補聴器と集音器の違いは?
2010年 12月 01日
補聴器専門サイトを立ち上げようかと画策中でありまして、そのなかにいわゆるFAQ 、「よくある質問とその答え」のコーナーを設けようかと思ってます。
その下準備も兼ねて、今日は補聴器と集音器の違いについて書いてみます。
補聴器は身体に装着して、難聴者が音を増幅して聞くこと を可能とする医療機器です。医療機器であるからには、効果や安全性については基準があって製品ごとに認定を受けなければ、製造販売が出来ません。また、製造業者や販売業者についてもある一定のレベルを満たすように届け出や認定を受ける義務があります。
いいかえれば、補聴器はこうしたハードルをクリアすることによって効果と安全性が保たれているということになります。一方、補聴器以外の音を増幅できるとうたった「集音器」、「助聴器」 等の名称の商品は医療機器ではありません。しかも難聴者を対象とした商品でもないのです。にもかかわらず、形状や機能が補聴器と酷似しており、難聴者が目的等を誤認して使用してしまう可能性がある、といいますか、誤解するような広告の仕方、販売の仕方をしている業者が多いのです。
補聴器の機能としては、単に音を大きくするだけではなく、個人個人によって異なる聞こえに合わせること(フィッティング)できる、過度に大きな音が出ないように制限がかかるようになっている、会話音を聞きやすくする、などあるのですが、集音器や助聴器といわれる機器はそういった基本性能が保証されていません。
こういった機器を使うことによって健康被害が出ることも問題ですし、補聴器と混同されるような形で売られていることも問題です。日本耳鼻咽喉科学会では厚生労働省、経済産業省下の各機関へ、集音器などについても一定の基準を設けること、難聴者が誤って使うことのないよう指導を徹底するよう要望を出しています。しかし残念ながら、事態はいまだ改善されておらず、ネットや通販では集音器などが補聴器と混同されるような形で、さらにひどい業者になると補聴器よりも優れた機器として売られているケースが見られます。
せめてこのブログの読者の方には良心的でない業者にだまされることのないよう、正しい知識を持っていただきたくて、この記事を書きました。補聴器専門サイトにつきましても、こつこつと作っておりますので、また応援よろしくです。
この記事は集音器と補聴器==========================
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その下準備も兼ねて、今日は補聴器と集音器の違いについて書いてみます。
補聴器は身体に装着して、難聴者が音を増幅して聞くこと を可能とする医療機器です。医療機器であるからには、効果や安全性については基準があって製品ごとに認定を受けなければ、製造販売が出来ません。また、製造業者や販売業者についてもある一定のレベルを満たすように届け出や認定を受ける義務があります。
いいかえれば、補聴器はこうしたハードルをクリアすることによって効果と安全性が保たれているということになります。一方、補聴器以外の音を増幅できるとうたった「集音器」、「助聴器」 等の名称の商品は医療機器ではありません。しかも難聴者を対象とした商品でもないのです。にもかかわらず、形状や機能が補聴器と酷似しており、難聴者が目的等を誤認して使用してしまう可能性がある、といいますか、誤解するような広告の仕方、販売の仕方をしている業者が多いのです。
補聴器の機能としては、単に音を大きくするだけではなく、個人個人によって異なる聞こえに合わせること(フィッティング)できる、過度に大きな音が出ないように制限がかかるようになっている、会話音を聞きやすくする、などあるのですが、集音器や助聴器といわれる機器はそういった基本性能が保証されていません。
こういった機器を使うことによって健康被害が出ることも問題ですし、補聴器と混同されるような形で売られていることも問題です。日本耳鼻咽喉科学会では厚生労働省、経済産業省下の各機関へ、集音器などについても一定の基準を設けること、難聴者が誤って使うことのないよう指導を徹底するよう要望を出しています。しかし残念ながら、事態はいまだ改善されておらず、ネットや通販では集音器などが補聴器と混同されるような形で、さらにひどい業者になると補聴器よりも優れた機器として売られているケースが見られます。
せめてこのブログの読者の方には良心的でない業者にだまされることのないよう、正しい知識を持っていただきたくて、この記事を書きました。補聴器専門サイトにつきましても、こつこつと作っておりますので、また応援よろしくです。
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はじめまして。
参考になるブログ拝見しています。
ありがとうございます。
少々、疑問があるのです。
4週間ほど前から、風邪で耳管が炎症を起こして両耳の耳管閉塞になってしまいました。
右耳に軽い中耳炎を起こしましたが、「軽度なので抗生剤は必要無い」との医師の指示でしたが、3日ほどで中耳炎は治りました。
そこそこ、症状は緩和されてきましたがまだ、閉塞感と鼓膜の動く音が聞こえて気持ちが悪い症状が続きます。
この耳管炎による閉塞状態ですが、抗生剤で治すことは出来ないでしょうか?
