アデノウイルス感染症
2006年 05月 30日
アデノウイルスが起こすもので、よく知られているのは、咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)というもので、一般的にはプール熱と呼ばれるとおり、プールの水を介して感染することが多いものです。咽の痛みと発熱などの風邪症状の他には、ウイルス性の結膜炎をおこしますので、目が充血して、痛みや涙目にもなります。
で、この咽頭結膜熱には嫌な思い出が。3~4年前のこと、鼻炎などで時々診ていた、小学校低学年の子が、急な熱と咽の痛みを訴えてやってきました。咽が全体的に充血しており、結膜の充血もあったので、咽頭結膜熱と診断し、その旨、お母さんに説明しました。
咽頭結膜熱であれば、症状消失後2日後まで出席停止になるので、お母さんはその旨学校へ届けました。ところが、養護教諭(いわゆる保健の先生)から驚くような言葉が。「うちの学校では咽頭結膜熱は一人も出ていませんから、そんなはずはありません。とにかく耳鼻科ではなくて、きちんと小児科で診てもらってください。」といわれたとのこと。
少なくとも咽の病気の見立ては、一般的な小児科医よりも優れていると自負しておりますので、正直、憤慨いたしました。どうも事情を聞くと、届け出とかが面倒なので、夏風邪としてすませたかったということと、あまり評判の良くない養護教諭であったとのこと。それにしても、無知にもほどがある、と思いました。幸いその養護教諭は、転勤して当地にはいなくなったそうなので一安心です。
話を本題に戻しますと、この咽頭結膜熱は今年大流行のおそれがあるとのことです。咽の痛み、発熱、目の痛み充血、目やになどがあれば、この病気の可能性が高いです。同じ様にウイルスで風邪症状をおこす、インフルエンザほどひどくはなりませんが、一応ご注意を。
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