聴神経腫瘍
2010年 06月 26日
特に問題になるのは、一側性の感音難聴、耳鳴、めまいを起こす疾患は他にもいろいろありますので、その中から聴神経腫瘍をいかに見つけるかということになります。

今回は片側の難聴で発症した聴神経腫瘍の例を紹介します。(ネットでデータを紹介することについては本人の了解を得ています。)
患者さん中年の男性、職業は建設業です。右難聴を健康診断で指摘されており,自覚もあったため来院されました。

初診時の聴力です。両感音難聴なのですが、左右差があって、右の2,000 Hzが谷型に下がっているのが気になりました。
MRIでわずか3.8 mmの腫瘍が見つかりました。

しかし腫瘍は非常に小さいので、手術等積極的な治療は行わずに経過観察という方針になりました。
今回3年ぶりに来院。聴力が今年になって急に低下、補聴器を試してみたいとのこと。
聴力検査もしてみますと、両耳で難聴の進行があるのですが、右は高度難聴となっておりました。

聴神経腫瘍は最近ではMRIの普及によって、この例と同じく小さいうちに腫瘍が見つかるケースが増えていると思われますが、治療法はまたいずれ述べたいと思いますが、それぞれ一長一短あること、良性腫瘍なのでむしろ経過観察だけにとどめた方が良いことなどもあり、その辺が難しい疾患といえると思います。
また聴力に左右差があるからと言って必ずしも聴神経腫瘍が隠れているわけではないのですが、時にこういったケースがありますので、健康診断で難聴を指摘されて、特に左右で違う場合などは特に耳鼻科を早めに受診することをお勧めします。
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まさしくそれが当てはまる事例ですね。
更にこのようなオージオグラムの場合よく「聞こえが悪いほうに補聴器を」と言われるのですが、語音明瞭度が良いほうに補聴器を装用することが良い結果に繋がったりします。
これから補聴器をという方向けにも役立つ情報をありがとうございました。
2 kHzあたりが皿形に落ちてるのは、まず耳鼻科でも診てもらうよう
勧めていただくとありがたいと思います。
それから語音聴検は、身障の等級にも関係しますし、補聴器を希望して
来院された方には全例やるように心がけていますが、装用耳の決定は
微妙なこともありますよね。その場合「聞き比べて,良い方に。」って
書いてしまうわけですが。
いずれにしても、耳鼻科と販売店が良い協力関係にあるのが、ユーザーの
利益に繋がると思いますね