風邪は人にうつすと治るというのは本当か?

e0084756_17432612.gif今日は巷でささやかれる噂、「風邪は人にうつすと治る。」っていうのは本当かというお話。

この話をする前に、まずは風邪って何だということについて考えてみましょう。風邪っていうのは、ウイルス(時に細菌)が鼻や咽の粘膜から侵入して、そこで炎症が起きて、咽が痛くなったり、鼻水が出たり、咳が出たり、熱が出たりする病気です。よく冷えると風邪を引くとか、乾燥すると風邪をひくとはいうのですが、実はウイルスなどの病原体が身体に入らなければ、風邪はひかないものなのです。

じゃあ、今度は風邪が治っていく過程を考えてみましょう。人間の身体は、風邪にやられっぱなしではありません。侵入してきた病原体に対しては、その情報を分析して対抗策を講じてきます。これが免疫というものなのですが、免疫によって病原体は殺されて徐々に少なくなって、ダメージを受けた粘膜も修復されると風邪が治るわけです。

さてここで「風邪は人にうつすと治る。」って本当か、という話に戻ります。そもそも“うつす”っていう言葉なんですが、これだと自分の中で悪さしている病原体全部が、そっくり集団で他人に引っ越していく様な表現になっています。はたして、そんなことがあるのでしょうか。いくら住みやすそうな新天地が近くにあったとしても、病原体がそっくり引っ越すことなどはないでしょう。増殖した病原体の一部が咳やくしゃみによって空気中に放出されて、それを直接別の人が吸入するとか、あるいは接触などによって侵入して、粘膜で増殖し症状がでてくるのが本当のところです。
少量はいった病原体が、身体の中で増殖して症状が発現するまでの期間が潜伏期間で、病原体の種類によっても違うのですが、おおよそ3日から7日ぐらいのものが多いです。

一方、先に感染していた、すなわち風邪を引いていた人の方はというと、ちょうど同じ日数ぐらいで回復してきますから、あたかも人に全部病原体を引き渡して、治ったかのように感じるんだと思います。

新型インフルエンザがメキシコが流行し始めたのが、ちょうど去年の今頃のこと。その後は、あれよあれよとパンデミックとなったのは周知の通りです。新型インフルエンザへの警戒もありまして、1年前と比べますと、一般の方々のインフルエンザや風邪についての知識も大分豊富になり、「人にうつすと治る。」という牧歌的な説を信じる人も大分少なくなったかも知れません。

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by jibikai | 2010-04-21 19:30 | 耳鼻科全般 | Comments(0)

山形市の耳鼻咽喉科 あさひ町榊原耳鼻咽喉科  院長のブログ


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