花粉症に対する早期治療
2006年 01月 11日
年が明けると、だんだんと憂鬱になってくるのが、スギ花粉症の方なのではないでしょうか。花粉の飛び始める時期は、四国や東海地方が早く、北日本は遅いわけですが、早い地方では、もうすぐです。
花粉が飛び始める時期が同じでも、症状の出始める時期は人によって違います。それは、
花粉症の人の間でも花粉に対する敏感さの度合いが違うためで、非常に敏感な人は、花粉がごく微量に飛んだだけで症状が出ますが、大多数の普通のレベルの敏感さを持つ人は、ある程度花粉が多く飛んでから症状が出ます。
花粉症を含むアレルギー性鼻炎の治療は、薬物療法、減感作療法、手術療法があり、それぞれ一長一短あることは、以前「花粉症緩和米〜あなたは食べたいと思いますか?〜」という記事の中で書きましたが、いよいよ花粉の飛散開始が近づいている時期となっては、薬物療法しか手段の選択はなくなってきました。(北国の方は、手術療法もまだ間に合います。)
で、その薬物療法なのですが、最近は早期治療が有効であるといわれています。これは、症状が出始めてから薬を飲み始めるのではなくて、それよりも少し早めに抗アレルギー薬を飲み始めておくというものです。それは、アレルギー反応は繰り返すごとに雪だるま式に強くなるので、例えるなら、アレルギーの芽が芽生えないようにしてしまおうという考えを元にした治療法です。薬を飲み始める時期は、花粉の飛散開始日と例年症状の出る時期から決めていきますが、先ほどもお話ししましたとおり、人によって症状の出る時期は違いますので、特に毎年症状の出る時期が重要です。毎年症状の出る時期がわかるのであれば、その1〜2週前から抗アレルギー薬を飲むのが、一番良いタイミングです。それより早くても悪くはないのですが、やや不経済です。また、飲むタイミングが遅くなった場合は、十分な効果が得られないことがあります。
この早期治療は、結果的には薬を飲む期間が、従来の症状が出始めて(さらに言うなら我慢しきれなくなるまで待って)から、ようやく薬を飲む治療法に比べて長くなります。したがって、耳鼻科と薬屋の策略と訝られたこともありますが、実際早期治療の方が、従来型の我慢大会型治療法に比べて、有効なのは間違いがありません。当院では開業当初より早期治療を勧めていますが、希望して早めに受診する方が年々増えていることが、有効性の証拠と考えています。いままで、”我慢大会”のようにひどくなるまでひたすら耐えていた方、だまされたと思って、早めに耳鼻科で相談してみてはどうでしょうか。
さらに付け加えなら、耳鼻科での待ち時間も、今なら空いていることが多いので、花粉症のピーク時よりはるかに短くてすみますよ。
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花粉が飛び始める時期が同じでも、症状の出始める時期は人によって違います。それは、
花粉症の人の間でも花粉に対する敏感さの度合いが違うためで、非常に敏感な人は、花粉がごく微量に飛んだだけで症状が出ますが、大多数の普通のレベルの敏感さを持つ人は、ある程度花粉が多く飛んでから症状が出ます。
花粉症を含むアレルギー性鼻炎の治療は、薬物療法、減感作療法、手術療法があり、それぞれ一長一短あることは、以前「花粉症緩和米〜あなたは食べたいと思いますか?〜」という記事の中で書きましたが、いよいよ花粉の飛散開始が近づいている時期となっては、薬物療法しか手段の選択はなくなってきました。(北国の方は、手術療法もまだ間に合います。)
で、その薬物療法なのですが、最近は早期治療が有効であるといわれています。これは、症状が出始めてから薬を飲み始めるのではなくて、それよりも少し早めに抗アレルギー薬を飲み始めておくというものです。それは、アレルギー反応は繰り返すごとに雪だるま式に強くなるので、例えるなら、アレルギーの芽が芽生えないようにしてしまおうという考えを元にした治療法です。薬を飲み始める時期は、花粉の飛散開始日と例年症状の出る時期から決めていきますが、先ほどもお話ししましたとおり、人によって症状の出る時期は違いますので、特に毎年症状の出る時期が重要です。毎年症状の出る時期がわかるのであれば、その1〜2週前から抗アレルギー薬を飲むのが、一番良いタイミングです。それより早くても悪くはないのですが、やや不経済です。また、飲むタイミングが遅くなった場合は、十分な効果が得られないことがあります。
