良性発作性頭位めまい症(BPPV)の理学療法
2011年 09月 26日
原因は三半規管の一時的なトラブルで、しかも後半規管の結石に原因があることが多いということが分かっています。
めまいでは一般的に薬物治療が行われるのですが、この良性発作性頭位めまい症(BPPVともいいます)では、薬を使わず結石を半規管から卵形嚢へ排出へと排出する理学療法が多くの耳鼻科で行われるようになりました。
今回はその原理についてご紹介したいと思います。
文章にするとなかなかややこしいので,今回もイラストを自作してみました。
左のイラストは全身を、右は耳介と後半規管の位置関係を表します。後半規管は側頭部の奥底にあって,もちろん見えないわけですが、実は耳介とおおよそ同じ角度になっていますから、一緒に表すと理解しやすいと思い重ねて描きました。なお、病変は右の後半規管だと仮定しています。左の場合は逆に動かすことになります。
治療はベッドの上,もしくは耳鼻科の診療用の椅子(リクライニング可能)で行います。なお,この治療は自分の家で出来ないこともないかも知れませんが、眼振の出方を確かめながら,耳鼻科で行うのが一般的です。
さて最初は座った状態から、

顔を右に向けて,後に倒れます。この時結石が半規管の中を移動しますから,めまいが起こるのですが、徐々に治まってきます。

そこから頭を後下に倒したまま、少しずつ、左を向いていきます。

頭を後に倒すのは結石を重力により半規管内を下へ下へと導くため。


左を下にしたまま,上半身を起こします。

最後に、頭部を前に下げて数十秒じっとしてもらいます。これで、結石はあっても影響の出ない卵形嚢へ排出と移動します。

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この治療法は、最近10年間ぐらいで大分広まってきました。良性発作性頭位めまい症の方の半数以上には有効だし、1回の治療で治ることも多い画期的な治療法だと思います。
ただし、当然のことながら他のめまいには効きませんから、自分で行うのではなくて、耳鼻科で正確に診断してもらい引き続く治療してもらうのが良いと思います。

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