良性発作性頭位めまい症
2010年 06月 29日
しかし、めまいの中に占める割合としては脳梗塞や脳出血はそう多くはありません。最も多いのは良性発作性頭位めまい症といって、内耳の三半規管の一過性のトラブルによるものです。
良性発作性頭位めまい症は、突然起こる回転性めまい(自分がぐるぐる回る感じ、天井や周りの景色がぐるぐる回る感じ)が主症状であり、難聴や耳鳴は伴いません。めまいの起こり方は非常に特徴的であり、振り向いたり寝返りを打ったり、起き上がったりと、顔の向きを急に変えたることがきっかけで起きます。めまい発作は数秒程度と短く、めまいの起こる動きも何度か繰り返すことにより、めまいはだんだんと起きなくなります。半規管の内腔へ結石が迷入すると、顔の向きを変えたり頭を動かしたときに、半規管の中では本来起こるべき方向とは異なるリンパの動きが生じて、いわばセンサーの誤作動が生じるようになるのが原因。ただし、いずれ結石はリンパの動きに影響を与えない部分に移動するので、後遺症も残さずに治ります。
かつては鎮暈剤(ちんうんざい;めまい止め)などの薬物療法が主流でしたが、近年は頭部を少しずつ回転させることにより、結石を半規管から追い出そうとする理学的療法(Epley法など)が行われるようになってきています。
これは寝た状態で頭を少し下げて、まずはわざとめまいのする方向に頸を捻ってもらいます。徐々にめまいや眼振は無くなってきますから、少し頸は後ろにそらしたまま、正面、反対側へ頭を回転していきます。反対側を向いたら、そのまま上半身を起こして頭を下げた状態を少しの間保って、治療は終了です。
一応下に動画を紹介しておきますが、これは自分や家族がやるものではなく、耳鼻科でやってもらうべき治療法です。もちろん、良性発作性頭位めまい症以外には効きませんのでご注意を。
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先日たまたまメ病とBPPV合併している方を診ましたが、特に
合併しやすいということはなさそうですね。
Epley法は今やめまいを診るなら必須の項目になっています。