耳鼻科開業医を受診する患者さん
2007年 08月 28日
前々回、8月24日のエントリーでは、耳鼻科を受診する患者さんの性別、年齢別の構成についてお話ししましたが、今日はその続きで、どのような疾患で受診しているのかという話です。
このグラフは患者さんが当院のデータベースに初めて登録されたときの、主な病名とその頻度です。
グラフを見て、まず目を引くのはアレルギー性鼻炎と慢性副鼻腔炎の多さです。軽症例や疑い例も含むために、特に多くなってしまう傾向もあるのですが、それを差し引いても、特にアレルギー性鼻炎は多いです。
また急性咽頭炎や喉頭炎も多いのですが、これは言い換えれば「ノド風邪」ですから、多くて当然かも知れません。
耳の疾患では、滲出性中耳炎、外耳道炎(および湿疹)、急性中耳炎の順で、かつては耳鼻科の診療の中心であった急性中耳炎はやはり割合的にも減ってきているのではないかと思います。
感音性難聴とひとくくりにした中には、加齢による難聴、低音障害型感音難聴、メニエール病、突発性難聴などが含まれますが、全部合わせても726例でした。このうち、低音障害型感音難聴(低音障害型感音性難聴、低音障害型突発性難聴)は、病院よりもむしろ診療所を最初に受診することが多いので、この疾患に関してはさらにデータを詳しく解析してみる必要があるとは思っています。
さて、今回自分の診療所のデータを大雑把に見てみましたが、予想通り、鼻や咽喉頭のアレルギー疾患や急性炎症の多い印象でした。総合病院などの耳鼻科になりますと、急性炎症はむしろ少なくなって、癌の割合なども多いし、難聴やめまいなどについてももう少し複雑な症例が多くなるかも知れません。
耳鼻科開業医としての役割は、鼻やのどのアレルギー疾患や急性炎症などをしっかり治療するとともに、ごくごく稀にしか診ない疾患も見逃さないことかなと思った次第です。
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グラフを見て、まず目を引くのはアレルギー性鼻炎と慢性副鼻腔炎の多さです。軽症例や疑い例も含むために、特に多くなってしまう傾向もあるのですが、それを差し引いても、特にアレルギー性鼻炎は多いです。
また急性咽頭炎や喉頭炎も多いのですが、これは言い換えれば「ノド風邪」ですから、多くて当然かも知れません。
耳の疾患では、滲出性中耳炎、外耳道炎(および湿疹)、急性中耳炎の順で、かつては耳鼻科の診療の中心であった急性中耳炎はやはり割合的にも減ってきているのではないかと思います。
感音性難聴とひとくくりにした中には、加齢による難聴、低音障害型感音難聴、メニエール病、突発性難聴などが含まれますが、全部合わせても726例でした。このうち、低音障害型感音難聴(低音障害型感音性難聴、低音障害型突発性難聴)は、病院よりもむしろ診療所を最初に受診することが多いので、この疾患に関してはさらにデータを詳しく解析してみる必要があるとは思っています。
さて、今回自分の診療所のデータを大雑把に見てみましたが、予想通り、鼻や咽喉頭のアレルギー疾患や急性炎症の多い印象でした。総合病院などの耳鼻科になりますと、急性炎症はむしろ少なくなって、癌の割合なども多いし、難聴やめまいなどについてももう少し複雑な症例が多くなるかも知れません。
耳鼻科開業医としての役割は、鼻やのどのアレルギー疾患や急性炎症などをしっかり治療するとともに、ごくごく稀にしか診ない疾患も見逃さないことかなと思った次第です。
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おはようございます。
耳鼻科での眩暈・難聴はかなり少数派なんですね。
ましてや、ホントのメ病ともなればごくごく少数ですね。
確かに私も最初は診療所に行きました。今はネットで情報をみて最初から総合病院とかめまい外来とかへ行くケースも多いかもしれませんね。
耳鼻科での眩暈・難聴はかなり少数派なんですね。
ましてや、ホントのメ病ともなればごくごく少数ですね。
確かに私も最初は診療所に行きました。今はネットで情報をみて最初から総合病院とかめまい外来とかへ行くケースも多いかもしれませんね。
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>osha-pさん、こんばんは。
眩暈、難聴は確かに割合からすると少数なのですが、当然の事ながら軽視出来ない疾患です。総合病院との違いは、CTやMRIなどの画像診断が出来ないこと、めまいの精密検査であるENGが出来ないことと、入院施設の無いことです。個人の耳鼻科医院でも聴力検査とフレンツェル等による平衡機能検査はできますから、おおよその診断はつきます。
病院と診療所で役割分担ができれば一番いいのでしょうが、患者さん本人がどちらを受診したらよいか判断出来ないケースも多いのが現状かと思います。
眩暈、難聴は確かに割合からすると少数なのですが、当然の事ながら軽視出来ない疾患です。総合病院との違いは、CTやMRIなどの画像診断が出来ないこと、めまいの精密検査であるENGが出来ないことと、入院施設の無いことです。個人の耳鼻科医院でも聴力検査とフレンツェル等による平衡機能検査はできますから、おおよその診断はつきます。
病院と診療所で役割分担ができれば一番いいのでしょうが、患者さん本人がどちらを受診したらよいか判断出来ないケースも多いのが現状かと思います。
>peanut-streetさん、おはようございます。
実際には他の病気、例えば急性鼻炎(いわゆる鼻風邪)との合併なども多いので、アレルギー性鼻炎単独で受診する方はこの数字ほどではないのですが、それにしても多いと思います。
とくに小さい子供のスギ花粉症の増加などは、最近著しいようです。アレルギーが増えているのは間違いなさそうですが、原因はいろいろあるのでしょう。
実際には他の病気、例えば急性鼻炎(いわゆる鼻風邪)との合併なども多いので、アレルギー性鼻炎単独で受診する方はこの数字ほどではないのですが、それにしても多いと思います。
とくに小さい子供のスギ花粉症の増加などは、最近著しいようです。アレルギーが増えているのは間違いなさそうですが、原因はいろいろあるのでしょう。
by jibikai
| 2007-08-28 14:46
| 耳鼻科全般
|
Comments(4)