鼻と耳とスイミングスクール
2006年 03月 16日
もうすぐ年度末、小さなお子さんをお持ちのお母さんやお父さんは、4月から何か新しい習い事でもさせようかと考える時期と思います。で、よく聞かれるのが、「スイミングスクールに通わせたい(通わせている)んですけど、いいでしょうか。」という質問です。スイミングスクールに入るのは、幼稚園、保育園児が一番多いと思うのですが、この年頃で耳鼻科に通っているのは、アレルギー性鼻炎か副鼻腔炎か中耳炎、あるいはこのうちのいくつかを合併している子がほとんどなので、結論から言うと、水泳は耳と鼻にとっては百害あって一利無しです。それは耳に水が入るからいけないというのではなく、鼻に水が入るのが良くないのです。鼻に水が入ると、プールの水は身体の中の水分より薄いですから、昔セロファンで浸透圧の実験をしたことがあるかと思いますが、プールの水は鼻の粘膜を通して、身体の中に移動しようとします。このとき粘膜に対してダメージを与えるわけです。鼻炎がひどくなり、それにより副鼻腔炎も悪化。その結果、耳管の働きも悪くなり、中耳炎になるか、悪化します。また、消毒のために入れる塩素もまた、粘膜刺激性があり、鼻や咽に悪影響を及ぼします。
ただし、鼻や耳のことを度外視すれば、水泳により体力がつくとか、積極性が身に付くとか、メリットももちろんあるわけで、中耳炎の急性期とか、副鼻腔炎で黄色い鼻が出ているときなどを除いては、禁止とまでは言わないことが多いです。ただその際にも、水泳のデメリットはきちんと説明するようにしています。
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