診療報酬の明細書発行を開始しました

最近何かしらの病気や怪我などで医療機関を受診した方は、診療の内容が細かく書いてある「明細書」なるものを渡されたのではないでしょうか?
これは突然始まった制度でして、とにかく患者さんが「要らないよ。」と言わない限り医療機関は原則的に明細書を渡さなければならなくなりました。決まったのが3月で4月1日からは渡す態勢にしなければならず、レセコンの対応やらもありますから、もう少しバタバタせずに対応できるよう配慮して欲しいところ。

それはさておき、この制度には(まあ新しい制度は必ずそうですが)メリットもデメリットもあります。
メリットとしては、一番のメリットとしては医療の透明化ということがあげられると思います。患者さんの側からするとやってもいないことを請求されているんじゃないかという不信感が払拭されるかも知れませんし、医療機関の側からすると、痛くもない腹を探られるようなことも無くなるということは、良いことだと思います。また患者さんの側も医療機関の側もコスト意識をより強く持つようになるでしょうから、無駄な検査や治療は減ってくるものと思われます。(おそらく国の狙いはここ、すなわちコスト削減にあるのでしょう。)
デメリットは何といっても、診療報酬の内容を理解していただくのに時間と労力が削られてしまうことです。診療報酬というのは仕組みが複雑怪奇でありまして、医者はもちろんのこと優秀な医療事務職員でも細かいところまで把握するのが難しいほどです。ただでさえどこの医療機関も充分な診療時間が取れずに、「3時間待ちの3分診療」なんて揶揄されているのに、その上、明細書の内容について説明を求める人が増えれば、現場は混乱することでしょう。

診療報酬の仕組みが矛盾だらけだったり複雑怪奇だったりするのは、何も現場の医者の責任ではありません。でも何か聞かれたら、それはある程度医者が説明しなくてはいけないのでしょう。でもいちいち説明していたのでは診療が回らなくなってしまいます。何か良い方法はと考えていますが、とりあえず今できそうなことといえば、初診、再診料がどのように決定されるのかとか、耳鼻科の処置や手術など明細書に上がってきそうなものについての解説を作っておくのが良さそうです。それをプリントしたものを用意したり、このブログや医院のサイトに載せておくのが診療報酬の仕組みを知ってもらうには有効のように思います。

ということで、耳鼻科外来診療関係だけですが、今後診療報酬についても解説していきたいと思っています。興味のある方は、また覗いてみて下さい。

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by jibikai | 2010-04-05 09:01 | Comments(0)

山形市の耳鼻咽喉科 あさひ町榊原耳鼻咽喉科  院長のブログ


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