通信販売の補聴器はお得か?
2010年 12月 06日
補聴器は各人の聞こえやニーズに合わせて、機種を選んでそれを調整(フィッティング)して初めて使えるものとなります。工場から出荷された補聴器というのは完成品とはいえません。フィッティングをしてはじめて役に立つものとして機能するのです。ちなみに補聴器店では通常フィッティングの料金を別に請求することはありません。ですから、補聴器の料金というのはフィッティングの料金込みのものと理解いただくとよろしいかと思います。
さらには、補聴器の機能を最大限に引き出すためには、耳の中に入る部分(耳栓といいます)をイヤーモールドといって個人個人の耳型を採って作った方がいい場合が多いです。イヤーモールドは、より安定した装着や出力を得るため、音漏れとそれによるハウリング(ピーピー音)を防ぐために有効です。通販ではイヤーモールドを作ることも困難ですし、耳栓を数種類用意して使用者本人に選んでもらうのが関の山です。イヤーモールドが必要でも作れない、これも通販の大きな問題の一つです。
事実、独立行政法人 国民生活センターによりますと、通販による補聴器販売に対する消費者からの相談件数が、補聴器全体の件数の35%を占めること、通販で売られていた補聴器や集音器の機能を調査したところ、機能的に問題のある銘柄がいくつかあったとのことです。
たとえ安くても使えないのでは何ともなりません。通販の補聴器は、例外なくお勧めできものではありません。
参考サイト:通信販売の補聴器等の安全性や補聴効果-販売サービスに関する調査も含めて-
Nagoya × Rionet Hearing Aid 補聴器選びはお店選び
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とはいえ、安い通販に目が行ってしまう心理はわからなくもないのですが、上記のように機能に問題を抱えているものが多いのが現状です。
私もフィッティングの重要性をもっと公開してゆかなければなりませんね^^;
医療機器としての縛りを設けたからには、行政が販売形態についてももう少し監督、指導すべきところと思うのですが残念ながらそうなってはいないのが実情のようですよね。集音器が難聴の方に使われていて、補聴器と混同されている問題もそうですが、繰り返しアナウンスしていくしかないと思っています。
貴ブログの記事にTBさせていただきましたので、よろしくです。
農協に加入しており、補聴器の説明会・販売会のご案内をいただいたのですが、足腰が悪くて行けないため、残念に思っておりました。
そのようなご意見があったからか、補聴器会社の方が、出張販売を行ってくださる機会があり、祖母も補聴器を手に入れることが、できました。
イヤーモールドもとっていただきましたよ。
通信販売の補聴器・集音器は、「身体的なご事情で補聴器を買いに行けない」という高齢の方には、魅力的に映ってしまうのではないでしょうか?
ご家族へ「通販の補聴器を利用すること」のデメリットや、「補聴器を手に入れることがゴールではない」ということをご理解いただき、補聴器を手に入れるまで~手に入れてから会話に慣れるまで、のご協力をいただくことも、大切ではないでしょうか?

私も一度鼓膜が破れて聞こえなかった時期がありまして、お手軽な通販のものはどうだろうかと眺めたりしていました。
もちろん片方は聞こえていたし、医者も補聴器はいらないと言うので実際は手を出しませんでしたが・・。でも何も知識がないと危ないですね。
さてこのページではないのですがHP内の「聴力検査とは」を読ませていただきました。(耳のことに興味があって普通に色々検索しているとよく先生のページに行き当たります。)
表の見方が分かりやすく説明されていて大変助かりました。
どこの器官に問題があって難聴になっているのか、そのグラフの特徴なども載っていて分かりやすかったです。
そこでこんなグラフ例は載っていなかったので、こんな場合はどうだろうかと思って質問です。
右耳はいずれも正常値。
左耳は気導では4000・8000あたりが60dB以上と悪く、2000だけは25dBとまずまずで、1000以下も40,50あたり。
しかし左の骨導はどの周波も10~20dBと良い。
鼓膜は正常。異物なし。
そんなグラフってありますか?差し支えなければ一般論として教えていただけると助かります。
左の山型伝音性難聴と言うことになろうかと思います。骨導が正常なので内耳の働きは正常と考えられます。鼓膜が正常だとすると、耳小骨のあるいは耳小骨から蝸牛への伝音系の何かしらのトラブルが考えられるかと思います。

なるほど。内耳は大丈夫で、鼓膜も大丈夫なのに・・と思っていたら、耳小骨あるいは耳小骨から蝸牛への伝音系トラブルの可能性があるのですね。それは思いも寄らなかったです。
もう一つ、耳の管のトラブルの可能性はいかがでしょう?太鼓の張りが悪いイメージなんですが。


その結果の数値が「聴力レベル」のグラフと違っています。(右気導全部-10 左気導2000までは-10・4000は60・8000は65 左骨導2000までは全部40・4000は60)
「聴力レベルのグラフ」で見るより、こちらの方が骨導が悪いのですが、こちらの方が正確な数値ということなのでしょうか。
でしょう。ですから閾値とは違います。

なかなか詳しく分かりやすい説明をしているところがなくて、色々質問させていただいちゃいました。これでこれからグラフをいただいても意味が分かります。
耳鼻科で色んな検査をしてもらっていますが、何の何を調べる検査をしているのか、こうして患者にも分かってくると、あぁ心配なところをちゃんと調べてくれているんだナと安心します。
今日の語音検査のお話も興味深かったです。また読みにきます!
聴力検査の結果を見せられてもいっぺんに理解できる方は
少ないかと思います。でも、医者任せにしないで自分の
聴力を把握するのは大事なことだと思います。
このブログの記事が少しでも参考になったのであれば
幸いに思います。