めまい
2006年 08月 03日
「え〜っ、めまいって耳鼻科の病気なの?」っていう方も一部いらっしゃるかと思います。めまいというのは、身体のバランスを取る平衡機能(へいこうきのう)という働きがうまくいかなくなって起こります。平衡機能は簡単にいえば耳の奥の内耳というところにセンサーがあって、ここからの情報が脳幹部や小脳で解析されることですが、このうちのどこかがトラブルを起こすと、”めまい”という症状が起こります。従って、めまいは耳を専門に診る科、すなわち耳鼻科と、脳の働きを診る神経内科や、脳神経外科で分担、協力して診ることになります。
「それじゃあ、実際めまいが起きた時にどこにかかっていいか分からないじゃないか。」という意見も出ますよね。あるいは、救急車を呼んでいいものかどうか迷うこともあるでしょう。今日はそんな話を中心にします。
一応、外傷など明らかな原因があるもの以外で、内耳が原因のめまいはとりあえず命に関わることはありません。一方、頭の中の脳幹部や小脳に原因がある場合は、運が悪いと命に関わったり、重い後遺症を残したりします。で、その見分け方なんですが、まずはめまい以外の症状として、ろれつが回らない、意識がはっきりしなくなってきた、手足に麻痺がある、なんていう場合には、頭の中に原因があり、しかも緊急を要することが多いですから、すぐに総合病院で診てもらいましょう。この場合、救急車を呼ぶこともためらわなくていいと思います。
一方、めまいがひどく起きあがれないほどであっても、ろれつが回らない、意識障害、手足の麻痺はない場合、これは内耳のトラブルである可能性も高くなります。それに加えて、耳鳴や難聴がめまいと前後して起こっていれば、ますます内耳性のめまいの可能性が高くなります。この場合は、とりあえず、少し動ける程度なら、耳鼻科を受診してよろしいかと思います。また、命に差し障りなのないものの、全然動けないようなら救急車で総合病院を受診するのも仕方ないかと思います。
めまいの原因はそれこそ限りなくありますが、そのうち命に関わるめまい、あるいは重い後遺症を遺すめまいはそう多くはありません。めまいの発作がひどい時には、「このまま死んでしまうんじゃないか。」と思う方も多いそうですが、まずは本人も周囲の人も冷静になって、他に症状がないかみてみることも重要です。
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耳鼻科医がめまい診療にどれだけ関わっているかですが、少なくとも私の出身の山形大学の耳鼻科では比較的めまいに力を入れて診療していた方なので、その関連病院では、明らかに中枢性という以外は耳鼻科で診ることが多いです。ただ、めまい診療も医者の側からすると、苦労が多い割には(点数的にも)報われないので、患者さんのニーズの割に充実しにくい分野なのかも知れません。
私の場合は最初のめまいでじっとしているとめまいは治まる事を覚えてしまったのですが、最初の時にもし「脳」が原因だとしたら判断ミスという事になり今ごろどうなっていたか・・・(^^;; 何回も繰り返す事によって、しかも何回も何回も繰り返す事によって比較的冷静に対処しますが、初めてだったり数回程度だと冷静になるのはむつかしいのかもしれません。

めまいは耳鼻科でも診ていただけるんですね、耳鼻科の診療領域ってとても広範囲 今日のお話とても勉強になりました φ(..)メモメモ
あの~ めまいと立眩みってぜんぜん別物ですか?私、立眩みよく起こすんですけど。
メニエール病の初回発作の時は、ひどい回転性のめまいで何事かと動揺する方が多いと思います。そのためか、最初は耳鳴や難聴を訴えてくれないこともあり、また、めまいがひどくて起きられず聴力検査も出来ない場合は、診断が遅れることも無いわけではありません。もちろん反復するようになれば、本人も医者もメニエール病の発作とすぐ分かるわけですが。
>今回のお話
ん?今までの他の記事はあまり勉強になりませんでしたか(笑)?
それはともかくとして、
ひどいめまいで救急車で運ばれた場合や時間外の救急外来で診てもらう場合ですと、選択の余地はないのですが、日中外来を受診する場合には、自分で耳鼻科か脳外科か内科を選択することになると思います。まあ、窓口が違っても最終的には診断がつきますが。
”めまい”は自分が回ったり、周囲がまわる感じをいい、ふらつきや立ちくらみは”めまい感”といって一応区別していますが、厳密には分けられないこともあります。立ちくらみは、起立性調節障害とか起立性低血圧のときに多いですが、もちろんそれだけでは断定できません。

めまいに限らず境界領域の疾患を診る場合は、関係する各科の医者同士である程度、ケースごとでどうするか取り決めがあると本当は楽なんですが、なかなか横の連携は難しいですね。
無理矢理、訂正してもらったようで、すいませんでした m(__)m
記事が「めまい」ということで・・・
3年ほど前から1年間近く辛い思いをしました。今は大分楽です。
色々な科を受診しました。神経内科、耳鼻科、内科、漢方、心療内科も行きました。都内で一人いる時など、めまいから倒れそうな感を受けると不安が増大するようでした
原因はストレス+運動不足による筋力の低下+老化だと自己分析しています。中枢性というのでしょうか、異常亢進?し、首こり、肩こり、背中こりが酷かったです。整体+運動+安定剤+ライフスタイルの変更などで徐々に良くなっていきました。
それにしても、横連携は必要ようですよね。色々な科を受診し、毎回最初から説明ですから話も深まらないし・・・イライラだけがつのりました。
割合と正面を向いて、上にも下にもみず、話を良く聞いてくれた先生とお話ししてから快方へ向かったように、「勝手」に思っています。
たかしさんもかつてはめまいに悩まされていたとは、存じませんでした。
お話から想像するには、頸性めまいか自律神経のトラブルだったのでしょうか。そういっためまいの場合は確かな診断もつかない事も多いですし、薬で一発で治るものではないので、なかなか大変だったのでしょう。現在の一般的な診療体制は、めまいについて、まだまだ、患者さんのニーズを満たしていないと思いますし、内服療法以外の治療法(例えば生活指導など)が立ち後れているかも知れません。

プロジェクトチームで理詰めでモノを作っていたときに、先生のような言葉が出てくるようだったら、もっと良いモノを、参加したメンバーがより充実感をもって作れたように感じました。めまいもそんな自分のスタイル(大して今も変わりませんが)が起因したようにも思えます。いただいたコメントがつい嬉しく、すぐにコメントしてしまった次第です。ありがとうございました。
いろんな検査をしても明らかな異常所見がなく、背後に重篤な病気が潜んでいそうな徴候もないない場合は、めまい止めの薬や安定剤のたぐいを処方して、様子を見るほかないというのが現状です。
めまいを起こした背景に、何かしらのストレスがあるのは間違いなさそうとは想像できても、そこまで踏み込むことはなかなかできません。理想的には、信頼できるカウンセラーがいて、医者と連携して治療に当たれればいいのですが。