老人性難聴
2007年 02月 10日
聞こえの悪くなる原因は様々ですが、原因によってどうしても治らない
難聴というものがあります。その代表的なものは老人性難聴です。いわゆる
「年寄り耳」といいますか、老化現象による難聴です。まあ、多くの人が年を
取れば、多かれ少なかれ難聴になっていくわけなのですが、多少個人差も
ありますし、過去に中耳炎を繰り返していた方や、他に聞こえの悪くなる
耳の病気を合併していたりすると、早く難聴が進行します。
この老人性難聴の問題点は、ゆっくりゆっくり進行しますので、本人の自覚が
ないことです。また、自分では気がついていても決して認めようとしない方も、
多くいらっしゃいます。というわけで、自分からはなかなか受診せず、家族に
言われて渋々とか、検診で指摘されやむを得ず受診する方も多いです。
特に家族に言われて渋々、受診する方の場合は、難聴がかなり進行している
ことが多いです。と言いますのも、家族が困るほど、聞こえが悪いことも意味する
からです。家族は聞こえの悪い方とコミュニケーションを取るために、大声で
話さなければいけませんし、それでも、聞こえないとどんなに出来た人でも、
だんだんとイライラしてきます。また、家族でTVを見る場合は大音量に耐え
なければなりません。それでも、老人性難聴の方、本人は意外と平気でいます。
このような方が来院された場合、残念ながら老人性難聴には有効な治療法は
ありませんので、補聴器を勧めるしか、医者の仕事がありません。ところが大抵の
老人性難聴の患者さんは「俺にはまだ早い。」とか、「もう少し様子見てからでいい。」
とかいって、問題を先延ばしします。こういったやりとりを、私も大声を出しながら
しなければならないこともあり、あまり熱弁すると、声が嗄れてきたり、咳き込ん
だりすることさえあります。それでも、結局、本人が補聴器の必要性を認識して
くれないことには、たとえあまり納得しないまま補聴器を購入していただいても、
結局使わないことも多いのです。そこで、家族はいかに苦労しているか、その家族を
助けるつもりで、補聴器を付けてみないか、などと説得を試みるのですが、
実際それで納得してくださる方は、残念ながらそう多くはありません。
ところで、補聴器とはどんな物か、ということについては、近日中に記事を書き
たいと思います。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!
このブログを応援してくださる方、
他の診療所関連のブログを見たい方は、ポチッと押してください。
☆人気ブログランキング(病院・診療所部門)へ☆
一日一回のご協力、毎度ありがとうございます m(_ _)m
耳栓をした状態ということになりましょうが、それだと伝音性難聴
ですね。感音性難聴でしかも、ある特定の周波数が落ちている
などの聞こえ方を、再現し疑似体験することは難しいです。
補聴器は感音性難聴で使われることが多いわけですが、仰るとおり
完璧には聴力を補完できるものではないですね。
山形→山型・・・・いわゆる誤変換ですね。
ここ限局で、大ウケです(爆)