賄い治療

よく寿司屋の職人などが作る、客には出さない自分たち用の食事を”賄い飯”というそうですが、医者には自分用の”賄い治療”というものがあるのでしょうか。つまり、医者が自分が病気になった時にする治療というのは、患者さんに対する治療とは違うのか、という話です。

 私が加入しております健康保険は「医師国保」というもので、原則的に自己診療は認められておりません。自分が病気になった時、保険を使いたいのであれば、他の医療機関を受診しなければなりません。まあ、病気になったときに医者にかかるのは当たり前なのですが、特に自分の専門である鼻炎だとか咽喉頭炎(いわゆる風邪症状)などの場合、正直な話、他の医者に診せるのは、面倒だし何となく恥ずかしかったりするわけです。で、どうしているのかといいますと、結局自己診断して、自分で薬を処方してといいますか、メニューを考えて内服したりしているわけです。よほど不安があれば、看護士に採血してもらったりすることもありますが、たいていの場合は自覚症状から診断していきます。

今回の私の症状は、昨日からの水っぱな、咽のいがいが感と軽い痛みです。発熱はないようです。自分の診断では、ウイルスか細菌感染による急性炎症の初期か、あるいは鼻とノドのアレルギーかというろころ、今日から抗ヒスタミン作用のある抗アレルギー薬と抗生剤を飲み始めました。これが、同じ症状を患者さんが訴えたとなると、薬の種類はもう1,2種類ぐらい増えるかも知れません。日数も、次回来院日に合わせて5〜7日分ぐらい処方することが多いと思います。自分で飲むのは大抵2〜3日のことが多く、これも患者さんに対する治療と違います。

この差は、何かといいますと、患者さんに対する治療は随時診察できるわけではないので、ややオーバースペックに偏ってしまうためです。自分の治療は、足りないものがあれば職場にいる限りいつでも追加できるわけですので、最初は必要最小限にすることが多いのです。また、自分用には何かスペシャルなメニューがあるんじゃないかと思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、それはないです。

一般的にも、医者の不養生といい、自分自身を濃厚に治療する医者は少ないと思うのですが、それでも結構みんな休まずに働いています。それは、自分用の賄い治療が良いのではなく、元々医者になるような奴らは、受験勉強も、つらい医学部の実習にも耐えた者ばかりなわけですから、平均よりは少し丈夫な人間がそろっているからなのではないでしょうか。やっぱり医者の世界も、体が資本です。

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Commented by ジャスミン at 2006-04-25 10:36 x
初めてのカキコです。よろしくおねがいします。
耳のアレルギーがあってたり、歌をやっていて風邪を引くとすぐのどが痛くなる等、耳鼻科にはたびたびお世話になっているので、色々とけんさくしているうちにこちらにたどり着きました。しばらく前から拝見しており、いつも楽しく読ませて頂いています。
さて、本題ですが、お医者さんは自分で自分に処方箋を書いてはいけないと聞いたことがあります。ご自身でお薬を飲むときはどうなさっているのですか?ちょっと気になりました。。。
Commented by jibikai at 2006-04-25 12:52
>ジャスミンさん、ようこそ。医者が薬を飲むときどうするか、という質問ですよね。これは、医師法と保険診療というものを分けて考えなければいけません。医師法では、自分を治療しても罪にはなりませんが、保険は使えないということなのです。病院などでは、他の医師に処方箋を書いてもらうことも可能なのですが、私の所のような、一人しか医者がいないところでは、薬だけ実費か保険で決められた金額で買うことになります。
by jibikai | 2006-04-23 00:33 | Comments(2)

山形市の耳鼻咽喉科 あさひ町榊原耳鼻咽喉科  院長のブログ


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