医師(耳鼻科医)は、
「喉の炎症も無いし副鼻腔炎もないから、抗生剤は必要ない」との考えのようです。
咳もでますし、薄い黄色の痰もでるのですが困ったものです。
抗生剤の乱用は確かにいけないのでしょうけど・・・
ちなみに熱は、ずっと平熱です。
抗生剤の処方に関してはどのような見解でしょうか?
参考になるブログ拝見しています。
ありがとうございます。
少々、疑問があるのです。
4週間ほど前から、風邪で耳管が炎症を起こして両耳の耳管閉塞になってしまいました。
右耳に軽い中耳炎を起こしましたが、「軽度なので抗生剤は必要無い」との医師の指示でしたが、3日ほどで中耳炎は治りました。
そこそこ、症状は緩和されてきましたがまだ、閉塞感と鼓膜の動く音が聞こえて気持ちが悪い症状が続きます。
この耳管炎による閉塞状態ですが、抗生剤で治すことは出来ないでしょうか?
医師(耳鼻科医)は、
「喉の炎症も無いし副鼻腔炎もないから、抗生剤は必要ない」との考えのようです。
咳もでますし、薄い黄色の痰もでるのですが困ったものです。
抗生剤の乱用は確かにいけないのでしょうけど・・・
ちなみに熱は、ずっと平熱です。
抗生剤の処方に関してはどのような見解でしょうか?
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mey-3さん、ようこそ!
抗生剤については以前書いたエントリー「風邪と抗生剤」tp://jibika.exblog.jp/13261482(頭にhtを追加して下さい。)をご参照下さい。
もう一つ耳鼻科領域で例外的抗菌剤を使う治療としては、副鼻腔炎に対するマクロライド少量長期療法があります。これは抗菌作用に期待というよりも、マクロライドという抗生剤のもつ、粘膜修復機能とか、分泌抑制作用とか、抗炎症作用で副鼻腔粘膜を正常化しようというものです。副鼻腔炎やそれに続発した滲出性中耳炎に対して行います。
ついでに言えば、あくまでも一般論ですが、閉塞感と鼓膜の動く音と言いますと耳管開放症も疑われるかなと思います。耳管開放症については「鼻すすりは止めましょう」tp://jibika.exblog.jp/13307663(同じくht付けてください。)をご覧ください。
抗生剤については以前書いたエントリー「風邪と抗生剤」tp://jibika.exblog.jp/13261482(頭にhtを追加して下さい。)をご参照下さい。
もう一つ耳鼻科領域で例外的抗菌剤を使う治療としては、副鼻腔炎に対するマクロライド少量長期療法があります。これは抗菌作用に期待というよりも、マクロライドという抗生剤のもつ、粘膜修復機能とか、分泌抑制作用とか、抗炎症作用で副鼻腔粘膜を正常化しようというものです。副鼻腔炎やそれに続発した滲出性中耳炎に対して行います。
ついでに言えば、あくまでも一般論ですが、閉塞感と鼓膜の動く音と言いますと耳管開放症も疑われるかなと思います。耳管開放症については「鼻すすりは止めましょう」tp://jibika.exblog.jp/13307663(同じくht付けてください。)をご覧ください。

先生、アドバイスありがとうございました。
「風邪と抗生剤」拝見しました。
今週の月曜日に内科を受診しました。
その結果、採血・胸部レントゲンともに異常無しでした。
内科の医師が、
「検査結果は異常無いようですが、咳がでるようなのでマイコプラズマなんかになったらやっかいなので、念のため抗生剤をだしときますね」
と言われ、クラリスとアストミンを処方していただきました。
ただ、本当にこの薬を飲んでも良いのか?っと言う疑問にかられ、現在のところ咳止めのアストミンだけ飲んでいます。
クラリスは迷いがあったので飲んでいません。
確かに、咳も出るし、痰が多少黄色い時があるのですが・・・
ひょっとして、薄い黄色の痰と思っていたのは、鼻水だったりして・・・
どちらにしても、熱もありませんし副鼻腔炎でも無いし、抗生剤を飲む事には非常に抵抗があります。
耳管開放症に関しては、、耳鼻科の医師が
「風邪による耳管炎で一時的に耳管の機能が悪くなっているだけです」
っと言っていたので、納得半分というところです。
開業医では、設備の都合上、耳管開放症の検査が出来ないのでしょうか?
