うがい

今日の新聞や、yahoo! JAPANのニュースに、うがいの効果について記事が載っていました。

京都大保健管理センターの川村孝教授(内科学・疫学)らが全国調査で、水によるうがいをした群と、ヨード液でうがいした群と、うがいをしない群の3群に分けて、風邪にかかったかどうかを調査したところ、水によるうがいでは風邪にかかる率が低下したが、ヨード液によるうがいでは、うがいしない群と風邪にかかる率は変わらなかったとのこと。結論として、水のうがいで風邪の発症率が4割低くなったが、ヨード液のうがいには明確な予防効果はなかったという発表でした。ただし、すでに風邪を引いている人に対して、ヨード液のうがいが有効かどうかは今回の調査ではわからないようです。
 
今回、画期的というか意外だったのは、水によるうがいの方が、ヨード液によるうがいよりも、風邪の予防という面では効果的であったことです。私は印象といいますか、今までの常識からとしても、殺菌効果のあるヨード液の方が、水よりもわずかに効果的なんじゃないかと考えていました。

最近の医療の現場では、EBM ( Evidence Based Medicine)といいまして、医師の経験や慣習などだけではなく、統計学的な手法で、科学的に治療の効果の有無を検討し、より効果的な治療法を選択していこうという動きがあります。おそらく、今回のうがいについての調査も,
evidence(根拠)の一つということになるのだと思います。今まで、経験的に有効と考えられていた治療法も、実は効果がなかったり、逆に有害だったりすることが、今後明らかになるものもあるかも知れません。

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by jibikai | 2005-10-29 15:46 | 耳鼻科全般 | Comments(0)

山形市の耳鼻咽喉科 あさひ町榊原耳鼻咽喉科  院長のブログ


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