状、受診のきっかけとなった症状)の割合です。やはり耳閉感が一番多くて60%、耳鳴がその次で21%、3番目が難聴で13%という結果でした
やはり耳閉感が一番多くて、難聴は意外と少ないという結果でした。
今回の集計で、耳閉感が急性低音障害型感音難聴では、症状としても主訴として最も重要ということがわかりました。もちろん耳閉感を訴える方の全てがこの疾患というわけではないのですが、急に起こった耳閉感で受診した患者さんで、外耳道や鼓膜には異常のない場合には、やはり急性低音障害型感音難聴の可能性も高いということを考えるべきだと思います。その際、耳管中耳カタルだとか、耳管狭窄、耳管開放症などの耳管のトラブルと、自律神経失調症などでも耳閉感が症状として現れる場合がありますので、その区別が難しいケースもあるかと思います。
さて、急性低音障害型感音難聴の集計についての話しの2回目は、この辺でとりあえず終わりにします。
今後も時々写真ネタなどをはさみながら、もう少しこの話しも続けていきたいと思います。
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低音障害型感音難聴は、突発性難聴の一つのタイプと以前には考えられていましたから、突発性難聴と診断名を告げられることは,現在でも多いと思います。
低音障害型感音難聴であれば、ストレスと同時に、病気に対して不安を持つことも大敵です。

なんだか じわっとメニエール病になってしまっているようです。聴力が下がって 気圧の変化で耳がおかしくなって、ふわっと身体が ゆれたりします。
先生は ひょっとしてメニエール病の初期段階かもしれないからね。急に発作が出るかもしれないから、用心だけはしておいてね。って言われました。まず、慌てないこと、横になって休む事。その二つがたいせつです。とおっしゃいました。不安は尽きませんが
自分を信じて、生活改善して行きます!