喉頭癌
2006年 07月 14日
ロック歌手である忌野清志郎氏が、6月末からのどの違和感を訴え、7月上旬に喉頭癌の診断を受けたとのニュースがありました。入院して治療に専念するため、今後のスケジュールはキャンセルとのことです。
さて、喉頭癌とはどういう病気かというお話。以前にも声帯ポリープと喉頭癌というタイトルで記事を書いてますので、かなり内容はかぶりますが、もう一度おさらいしましょう。
喉頭癌とは文字通り”喉頭”にできる癌”(がん)”です。のどには”咽頭(いんとう)”と喉頭(こうとう)”がありまして、そのうちの喉頭は空気を行き来させる、気道(きどう)としての役割と、声を出すこと、つまり発声の役割を持っています。ちなみに、それに対して咽頭は気道の一部としての役割と、食べ物を摂取するための役割とを持ちます。
それで、話を喉頭癌に戻しますが、最初の症状は、声がかすれて出にくくなるというのが一番多いです。その他には、今回のようにのどの違和感という症状もありますし、進行すれば息苦しくなったり、呼吸の度に喘鳴といって雑音が出たりもします。また、喉頭は食べ物や飲み物が気管の中にはいるのを防ぐ役割も担っていますので、喉頭癌が進行すると、誤嚥(ごえん)と言って、食べ物が気管に入り、その結果よくむせかえるようになったりします。ただし、食事が咽を通らなくなるのは、よっぽどひどくなって、咽頭まで狭くなった時です。
また、のど以外のしょうじょうとしては、首のリンパ腺がゴリゴリとした感じで硬く腫れてきたりします。
原因は、喫煙が強く関係しているといわれています。90過ぎまで1日40本吸ったって、喉頭癌にも肺癌にもならない人もいるじゃないかと言う反論もあるかと思いますが、どうもタバコの有害物質に対する抵抗性といいますか、癌になりにくさといいますか、は遺伝的な要因で決まっており、とくに血縁の方で、肺癌や咽頭癌、喉頭癌方がいらっしゃる場合は、自分もなりやすいと思って、タバコには手を出さないか、すでに吸っている人は一日も早く止めた方が賢明です。
治療ですけれども、初期で見つかった場合と、ある程度進行している場合とでは全然違います。初期では、レーザーで声帯に出来た腫瘍を切除するだけで済むこともありますし、さらに放射線治療が必要になることもありますが、いずれにせよ、余り強い後遺症を残さずに治癒出来る可能性も高いです。ところが、進行してから見つかった場合は、どうしても喉頭全体を取らないと救命出来ないことが多く、この場合、普通に発声できなくなります。喉頭全体を取った場合には、リハビリとして、食道発声という方法を習得すれば、自力で会話出来るぐらいにはなります。
喉頭癌は、耳鼻科で扱う癌の中では一番多いのですが、幸い命を落とす方は、他の場所の癌よりも少ないと思われます。予防としては、とにかく禁煙につきます。また早期発見、早期治療も何よりも大事です。
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喉頭癌とは文字通り”喉頭”にできる癌”(がん)”です。のどには”咽頭(いんとう)”と喉頭(こうとう)”がありまして、そのうちの喉頭は空気を行き来させる、気道(きどう)としての役割と、声を出すこと、つまり発声の役割を持っています。ちなみに、それに対して咽頭は気道の一部としての役割と、食べ物を摂取するための役割とを持ちます。
それで、話を喉頭癌に戻しますが、最初の症状は、声がかすれて出にくくなるというのが一番多いです。その他には、今回のようにのどの違和感という症状もありますし、進行すれば息苦しくなったり、呼吸の度に喘鳴といって雑音が出たりもします。また、喉頭は食べ物や飲み物が気管の中にはいるのを防ぐ役割も担っていますので、喉頭癌が進行すると、誤嚥(ごえん)と言って、食べ物が気管に入り、その結果よくむせかえるようになったりします。ただし、食事が咽を通らなくなるのは、よっぽどひどくなって、咽頭まで狭くなった時です。
また、のど以外のしょうじょうとしては、首のリンパ腺がゴリゴリとした感じで硬く腫れてきたりします。
原因は、喫煙が強く関係しているといわれています。90過ぎまで1日40本吸ったって、喉頭癌にも肺癌にもならない人もいるじゃないかと言う反論もあるかと思いますが、どうもタバコの有害物質に対する抵抗性といいますか、癌になりにくさといいますか、は遺伝的な要因で決まっており、とくに血縁の方で、肺癌や咽頭癌、喉頭癌方がいらっしゃる場合は、自分もなりやすいと思って、タバコには手を出さないか、すでに吸っている人は一日も早く止めた方が賢明です。
治療ですけれども、初期で見つかった場合と、ある程度進行している場合とでは全然違います。初期では、レーザーで声帯に出来た腫瘍を切除するだけで済むこともありますし、さらに放射線治療が必要になることもありますが、いずれにせよ、余り強い後遺症を残さずに治癒出来る可能性も高いです。ところが、進行してから見つかった場合は、どうしても喉頭全体を取らないと救命出来ないことが多く、この場合、普通に発声できなくなります。喉頭全体を取った場合には、リハビリとして、食道発声という方法を習得すれば、自力で会話出来るぐらいにはなります。
喉頭癌は、耳鼻科で扱う癌の中では一番多いのですが、幸い命を落とす方は、他の場所の癌よりも少ないと思われます。予防としては、とにかく禁煙につきます。また早期発見、早期治療も何よりも大事です。
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by jibikai
| 2006-07-14 11:22
| のどのはなし
|
Comments(0)