iPhone & iPod touchが耳鳴の治療器具に!
2010年 01月 01日
iPhoneアプリはiTunesというMacユーザならおなじみのソフトから、iTunes storeに行けばダウンロードできます。毎日多くのアプリケーションがアップロードされていますから、iPhone & iPod touchのユーザなら時々除いてみることをお勧めします。
さて今日ご紹介するのは、Tinnitus Maskerというアプリです。tinnitusは耳鳴のこと。maskerというのは覆い隠すものということで、要するに音(ノイズ)を聞くことによって耳鳴を軽減しようとするものです。左のダイアルでノイズの種類を、右のダイアルでノイズの流れる時間を設定します。それからボリュームもセットして、後はイヤホンかヘッドフォンを装着するだけです。
そもそも、耳鳴の治療法としてマスカー療法というのがありまして、それは専用の雑音(マスカー)発生装置を使って耳鳴が消える音色、音量の音を一定時間聞くことによって耳鳴を消失させようという治療法です。ただし、専用の雑音発生装置は外国産でして日本では販売しておらず、そのため日本国内では普及しませんでした。
その後、耳鳴の治療としてはTRT(tinnitus retraining therapy)といってカウンセリングで耳鳴に対する過度の不安感や誤解を解きつつ、耳鳴をかき消さない程度のノイズを特製の耳かけ補聴器型の装置で聴いてもらう方法が注目されるようになってきました。しかし、この治療法で使われるサウンドジェネレイター(いわば雑音発生装置)も日本での発売は中止されていましたし、元々6万円以上して健康保険も使えませんでしたから、購入した人は少数と思います。
従来からあるマスカー療法と最近注目のTRTの一番の違いは、カウンセリングの有無と雑音の音量ですが、雑音を聞くことによって耳鳴を聞こえにくくするということは共通してます。いずれも有効とはいわれつつも、実はその割には普及していません。普及へのハードルとなっているのは専用の治療器具(雑音を派生させる装置)が高価で、しかも正規に輸入されておらず入手しづらいことです。
このiPhoneアプリは、音量の調節にコツがいるようで欠点もあるのですが、6万以上もする専用のサウンドジェネレイターの代用になる可能性があります。iPhoneあるいはiPod touchをお持ちの方なら、わずか700円でダウンロードして使えるというのは大きいと思います。
ただし、耳鳴の診断やカウンセリング、治療の実際に対するアドバイスとして、耳鼻科医師の助言は仰ぐべきと思います。耳鳴で悩む方はいきなりこのアプリを使うというよりは、まずは(耳鳴の治療に積極的な)耳鼻科を受診して相談してみることが必要と思います。ただし、いきなり「こういうアプリを使ってみたいのですが・・・」といっても直ぐに理解出来る耳鼻科医は残念ながら少数ですし、何しろ専用の治療器具と違いデータも少ないと思われます。幸い主治医が耳鳴の音響療法に積極的で、このアプリを知っていて、なおかつご本人がiPhoneもしくはiPod touchをお持ちなら、試す高価はある治療法かと思います。
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最近では、ティニトレアTT(HA)なんていうのも出てきて
さてさてどうなるんでしょうか???まぁ、こういう物って、
限られた大きな病院しか取り扱ってもいないので、
耳鳴りに悩んでいる方の手の届きやすいものではないような気もします。価格どうこうというよりも、どこに行けばよいのか、
分からない方は多いのではないでしょうか?
販売再開の件、知りませんでした。ちょっと検索して必要な方が
あった時に備えたいと思います。
まあ、開業医ですとあまりややこしくなった耳鳴りの方はいらっしゃらないの
ですが、病院ですとTRT療法の適応となる方は数名ぐらいはいるんじゃないかと
思っています。ただ耳鼻科の間でもあまり浸透していないのが現状です。
もっと広まってもいい治療法ですが、カウンセリングに時間が割けないという
のが一番の問題かも知れません。
コメント欄だと文字数も限られますので、近いうちに、耳鳴アプリの使い方について記事を書きます。少しだけお待ち下さい。