この早期治療は、結果的には薬を飲む期間が、従来の症状が出始めて(さらに言うなら我慢しきれなくなるまで待って)から、ようやく薬を飲む治療法に比べて長くなります。したがって、耳鼻科と薬屋の策略と訝られたこともありますが、実際早期治療の方が、従来型の我慢大会型治療法に比べて、有効なのは間違いがありません。当院では開業当初より早期治療を勧めていますが、希望して早めに受診する方が年々増えていることが、有効性の証拠と考えています。いままで、”我慢大会”のようにひどくなるまでひたすら耐えていた方、だまされたと思って、早めに耳鼻科で相談してみてはどうでしょうか。
さらに付け加えなら、耳鼻科での待ち時間も、今なら空いていることが多いので、花粉症のピーク時よりはるかに短くてすみますよ。
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我慢大会型治療法って、ぴったりなネーミングですね。早めのパブロンならぬ、早めの抗アレルギー剤の有効性をもっと知ってもらいたいですね。
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>中村先生。やっぱりひどくなってからだと、セレスタミンぐらいしか効かなくなってしまっていることが多くて、結局は身体に負担をかけてしまうんですよね。症状を我慢している間のストレスも相当のものと思いますし。啓蒙はしているつもりですが、早期治療はまだまだ一般的でないかもしれません。
今日、なんと、うちのクリニックでも、「毎年、花粉症なので、早めにお薬下さい。」と患者さんがこられました。去年はクラリチンを飲んでよかったとのことでした。先生は、何を処方されることが多いですか。
早期治療の場合、あまり強力なものは必要なく、眠くならないものがよいと思いますので、最近では、クラリチンかアレグラかエバステルですかね。最近クラリチンとエバステルは水なしで飲めるものが出ましたし、1日1回でよいのが利点です。アレグラは1日2回ですが、この中では効き目の強い方です。
クラリチンのOD錠があるんですね。知りませんでした。ありがとうございました。
>ygigantさん、ようこそ。東京だと、2月上旬から、花粉症の用心は必要ですよね。「花粉が飛び始める前からの治療」は、やはり重要ですね。
ぼくはアレグラを前に飲んでいましたがぜんぜん症状が良くなりませんでした。ひとによって効き目にこんなに違いがあるのでしょうか?
>whiteさん。花粉がたくさん飛んで、症状が出てから薬を飲まれたのでしょうか。その場合は、全く効かないというわけではないと思いますが、アレグラだけで完全に症状を抑えるのは、まず無理でしょう。また、早めにアレグラを飲んでいたにもかかわらずひどくなったのであれば、大量に花粉を吸い込んだか、元々のアレルギーが強いなどの要因が考えられます。
アレグラは、数ある抗アレルギー薬全体の中では、中ぐらいの効き目と考えられます。それでダメなら、もう少し強い薬にするとか、ステロイドの点鼻を追加するとか、もし鼻づまりがひどいのなら、別の系統の抗アレルギー薬に変えるなど、を考えなくてはなりません。それでもだめなら、それは薬物療法の限界なので、長期戦の構えで、減感作療法を受けるか、下鼻甲介焼灼術を受けるかなどを考えられた方がいいかと思います。
アレグラは、数ある抗アレルギー薬全体の中では、中ぐらいの効き目と考えられます。それでダメなら、もう少し強い薬にするとか、ステロイドの点鼻を追加するとか、もし鼻づまりがひどいのなら、別の系統の抗アレルギー薬に変えるなど、を考えなくてはなりません。それでもだめなら、それは薬物療法の限界なので、長期戦の構えで、減感作療法を受けるか、下鼻甲介焼灼術を受けるかなどを考えられた方がいいかと思います。
by jibikai
| 2006-01-11 20:27
| 花粉症・アレルギー
|
Comments(9)