「風邪と抗生剤」拝見しました。
今週の月曜日に内科を受診しました。
その結果、採血・胸部レントゲンともに異常無しでした。
内科の医師が、
「検査結果は異常無いようですが、咳がでるようなのでマイコプラズマなんかになったらやっかいなので、念のため抗生剤をだしときますね」
と言われ、クラリスとアストミンを処方していただきました。
ただ、本当にこの薬を飲んでも良いのか?っと言う疑問にかられ、現在のところ咳止めのアストミンだけ飲んでいます。
クラリスは迷いがあったので飲んでいません。
確かに、咳も出るし、痰が多少黄色い時があるのですが・・・
ひょっとして、薄い黄色の痰と思っていたのは、鼻水だったりして・・・
どちらにしても、熱もありませんし副鼻腔炎でも無いし、抗生剤を飲む事には非常に抵抗があります。
耳管開放症に関しては、、耳鼻科の医師が
「風邪による耳管炎で一時的に耳管の機能が悪くなっているだけです」
っと言っていたので、納得半分というところです。
開業医では、設備の都合上、耳管開放症の検査が出来ないのでしょうか?

先生、追伸です。
「鼓膜の音が聞こえる」っと書きましたが、正確には、「意識的に、鼓膜の耳抜きをやるような顎の動かし方を上下にやると鼓膜の動く音がする」
と言う事です。
あと、唾を飲み込んでも鼓膜の動く音がします。
と言うか、鼓膜の動く感じがします。
これも、耳管開放症の症状なのでしょうか?
ちなみに、外部の音や自分の声がこだまするような事はありません。
「鼓膜の音が聞こえる」っと書きましたが、正確には、「意識的に、鼓膜の耳抜きをやるような顎の動かし方を上下にやると鼓膜の動く音がする」
と言う事です。
あと、唾を飲み込んでも鼓膜の動く音がします。
と言うか、鼓膜の動く感じがします。
これも、耳管開放症の症状なのでしょうか?
ちなみに、外部の音や自分の声がこだまするような事はありません。
mey-3さん、耳管開放症の検査は、鼓膜の視診と鼓膜の動きを見る検査、
聴力検査、場合によっては鼻咽腔ファイバなどですから、開業医でも
出来るものばかり。ただし、全例何かしらの異常所見が出るかというと
そうでもないので、実は問診が一番大事だったりしますし、医者によっては
耳管機能不全として、開放症も閉塞によるものも一括りにする方もあるかも
知れません。
聴力検査、場合によっては鼻咽腔ファイバなどですから、開業医でも
出来るものばかり。ただし、全例何かしらの異常所見が出るかというと
そうでもないので、実は問診が一番大事だったりしますし、医者によっては
耳管機能不全として、開放症も閉塞によるものも一括りにする方もあるかも
知れません。

先生、こんばんは。
いつも、お世話になっています。
ちょっと、疑問に感じた事があります。
それは、昨夜の事です。
寝ようと思い、布団に入った瞬間に、
「えっ・・・、何この音?」
っと思い、何か外から音が漏れて聞こえているのかと思いましたが、違いました。
どうやら、私の耳からというか脳からというか、
耳鳴りのような「ツーン」というか「キーン」というか「サー」というか、とにかく静かなところで、微かに聞こえる音がしました。
よくよく考えると、普段から静かなところで感じているようでした。
以前は、全く気にしなかったのですが、気にし出すともう、気になって気になって良く眠れません。
普段の生活音の中では全然気にならないのですが、静かな所だと、まるでその音を探すかのように気になり出して聞こえてきます。
これって、いわゆる耳鳴りってやつでしょうか?
