良性発作性頭位めまい症(BPPV)
2011年 09月 23日
良性発作性頭位めまい症は、めまいの原因としては一番多いものです。特徴として、横になった時や寝返りを打った時など、頭の位置が変わった刺激によって起こり、比較的短時間でおさまる回転性のめまい(自分がぐるぐる回る感じ、あるいは周囲がぐるぐる回る感じ)であるということが言えます。しかも、繰り返しめまいの起こる姿勢になることを繰り返していくと,めまいは軽くなっていきます。
回転性のめまいの原因として有名なものにメニエール病がありますが、こちらは持続するめまいですし、難聴や耳鳴りを伴うという違いがあります。
めまいの原因というのはいろいろ検査しても分からないものあるのですが、良性発作性頭位めまい症でめまいの起こるメカニズムはかなり細かく分かっています。トラブルを起こす三半規管は前半規管や外側半規管のこともありますが、一番多いのは後半規管ですので、今回は典型的なパターンをイラストを使って説明したいと思います。
良性発作性頭位めまい症で最初に起こることは起こるのは、半規管内に結石ができる、あるいは卵形嚢の中にもともとある、耳石が迷いこむことです。
例えば座った状態から仰向けになったとしましょう。
頭が後に回転することに伴って、重力により耳石はコロコロと下へと転がり落ちます。
このとき半規管内にあるリンパ液も一緒に動きます。リンパ液の動きはさらに感覚毛の上に乗っかっているクプラを引っ張りますから、センサーである感覚毛が揺さぶられてめまいが起こるのです。
良性発作性頭位めまい症の特徴として、頭の回転から一瞬のタイムラグを於いてめまいがすることがあるのですが、それが耳石が転がり落ちるまでの時間と理解されています。
また、横になってじっとしていると数秒から長くても数十秒でめまいがおさまるのも、耳石のポジションががおさまるところにおさまったものとして説明がつくのです。
今回の話、ちょっとややこしかったでしょうか?三半規管は立体的な動きを理解しないとわかりにくいので、イラストで少しでも分かり易く説明してみましたが,静止画だと制約もあるようです。
というわけで、さらにアニメーションも交えた良性発作性頭位めまい症の話を,現在 鋭意製作中です!
完成したらYouTubeに投稿しますので、興味のある方はもう少しお待ち下さい。
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色々な経験が生かされると良いですね!
BPPVでも半規管内の耳石(あるいは結石)の位置により,症状が出たり出なかったりということはあります。
この記事が、少しでもお役に立てたなら嬉しく思います。
めまいの診療は、耳鼻科、脳外科、内科などに領域がまたがりますが、
回転性のめまいで、他に手足の麻痺やろれつが回らないなどの症状がなければ、
まずは、耳鼻科を受診するのがよろしいかと思います。