妊婦さんと花粉症
2006年 02月 17日
それはさておき、スギ花粉症で受診する方で一番多い層は、実は20〜40代の女性なんです。というわけで、妊婦さんの花粉症というケースも多いわけです。この場合困るのが、胎児に影響を与える可能性のある薬は使いづらいということです。まず、妊娠4ヶ月まではほとんどの薬は使わない方が無難です。5ヶ月目になったら、ステロイドの点鼻は比較的安全ですので、処方します。ただし、飲み薬はいずれも胎盤を通って胎児に移行しますので、あまり使いたくないところです。
薬に頼れないとなりますと、余計に日常の注意が必要になります。まず、テレビ、新聞やネット上の花粉情報はこまめにチェック。一日のうちでは、午後2時から4時頃までは花粉の非常に多い時間帯なので、要注意です。また、雨上がりに急に晴れたりすると、花粉も多く飛ぶし、水分を含んで破裂した花粉から、抗原そのものが飛び散るとも言われておりますので、特に要注意です。こういった日には外出を控えるとともに、窓を開けない、洗濯物を外に干さないなどの注意が必要です。もし外出した場合、洗濯物も外に干してしまった場合は、衣服や洗濯物をはたいて花粉を落とすことは有効です。外出時の衣服の素材によっても、家の中に持ち込まれる花粉の量は違ってきます。ナイロンや綿など表面のツルッとしたものの方が、毛やフリースなどよりも良いと思います。外出時、マスクとメガネもできるだけ付けましょう。マスクは花粉症用のものの方がやはり有効なようで、使用頻度にもよりますが、2〜3日に一度ぐらいは取り替えましょう。
とりあえず、今思いつく日常の対処法を挙げてみましたが、それでもひどくなったらどうするか。医薬品を使わない治療法としては、昔から温熱療法っていうのが良いとは言われています。これは鼻から暖かい水蒸気を吸入するもので、要するにスチームですね。専用の機械もあるようですが、なければ風呂で、お湯に浸したタオルを鼻の表面に当てて暖めるのも有効でしょう。それから、良く聞かれるのが健康食品はどうなの、っていうことです。これは、口コミや、マスコミが花粉症に効くと宣伝してはいるものの、科学的に効果が証明されていないものが多いので何とも言えず、あまり胡散臭いのはお勧めしたくないです。ただ、ビフィズス菌BB536っていうやつを含んだヨーグルトは、科学的に効果が証明されているようです。また、これは健康食品ではないのですが、よく駅伝の選手なんかが鼻に張っている絆創膏みたいなテープ、「鼻腔拡張テープ」っていうですが、あれは貼る場所をきちんとすれば、鼻づまりに効果があるそうで、これらは、きちんと論文にもなっております。
以上、ずらずら〜っと花粉症の妊婦さん向けのアドバイスを書いてみました。どこかで元気な赤ちゃんを産むため人ために、すこしでもお役にたてればうれしいです。
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