これから何回かに分けて、睡眠時無呼吸の話をしようと思います。
今回は「いびきと睡眠時無呼吸」について
いびきは,たまに自分のいびきで目が覚めるという方もいらっしゃいますが、大抵は家族、とくに一緒に寝ているパートナーから指摘されることが多いです。元々は仲の良い夫婦なのに,いびきが原因で喧嘩になってしまう、なんていう笑えない話も,時々耳にします。
また、大きないびきは家族の安眠を妨げるだけではなく、それ以上に大きな問題が、隠れていることが多いのです。それは睡眠時無呼吸といわれる病気であり、寝ている間に,度々呼吸が止まるために、本人も安眠が得られずに、「時間的には十分に寝たはずなのに疲れが取れない。」、「朝、頭が重い。」、「昼食後、睡魔が襲ってくる。」などの自覚症状が生じます。また、自覚症状は余りなくても酸素不足から様々な合併症、いわゆるメタボリックシンドローム、心筋梗塞、脳血管障害なども引き起こすことがあります。
健康診断の問診票を元にしたある調査では、ほとんど毎晩いびきをかく人は,男性で約20%,女性で7%程度だったそうです。睡眠時無呼吸を合併していない,いびきのみの状態を「単純いびき」といいますが、いびきを主訴に耳鼻科を受診した患者さんを対象に行った調査では,その割合はは84 例中に6 例(7.1%) であり,ほとんどが睡眠時無呼吸だったとのことです。健康診断受診者と耳鼻科受診者では、同じいびきでも、おそらく耳鼻科受診者の方が自覚症状が重いことが想像できますから,そのまま当てはめることは出来ませんが,ある程度以上のいびきでは、睡眠時無呼吸もあると考えた方がいいと思います。
たかが いびき、されど いびき でして、背後に隠れている、睡眠時無呼吸と、時には命取りとなる合併症に,気を付けたいものです。
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