耳垢
2007年 06月 14日
さて、患者さんが耳垢で受診するのにはいくつかのパターンがあります。
まずは、子供でありがちなパターンとしては、
(1)親が耳掃除をしてあげようとしたが、どうしても取れない。
(2)幼稚園、保育園、学校検診などで、指摘された。
(3)水泳の授業が始まる、あるいはこれからスイミング教室に通わせたいので、耳の健診も兼ねて、耳掃除をして欲しい。
”たかが耳垢”で子供を受診させることをためらう方も多いと思うのですが、どうしても取りきれないような耳垢はもちろんのこと、少ししか溜まっていないと思っても健診でいわれた場合は、耳鼻科で取ってもらって、鼓膜の異常などがないかどうか、確かめてもらった方が良いと思います。また、水泳によって耳垢がふやけてしまって、聞こえが悪くなることもないわけでは無いので、水泳のシーズンやスイミングスクールに通わせる前には、耳の病気が無いかのチェックも兼ねて耳鼻科を受診していただいた方が良いかと思います。
一方、大人では、
(1)耳垢を取ろうとしたのが仇になって、奥に押し込んでしまい聞こえが悪い。
(2)頭を振ったり、顎を動かす度にガサゴソ音がする。
(3)無理に耳の中をいじりすぎて、痛がゆくなってしまった。
(4)外耳道真珠腫といって、本来自然に耳の穴から脱落するはずの耳垢が、奥へ奥へと貯まってしまう病気。
上のようなケースが耳垢によるトラブルでは多く見られます。大人の場合は特に、深追いしすぎて取りづらくなってしまったり、外耳炎を起こしたりするケースが多いため、「たかが耳垢で医者にかかるのはなんだかなあ。」とお思いかも知れませんが、自分で取れない場合や痛みのある場合、聞こえの悪い場合などは耳鼻科で診てもらうことをお勧めします。
都会では耳かき専門店なるものがあると、最近TVで紹介しているのを見ました。なるほど、そういったところは”気持ちよさ”という付加価値はありそうでした。それでもあえて、耳鼻科で取ってもらうメリットを挙げるとすれば、外耳道や鼓膜の異常がないか診てもらえることと、健康保険が使えること。膝枕は付いていませんが、この差は大きいですよね。
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