午前中に、総合病院の耳鼻咽喉科で聴力検査とティンパノメトリーと咽頭ファイバースコピーとか言うのを検査したばかりです。
検査結果は、耳管狭窄症でも耳管開放症でも無いようでした。
この耳鳴り?は、ティンパノメトリーの検査障害でしょうか?
いつも、お世話になっています。
ちょっと、疑問に感じた事があります。
それは、昨夜の事です。
寝ようと思い、布団に入った瞬間に、
「えっ・・・、何この音?」
っと思い、何か外から音が漏れて聞こえているのかと思いましたが、違いました。
どうやら、私の耳からというか脳からというか、
耳鳴りのような「ツーン」というか「キーン」というか「サー」というか、とにかく静かなところで、微かに聞こえる音がしました。
よくよく考えると、普段から静かなところで感じているようでした。
以前は、全く気にしなかったのですが、気にし出すともう、気になって気になって良く眠れません。
普段の生活音の中では全然気にならないのですが、静かな所だと、まるでその音を探すかのように気になり出して聞こえてきます。
これって、いわゆる耳鳴りってやつでしょうか?
午前中に、総合病院の耳鼻咽喉科で聴力検査とティンパノメトリーと咽頭ファイバースコピーとか言うのを検査したばかりです。
検査結果は、耳管狭窄症でも耳管開放症でも無いようでした。
この耳鳴り?は、ティンパノメトリーの検査障害でしょうか?
mey-3さん、まずティンパノメトリーで耳鳴が起こることは、まずほとんどないと
考えます。耳鳴につきましてはいろいろ書いていますので、検索ウインドウに
「耳鳴」と入力して関連記事をごらんいただければ幸いに存じます。
考えます。耳鳴につきましてはいろいろ書いていますので、検索ウインドウに
「耳鳴」と入力して関連記事をごらんいただければ幸いに存じます。

ありがとうございました。
「耳鳴り」の関連記事を良く読んでみます。
しかし、咽頭ファイバースコピーで、耳管開放症の判別ができるのですね?
てっきり、耳管機能検査の機器を使わないと判別不可能かと思っていました。
「耳鳴り」の関連記事を良く読んでみます。
しかし、咽頭ファイバースコピーで、耳管開放症の判別ができるのですね?
てっきり、耳管機能検査の機器を使わないと判別不可能かと思っていました。
mey-3さん、咽頭ファイバーはあくまでも補助診断です。耳管咽頭口といって耳につながる管の出入り口が上咽頭にあるのです。そこがガバッとあいていれば、耳管開放症の可能性が高まりますが、正常のことの方が多くこれだけでは何ともいえません。
ですから、ティンパノメトリーなど鼓膜の動きを見る検査や、鼓膜所見と組み合わせて判断していきます。さらには検査以上に特徴的な症状がないか、問診が重要です。
ですから、ティンパノメトリーなど鼓膜の動きを見る検査や、鼓膜所見と組み合わせて判断していきます。さらには検査以上に特徴的な症状がないか、問診が重要です。

怒らないでくださいね。「補聴器」をはじめ医療機器って「官・医・メーカー」の癒着とエクスキューズの構図があるように感じます。「医療機器なら保険がきく」と言うのでしょうが、それでン十万じゃ保険もへったくれもありません。ユーザーの事などほとんど考えていないように見えてしまいます。
お医者さんって「xxになるよりいいでしょう?」というスタンスですね。
お医者さんって「xxになるよりいいでしょう?」というスタンスですね。
by jibikai
| 2010-12-01 23:38
| 耳のはなし
|
Comments(11)