聴力検査〜その1〜
2007年 07月 06日

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今日は純粋に耳鼻科的な話題で、聴力検査についてです。
一言で聴力検査と言いましても実は色々の種類があるのですが、聴力検査の中で最も基本的かつ重要な検査は、「標準純音聴力検査」というものです。他にも語音聴力検査といって言葉の聞き取りの能力を調べるものや、脳波を使った聴力検査など、多種多様な検査があるのですが、単に「聴力検査」という場合には、この標準純音聴力検査を指すことが多いです。

いずれの聴力検査も周囲に雑音のある環境では正確な検査が出来ませんので、このような防音室という部屋で行われます。写真は当院の防音室ですが、扉は二重にして、部屋の中にまた部屋を作るような感じで、壁も相当厚くしてあり、防音効果は、例えば外を選挙カーが走っても、まず問題のないレベルにしてあります。

患者さんには手前のイスに腰掛けてもらい、ヘッドホンもしくは骨導レシーバというものをつけて、写真のついたての向こう側に置いてある、オーディオメータという器械で音を出して、閾値(どれだけ小さい音まで聞こえるか)ということを調べます。この机に付いているついたては、オーディオメータを操作する手が見えないようにして、患者さんにボタンの操作から、音が出ているかどうか悟られないようにするためのものです。

写真がオーディオメータという器械ですが、大きなダイヤルは音圧(音の大きさ)を変えるためのものです。上並んだボタンは、周波数を変えるためのものです。
閾値でボタンを押すと、液晶画面にオージオグラム(閾値をグラフ化したもの)が表示され、プリントボタンで印字出来るようになっています。これは10年ほど前の器械なのですが、それ以前のものは、手書きでオージオグラムを描かなければならなかったりしましたし、また、最新式では電子カルテにデータを送れるようになっていたりして、基本は同じとはいえ、付加的な機能は大分様変わりしてきているようです。
今日は、聴力検査〜その1〜として、聴力検査室やオーディオメータについて紹介してみました。このブログを訪問してくださる方のなかでも、耳に興味のある方には面白かったかも知れませんし、そうでない方には、わかりにくく退屈な話題だったかも知れませんが、今日もおつきあい下さいまして、ありがとうございます。
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機械って進歩しているんですね。先生も手書きでアレを書いていた時期があったのでしょうか?
あ、私もosha-pさんと一緒でボタンを押すタイミングで聞こえの程度がわかります。あと、低音域はヘッドホンの振動で”音は聞こえないけれど、音が出ているであろうこと”がわかります。ヘッドホンがしょぼいのかも?(先生も耳栓をして試してみて欲しいところです)
触られるのが苦手な身として、骨導のヤツも振動がくすぐったくて苦手です。
…「聴力検査はくすぐったい」と言いたかっただけです。失礼しました。 では♪
追伸:検査室は地震の時非難するのに良さそうですね。頑丈そう!
そう、工事の音と振動は結構地面を伝わって響くので、検査にとっては最大の天敵ですね。そういえば、クレームを付けて、周囲の工事を中断させたことは何度かあります(苦笑)。
確かに低音部は音としてよりも、振動として感じることはよくあるのです。まあ、それはそれとして、「振動として認識」とでも一言書いておけば、それで参考になりますので、検査自体が無意味になるわけではないので、ご安心を。
防音室は、地震に強いことはなさそうですが、逆に中で大きい音を出しても外には漏れませんので、楽器の練習なんかにはいいかも(笑)。