耳鼻科都市伝説〜味覚のマッピング〜

耳鼻科都市伝説シリーズ、今日は味覚のマッピングについてです。昔、教科書だったのか図鑑だったのかは忘れたのですが、味によって舌の上で感じる部分が違うという話を読んだことがあります。そのように記憶している方も多いのじゃないかと思うのですが、実はこの話、間違いなのですよ。

その辺のエピソードは医学都市伝説: 味覚分布地図の神話に詳しいのですが、1901年にでたドイツ語文献を英訳する時の翻訳ミスが起源なのですが、そのあとそれが一旦否定されたあと、また肯定され、最終的には1994年にやっと共通認識として否定されたとのことです。
ですからこの時期に既に大人になっていた人は、特に興味を持って調べもしない限り、この説を信じている可能性があるということになります。

実際のところ、味覚は味蕾(みらい)という構造物に味の基となる化学物質が作用することによって神経が興奮して味を感じる仕組みになっているのですが、味蕾には特に塩味担当とか甘み担当という区別はないので、味の種類によって特に敏感な部分が違うと言うこともないのです。

もっともらしく語られ、誰もが真実として信じていたことも、ある時覆されるということもあるものなのですね。

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Commented by midorihc at 2010-04-28 23:40
おばんです。

最近買った2009年5月発行の本に、
甘味、酸味、塩味、苦味、うま味、
それぞれに対応する受容器があり、
最近では、脂肪を検出する受容器も
あるのでは?と報告されている・・・
って、書かれています。
(~_~)う・・・ん、
何が本当なのか、
難しい・・・ですぅ(@_@。
Commented by jibikai at 2010-04-29 00:38
midorihcさん、こんばんは!
味蕾一個について受容体が複数あるのです。
味の種類によって、例えば塩味と酸味はイオンチャンネル、
苦みは細胞膜、というように細胞レベルでの作用部位は違うようです。
Commented by midorihc at 2010-04-29 20:44
おばんです!

そういう意味でしたか(^O^)と思って、
もう一度読んでみましたが・・・
舌にある受容器の分布図が・・・

落ち着いて、
もう一度、読んでみます(@_@。

がんばれ!ワタシ。。。
Commented by jibikai at 2010-04-29 23:36
midorihcさん、こんばんは!
ちょっと言葉が足りなかったのかも知れませんね。
味覚の記事ってこれまで書いていないですし、
今度、イラスト描いてもう少し親切な追加記事を書きたいと思います。
by jibikai | 2010-04-28 22:35 | 耳鼻科全般 | Comments(4)

山形市の耳鼻咽喉科 あさひ町榊原耳鼻咽喉科  院長のブログ


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