医師不足

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<医師人口比>日本、20年に最下位へ OECD30カ国中
人口1000人当たりの日本の医師数が、2020年には経済協力開発機構(OECD)加盟30カ国中最下位に転落する恐れがあることが、近藤克則・日本福祉大教授(社会疫学)の試算で分かった。より下位の韓国など3カ国の増加率が日本を大きく上回るためだ。日本各地で深刻化する医師不足について、国は「医師の地域偏在が原因で、全体としては足りている」との姿勢だが、国際水準から懸け離れた医師数の少なさが浮かんだ。
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以上、エキサイトニュース・毎日新聞より。

医師不足については現場の人間、特に勤務医の先生方やスタッフ、病院で長時間待たされる患者さん、入院中でも医師の回診の時に十分に話も聞いてもらえないと嘆いていらっしゃる患者さんなどにとっては、「何を今さら」、という感じがすると思います。ただ、今回は医師の偏在、要するに「医者はいるところには余るほど居て、田舎などには誰も行きたがらないのでいない。」とか、「人気のある科は余るほどいるのに、不人気の科の医者は少ない。」というだけでなく、医者の絶対数が不足しているのだ、ということがきちんと数字で示されたことは意義深いと思います。

また、いままで医者に対しては辛口の批評を繰り返し、医療制度改悪の片棒を担いで来たマスコミの論調も若干変化しつつあり、あまりに医者を叩きすぎて、結果医療崩壊を招いた反省からか、少しずつ医師も擁護しようという論調に変化してきているのは、ありがたいことです。

ただし医師の養成なんていうのは一朝一夕で出来るわけはないので、一度減らした医学部の定員をまた増やしても、なかなか直ぐに医師不足が解消される見込みはないと思われます。もちろん医学生や医者の定員を増やせば、コストも当然増えるので、その資金をどこから調達するのかなど、問題は山積みですね。

以前の記事、何故、いまさら医師不足なのか?も参考にして頂けたらうれしいです。

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Commented by ちょこ at 2007-05-29 18:35 x
先生こんにちは。
日曜日にテレビで「勤務医の内情」を見ました。テレビには、疲労しきってやつれた医師が映し出されていました。
今すぐに手を打っても、結果が出るのは最短でも10数年後になるんでしょうか?
その頃まで現役の医師の心身が持たないのでは?と心配になってしまいます。
先生もいつもお疲れ様ですm(_ _ )m  では♪
Commented by jibikai at 2007-05-29 19:20
ちょこさん、こんにちは。
医学部の定員は一度減らしてしまったので、医者が不足しているから、今度は増やそうとしても設備や教職員の充足の面から考えると、なかなか大変でしょうね。また、私の頃で医者一人養成するのに3,000〜4,000万円もかかるといわれていましたので、それを考えるとなかなか厳しいものがあります。
確かに病院では、医者が過重労働に耐えられず辞める→後任が来ない→残った医者の負担が増える→また、耐えられなくなった医者が辞める、という悪循環に陥っております。私はとっくに勤務医は辞めたので過労死する心配はなさそうですが、やはり勤務医の先生方は大変だと思います。
by jibikai | 2007-05-28 12:05 | Comments(2)

山形市の耳鼻咽喉科 あさひ町榊原耳鼻咽喉科  院長のブログ


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