耳閉感があって聴力は正常な場合
2010年 06月 06日
一方で耳閉感を主訴とする疾患は他にもありまして、軽微なものですとその鑑別がしばしば問題となります。他に耳閉感を訴える疾患としましては、耳垢栓塞、外耳炎、外耳道異物などの外耳疾患、滲出性中耳炎や耳管開放症などの中耳疾患、内耳疾患としてはメニエール病などがあります。このうちの外耳疾患や滲出性中耳炎などは、視診だけで診断が付くのですが、軽度の耳管狭窄や耳管開放症は視診だけでは判別不能ですし、聴力検査でも異常が出ないことも多いのです。
その場合異常なしとするのか、急性低音障害型感音難聴のごく軽微なケースと考えるのか、軽度の耳管機能障害が潜んでいると考えるのか、あるいは自律神経失調症などの耳以外に原因があるのではと考えるのかは医者によっても大分違いが出てくるところかも知れません。
そのへんの所を明らかにしたいと考えていまして、現在リサーチ中です。


このグラフは当院を耳閉感などで受診された方で急性低音障害型感音難聴が疑われた方の聴力を、症状が片側の方と、両側の方に分けて、高音3周波数の合計を横軸、低音3周波数の合計を縦軸に取って分布を見たものです。いずれのグラフもAの領域が急性低音障害型感音難聴の確実例、BとDの領域が低音域の聴力が正常である例と言うことになります。この領域には軽度の耳管機能障害や自律神経失調症、そして急性低音障害型感音難聴の病態である内リンパ水腫がある例などが混在しているのではないかと考えています。もし内リンパ水腫があれば、この群からどのぐらいの割合で再発してくるのか、あるいは最初は聴力正常でも、再発を繰り返す度に低音障害型感音難聴が顕著となってくる例がないかどうか、ということをちょっと気を付けてみてみようと思っています。
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体調が良くなったのでお邪魔します。
私もたまに耳閉感があるので、興味深く拝見しましたが
やっぱり疲れたときに症状が出るような気もします。
実は結構いらっしゃると思います。体調やストレス、寝不足などで悪くなる
という方も確かに多いのですね。色々な病態が混じっているとは思っていて、
現在ちょっと調査中なのです。
私は耳のことで、耳鼻科へ初めて行ったときは
「風邪がキッカケで耳管狭窄症になったから」でした。
このとき、聴力はどうだったか・・・おぼえていません。
1週間で治りましたが、
1ヶ月後、風邪とかはなく、耳が詰まったような感じがして、耳鼻科へ行きました。すると
「前回のこともあるし、メニエール病かもしれない」と言われました。
それから9年経ちましたが、
「耳閉感」をはっきり意識したのは、この2回だけでした。
耳や、私の意識が「慣れ」てしまって
耳閉感を感じられないのかもしれませんが・・・。
今も「あのような、はっきりとした耳が詰まった感じ」は、
戻ってくることがありません。
自声強聴があるときには、違和感を感じる程度です。
今日の大阪は雨です。
涼しくていい感じです。
