急性副鼻腔炎(その1) 〜診療シミュレーション〜
2006年 10月 05日
早速、今回は診療シュミレーションということで、もしこんな症状で耳鼻科にかかったら、どんな感じで診療が進んで行くのか、なんてことを、症状や疾患を想定して、医者と患者さんの会話形式で書いてみます。
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ある耳鼻科診療室にて
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今回の患者さんはAさん。43歳の女性
医師「今日はどうなさいましたか。」
Aさん「3週間前から風邪を引いてまして、、、、、、。」
医師「一言で風邪と言いましても、色々な症状があるのですが、具体的には何が気になりますか。」
Aさん「最初は熱があったのですが、それは下がって、咽も痛かったんですが、それは内科から薬をもらって良くなりました。」
医師「といいますと、結局、いま気になる症状というのは?」
Aさん「鼻づまりと、鼻汁です。あと痰がからんで咽がイガイガします。」
医師「頭痛はしませんか?」
Aさん「右目の奥が痛いです。」
医師「では、先ず鼻とのどを診させてください。
・ ・・・・・右の鼻の中の粘膜が腫れていますし、黄色い鼻がのどに流れ落ちていますね。急性の副鼻腔炎が考えられます。
・ 副鼻腔(ふくびくう)というのは鼻からつながる空洞で、顔面の骨の中にありますが、レントゲンでその状態を見てみましょう。」
----------------------------レントゲン検査後----------------------------
医師「顔面の骨の中には、額のところ、目の内側と、あと頬のところに部屋があるのですが、左のように透き通って黒く写っていれば、空気が入っている証拠なので正常です。
それに対して、右側の頬の中の部屋は全体的に白く写っていますね。これは粘膜が腫れ上がっているか、膿が溜まっていることを表します。
昔は、蓄膿症といいましたが、副鼻腔炎(ふくびくうえん)というのが、正式な呼び方です。
副鼻腔炎には慢性と急性があるのですが、今回は急に悪くなったので、急性副鼻腔炎ということになりますね。」
Aさん「蓄膿症は治らないって聞いたことがあるんですが、本当ですか?」
医師「いいえ、きちんと治療を受けていただけば、ほとんどの場合は2〜3週間ぐらいで治りますので、ご心配なく。ただし、慢性化したり、風邪を引くたびに繰り返し副鼻腔炎を起こすことも、人によってはあります。」
Aさん「治療はどんなことをするんですか?」
医師「先ず、鼻の中に薬を付けたりして、鼻から副鼻腔へとつながっている部分を広げて、副鼻腔へと空気が入りやすくします。それから、ネブライザーといって霧状にしたお薬を鼻から吸って、直接副鼻腔へと入るようにする治療をします。これは週3回ぐらいやった方が効果的なんですが、、、、、。」
Aさん「え〜、週に3回なんてとても通えません!!」
医師「どうしても無理なら仕方ありませんが、でも、頻回にきて頂いた方が、やはり治りはいいです。
それから、飲み薬もお出ししますが、抗菌薬といって細菌を増殖を抑える薬と、粘液溶解剤(これはハナの切れを良くする薬)です。」
Aさん「わかりました。」
医師「じゃあ今日は、先ほどお話しした、ネブライザーをやってお終いです。どうぞ、お大事になさってくださいね。」
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相変わらず僕のためにあるブログのように感じました。
しかし「蓄膿症=副鼻腔炎」とは知りませんでした。
僕は昔(小学・中学の頃)、鼻ばかりすすってる子でした。その時親から「鼻ばっかりすすってると蓄膿症になる。蓄膿症は鼻を切ったりして手術をしないとダメなんだ」って言われていて恐怖に思っていた記憶があります。
今でも鼻はつまり気味で、強烈な臭い以外はあまり分かりません。
先生がおっしゃる治療は痛くはないのですか?
蓄膿症とは、副鼻腔に”膿が蓄えられる”ということで、付いた病名と
思います。まあ、一般的には蓄膿症の方が通りがいいかも知れま
せんが、正式には副鼻腔炎という病名になりますね。
記事に書いた治療は手術的治療に対して「保存的治療」という
ものですが、さほど苦痛なく受けられますし、むしろ治療後は
鼻の通りも良くなるはずなので、爽快感があると思います。
ただ、あまりに鼻の中が腫れていて、そこを広げる必要がある場合は
最初は少し痛いかも知れません。

私もちょうどこのシュミレーションに出てくる女性のような症状がありました。
3週間ぐらい前に風邪を引いて、微熱が出ました。その後、黄色い鼻水が出ていました。ただの風邪だろうと思っていたところ、なかなか治まらなかったんです。一週間ほど前から鼻水が透明に近くなり、今ではすっかりよくなりましたが、もしかすると副鼻腔炎だったんですかね?
次回調子が悪くなったら、早めに診てもらうようにします。
ちょっと充電してました・・・・・(←何を偉そうに・・苦笑)
ところで、急性副鼻腔炎(その2)にも書きましたが、実はこの病気、風邪引きの時には、結構当たり前に起きているのです。
ただ程度が軽ければ、自然に治っているわけで、治療が必要になるのは、症状が強いときと長引くときということになりますね。
もちろん軽くても、早めに治したいときと、繰り返すときは耳鼻科を受診した方が良いと思います。
充電期間は終わり、また、元のペースぐらいではアップしていきますので、また、よろしくお願いしますね。


そうですね、軽い副鼻腔炎の場合、知らず知らずのうちに罹って、
いつの間にか治っている、ということも多いのですが、確かに
治療を受けられた方が、不快な症状は早く取れると思います。
ただ、働き盛りの人にこの病気は多く、なかなか直ぐに受診するのが
難しいと、皆さんよくおっしゃいます。